22 / 36
第22話
しおりを挟む
ダンジョンに入ってすぐの広間に到着すると、予想以上の大勢の人で賑わっていた。
しかも空をいくつかのドローンが自由自在に飛んでいる。
「これは想像以上に賑やかね……」
「ですね!」
颯斗が嬉しそうに言った。
「実は僕も渋谷ダンジョン内は初めて見るんです」
理依奈もうなずいた。
「テレビでしか見たことなかったから実際に見てびっくりしたよ!」
「これらのドローンは何をしているんだろう?」
私が疑問を口にすると……
「麗奈さん、あれは大体二つのパターンがあります」
颯斗が熱心に説明を始める。
「一つは有名クランなどが自らの戦闘記録のために撮影していて後でメンバーと振り返るために利用しています」
「なるほど」
「そしてもう一つのパターンは……」
「ライブ配信の人です」
理依奈が割り込んだ。
「一部の探索者はこれでファンを増やし稼いだりしてるんです!」
「それに有名クランの目に止まることもありますからね。スカウトされたりすることもあります」
颯斗が続けた。
「へえ、それは面白いわね」
私も周囲を見渡す。
「試しに私も颯斗くんと理依奈ちゃんの戦いぶりを撮影してみようかな?」
「いいね!ぜひお願いしま~す!」
理依奈が嬉しそうに言った。
「僕もいいですよ!」
颯斗も同意してくれた。
私はスマートフォンを取り出しカメラ機能を起動させ、浮遊魔法で私の顔の横に移動させる。
二人が何か言いたそうだが、気にせずに準備する。
「これでいくわよ」
「了解です!」
理依奈と颯斗も防具を確認しつつ、意気込んでいる様子。
「では行きましょうか」
三人でダンジョン内の通路へと足を踏み入れ始めた。
通路は思ったより幅が広く天井も高い構造となっていた。
さらに左右の壁からは淡い光が放たれているようで、視界は良好だった。
しばらく進むと徐々に人の姿が少なくなり静けさが増してきた。
「モンスターに近づいている感じだね」
理依奈が前方を見ながら言った。
「そうだね。ここからが本番だね」
私は収納魔法から小さな宝石がついたネックレスを取り出した。
「これは……?」
理依奈と颯斗が不思議そうに見つめてくる。
「これは安全対策用のアクセサリーだよ。一定以上のダメージを自動的に吸収してくれる機能があるの」
「えぇ!?」
「さらにはペンダントに一定以上のダメージが入り、危険が迫った時に私へ身につけている人の位置を教えてくれて、その位置に私がワープ出来る機能があるの」
「す、すごいアイテムですね……」
颯斗が感嘆の声を上げた。
二人にそれぞれネックレスを渡す。
理依奈はネックレスを見つめ、
「きれい……」
と呟いた。
一方、颯斗は私に向かい質問する。
「これって相当高価なものじゃないんですか?」
「私の自作だから大丈夫よ。大事な姪っ子と甥っ子に万が一があって欲しくないからね」
ウインクして言うと、理依奈が感激して抱きついてきた。
「麗奈お姉ちゃん大好き!!!」
その温もりを感じつつ微笑む私。
颯斗は赤面しながらも感謝の気持ちを表してくれた。
「さて、そろそろ本来の目的に戻ろうか。ダンジョンの基本は索敵からだよ」
三人で再び歩き始める。
周囲には誰もいなくなった静かな空間になってきていた。
私たちはモンスターを探しながらゆっくりと進んでいく。
理依奈と颯斗に前を行かせ、私は後ろからサポートに徹している。
彼らにとってはこれが学校以外での初めての実践的な訓練になるだろう。
「颯斗君は盾持ちで前衛をしっかりやってね。理依奈ちゃんは後ろから援護射撃をお願い」
理依奈が自信満々に応える。
「任せて!ファイヤーボールでバーンとやっちゃうよ!」
颯斗は真剣な表情で前に進みながら、
「油断せずに行こう」
と注意を促した。
突然前方からゴブリンの唸り声が聞こえた。
「来たぞ!準備して!」
颯斗が叫び盾を構えた。
その横で理依奈が詠唱を始める。
「火の精霊よ……我が意志に応えよ……ファイヤーボール!」
彼女の杖から炎の弾丸が飛び出し、ゴブリンに命中した。
しかし完全には倒せていない。
「まだ生きてる!」
颯斗が勇敢に突進し、片手剣でゴブリンに斬りかかる。
激しい斬撃が敵を切り裂き、ゴブリンは倒れた。
「ふう……倒せた」
汗をぬぐいながら安堵する颯斗に、私は拍手を送った。
「素晴らしい連携だったわ!」
理依奈も加わり、
「やったね颯斗!私たちうまくいった!」
颯斗は照れくさそうに
「まだまだ修業が必要だけどな」
と謙遜した。
その後も何度かゴブリンやコボルトとの遭遇を繰り返し、彼らは着実に戦闘技術を向上させていった。
しかも空をいくつかのドローンが自由自在に飛んでいる。
「これは想像以上に賑やかね……」
「ですね!」
颯斗が嬉しそうに言った。
「実は僕も渋谷ダンジョン内は初めて見るんです」
理依奈もうなずいた。
「テレビでしか見たことなかったから実際に見てびっくりしたよ!」
