転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀

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55.悪魔のようなシリウス(1)

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次の授業が始まる前に教室へと向かう私。

久しぶりに教室の扉を開く。
こういうの物凄くドキドキする…。

ガラッと開いた瞬間クラスの子達がこっちを見た。
私は緊張しながらニコッと笑う。

「スレイさん…!もうお身体は大丈夫なんですの?」
「あ…はい。もう平気です!」
「良かったです!私達の席の隣が空いてますから是非此方に座ってください。」
「あ、ありがとうございます。」

クラスメイトがわらわらと集まり優しくしてくれる。
思わずどうすればいいか分からず固まってしまった。

小さい頃から社交性学んでおけばよかったわ…。
でも皆の優しい気持ちに心が救われる。

私はクラスメイトに言われるがままに席に着こうとした時シリウス様に声をかけられた。

「スレイちゃん…!大丈夫?さっきはごめんね?」


「シリウス様…いえ、あれは…私が勝手に動いてしまったから…。」
「もしかして…まだ痛むんじゃない?体…」
「え、ええ…でも大丈夫…」
「大変!!まだ授業までに時間があるから、こっちに来て。サーシャちゃんに言ったら光魔法で治してくれるかも。おいで!」

シリウス様は私の手を引っ張って走り出した。
私も一緒に走ろうとするけど打撲しているお腹が痛む。
「シリウス様…ち、ちょっと待ってください…」
シリウス様は私の声が聞こえなかったのか、そのまま手を引っ張ったまま準備室と書かれた教室に入っていく。

「あの…ここ…は?サーシャさんいらっしゃらないようですけど…」

「………」

シリウス様は背中を向けたままずっと黙っていた。

「シリウス様…?」

くるっと私の方に振り向いたシリウス様は無表情のままゆっくり此方へ向かってくる。
その表情とオーラがいつもと全く違ってまるで別人のようだった。

怖い…。

私は一歩、また一歩と近づいてくるシリウス様に合わせ後退りする。

遂に私は壁まで来てしまいもうこれ以上動けない状態になってしまった。

シリウス様がどんどん近づいてくる…。
なんだか怖い…逃げなきゃ!

私はすぐ横にあるドアに手を伸ばし逃げようとするがシリウス様が瞬時に私の手首を掴み、逃げられなくなってしまった。

「シ…シリウス様、サーシャさんは…?」
声がちょっと震えてしまった…。

「サーシャ?来ないよ…あれ嘘だから。君に話したい事があったんだよね。」

私の手首を掴んだシリウス様の手が更に力を入れてくる。

「君、何で邪魔したの?あの時分かっててわざとアロイスの前に行ったよね?…そういう事されると俺の予定が狂うからやめて欲しいんだけど。」

シリウス様は今まで見たことのない悪魔のような表情をして真っ赤な瞳で私を見る。

「シリウス様もアロイス様も…ああいう事は間違ってます!」

「君には関係ないよね…!」
シリウス様は私の打撲しているお腹を思い切り爪を立てながら強く押してくる。

「ゔ……い゛…痛…い」

「君の事は凄く気に入ってたんだけど…俺の邪魔するようなら処分するか何処かに閉じ込めないとだね。」

更にシリウス様は手に力を入れてくる。

「うぁああ…や、やめ…」
痛すぎて声が出ない。

「あぁ…痛がる顔、凄い良い顔してるよ…。君ってやっぱりどんな顔も堪らないなぁ。やっぱり君の事は処分するの勿体無い…。」

シリウス様パッと手を離した。
私は痛さに耐えきれず床に膝をついた。

目の前で冷たい目でニヤリと笑っている姿はもう誰なのかも分からないくらい恐ろしいオーラを放っていた。

「いつものシリウス様じゃない…」
ボソッと言った言葉が聞こえたのか、シリウス様は座って私の目線に合わせてきた。

「いつものシリウス様は表向きいい顔しないといけないから作ってるだけだよ。本来の俺はコレ。」


嘘でしょ…小説のシリウス様はこんな感じじゃなかった筈…。もうちょっと人間味があったはずなのに…。

笑っている顔すらも不気味さがあり私はゾクっとしてしまった。

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