異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー

白木夏

文字の大きさ
24 / 36

第24話

しおりを挟む
何の魔法がいいか考えふと思いついたのはラキナから地球へ、精霊を召喚する事ができるのかどうかということ。

「じゃあ試しにやってみようかな……」

「麗奈お姉ちゃん!動画撮ってもいい?」

と理依奈が言って来たので了承し、意識して魔力を集中させると、召喚陣が足元に展開した。
契約している精霊へ呼びかけると、すぐに応答が返ってきた。
地面が強く光り、その中心から美しい女性の姿が現れた。

「ご主人様、お呼びでしょうか」

メイド服を着た精霊アクアが優雅にお辞儀をする。
その姿を見た理依奈と颯斗は呆然としていた。

「二人は私の大切な甥っ子の颯斗と姪っ子の理依奈よ」

「レーナ様の精霊兼メイドをしております、アクアです。颯斗様、理依奈様、以後お見知りおきを」

アクアは丁寧に挨拶した。

突然の出来事に理依奈と颯斗は呆然としていたが我に返り、慌てて挨拶を返した。

「あ、えっと、はじめまして颯斗です!」

「理依奈です!よろしくお願いします!」

私は二人に向き直る。

「うちの精霊でね。他にも三人家にいるけど、ずっと一緒だったから家族同然なの」

アクアの存在を確認できたことに満足する一方で、ちょうど近くにゴブリン三体の気配を感じ取った。
周囲には他に人もいないようだ。

「ちょうどいいタイミングだわ。アクア、あまり大きくない魔法を見せてあげられる?」

アクアはうなずき、前方に意識を集中させた。
次の瞬間、水を凝縮させた鋭い弾丸が空気を切り裂き、一体のゴブリンの額を貫く。
二体目は地面から突如現れた鋭利な水の槍に腹部を貫かれ、三体目は水中に閉じ込められたまま窒息し、動きを止めた。

まさに圧巻の光景に理依奈は歓声を上げた。

「す、すごーい!」

颯斗も感嘆の声を漏らす。

「あんな魔法が使えるなんて……」

彼は少し躊躇しながらも質問を投げかけた。

「そんな高度な魔法を持つモンスターも、下層にはいるんでしょうか?」

私はアクアと顔を見合わせて考えた。
私の答えは控えめなものだった。

「下層クラスだと大雑把な魔法を使うことが多いわ。でも深層に近づけば、アクアが使ったように精密かつ高威力な魔法を使ってくるかもしれないわね」

アクアが微笑みながら補足した。

「実は今の技はかなり手加減していましたが、それでも十分効果的でしたね」

彼女の言葉には余裕すら感じられた。

---

アクアから最近の状況について報告を受けた。
特にケイの様子を聞いて安心する一方で、そろそろラキナの家に一度戻るべきかな?とも思った。

「あっ、ご主人様が不在でケイお嬢様が寂しがっていましたよ。」

「明後日までには一度家に戻ろうかな」

「それは喜びますよ、きっと」

とアクアは微笑んだ。
理依奈が疑問を口にする。

「ケイって?」

「私の義娘の一人。12歳の可愛い女の子よ」

私の言葉に理依奈の目が輝いた。

「え~!会ってみたい!」

颯斗も興味を示す。

「いとこって事になるのかな機会があれば会いたいね」

「じゃあ今度一緒に実家に連れて行こうかな。みんなにも紹介したいし」

話も終わり帰還するアクアへ最後に言葉を告げる。

「ケイのことよろしくね」

「お任せくださいませ、ご主人様」

そう言ってアクアは礼儀正しく頭を下げると、召喚を解除し姿を消した。
彼女の存在が感じられなくなると同時に、ラキナの我が家へと無事に帰還しただろうと思う。

「さて、と」

振り返ると、理依奈と颯斗が驚きと興奮さめやらぬ表情で立っていた。

「まあこんな感じかな」

「本当にすごいね……」

理依奈は両手を胸の前で握りしめている。

颯斗が真剣な顔つきで尋ねてきた。

「僕らも……あんな風に強くなれますか?」

彼の瞳には希望と不安が入り混じっていた。

「もちろんよ」

私は断言した。

「あなた達の努力次第だけど、確実に道は開けるわ」

颯斗の表情がほころんだ。

「ありがとうございます。頑張ります!」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

【完結】異世界に召喚されたので、好き勝手に無双しようと思います。〜人や精霊を救う?いいえ、ついでに女神様も助けちゃおうと思います!〜

月城 蓮桜音
ファンタジー
仕事に日々全力を注ぎ、モフモフのぬいぐるみ達に癒されつつ、趣味の読書を生き甲斐にしていたハードワーカーの神木莉央は、過労死寸前に女神に頼まれて異世界へ。魔法のある世界に召喚された莉央は、魔力量の少なさから無能扱いされるが、持ち前のマイペースさと素直さで、王子と王子の幼馴染達に愛され無双して行く物語です。 ※この作品は、カクヨムでも掲載しています。

処理中です...