「これらのドローンは何をしているんだろう?」
私が疑問を口にすると……
「麗奈さん、あれは大体二つのパターンがあります」
颯斗が熱心に説明を始める。
「一つは有名クランなどが自らの戦闘記録のために撮影していて後でメンバーと振り返るために利用しています」
「なるほど」
「そしてもう一つのパターンは……」
「ライブ配信の人です」
理依奈が割り込んだ。
「一部の探索者はこれでファンを増やし稼いだりしてるんです!」
「それに有名クランの目に止まることもありますからね。スカウトされたりすることもあります」
颯斗が続けた。
「へえ、それは面白いわね」
私も周囲を見渡す。
「試しに私も颯斗くんと理依奈ちゃんの戦いぶりを撮影してみようかな?」
「いいね!ぜひお願いしま~す!」
理依奈が嬉しそうに言った。
「僕もいいですよ!」
颯斗も同意してくれた。
私はスマートフォンを取り出しカメラ機能を起動させ、浮遊魔法で私の顔の横に移動させる。
二人が何か言いたそうだが、気にせずに準備する。
「これでいくわよ」
「了解です!」
理依奈と颯斗も防具を確認しつつ、意気込んでいる様子。
「では行きましょうか」
三人でダンジョン内の通路へと足を踏み入れ始めた。
通路は思ったより幅が広く天井も高い構造となっていた。
さらに左右の壁からは淡い光が放たれているようで、視界は良好だった。
しばらく進むと徐々に人の姿が少なくなり静けさが増してきた。
「モンスターに近づいている感じだね」
理依奈が前方を見ながら言った。
「そうだね。ここからが本番だね」
私は収納魔法から小さな宝石がついたネックレスを取り出した。
「これは……?」
理依奈と颯斗が不思議そうに見つめてくる。
「これは安全対策用のアクセサリーだよ。一定以上のダメージを自動的に吸収してくれる機能があるの」
「えぇ!?」
「さらにはペンダントに一定以上のダメージが入り、危険が迫った時に私へ身につけている人の位置を教えてくれて、その位置に私がワープ出来る機能があるの」
「す、すごいアイテムですね……」
颯斗が感嘆の声を上げた。
二人にそれぞれネックレスを渡す。
理依奈はネックレスを見つめ、
「きれい……」
と呟いた。
一方、颯斗は私に向かい質問する。
「これって相当高価なものじゃないんですか?」
「私の自作だから大丈夫よ。大事な姪っ子と甥っ子に万が一があって欲しくないからね」
ウインクして言うと、理依奈が感激して抱きついてきた。
「麗奈お姉ちゃん大好き!!!」
その温もりを感じつつ微笑む私。
颯斗は赤面しながらも感謝の気持ちを表してくれた。
「さて、そろそろ本来の目的に戻ろうか。ダンジョンの基本は索敵からだよ」
三人で再び歩き始める。
周囲には誰もいなくなった静かな空間になってきていた。
私たちはモンスターを探しながらゆっくりと進んでいく。
理依奈と颯斗に前を行かせ、私は後ろからサポートに徹している。
彼らにとってはこれが学校以外での初めての実践的な訓練になるだろう。
「颯斗君は盾持ちで前衛をしっかりやってね。理依奈ちゃんは後ろから援護射撃をお願い」
理依奈が自信満々に応える。
「任せて!ファイヤーボールでバーンとやっちゃうよ!」
颯斗は真剣な表情で前に進みながら、
「油断せずに行こう」
と注意を促した。
突然前方からゴブリンの唸り声が聞こえた。
「来たぞ!準備して!」
颯斗が叫び盾を構えた。
その横で理依奈が詠唱を始める。
「火の精霊よ……我が意志に応えよ……ファイヤーボール!」
彼女の杖から炎の弾丸が飛び出し、ゴブリンに命中した。
しかし完全には倒せていない。
「まだ生きてる!」
颯斗が勇敢に突進し、片手剣でゴブリンに斬りかかる。
激しい斬撃が敵を切り裂き、ゴブリンは倒れた。
「ふう……倒せた」
汗をぬぐいながら安堵する颯斗に、私は拍手を送った。
「素晴らしい連携だったわ!」
理依奈も加わり、
「やったね颯斗!私たちうまくいった!」
颯斗は照れくさそうに
「まだまだ修業が必要だけどな」
と謙遜した。
その後も何度かゴブリンやコボルトとの遭遇を繰り返し、彼らは着実に戦闘技術を向上させていった。
32
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!
にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。
そう、ノエールは転生者だったのだ。
そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜
月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。
※この作品は、カクヨムでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる