転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀

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122.秋の収穫祭(1)

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ーーーー収穫祭当日ーーーー

街で行われる『秋の収穫祭』。
王都の中心街にある大きい広場には色んなお店が沢山出店をしており、お菓子や生花、ジュースや果物などが売られている。

ここに来る人達や出店の人は殆どが貴族の人達ばかりだが商人や異国の人達も物珍しい商品を持って販売している。ここに来る貴族達はその物珍しい商品を楽しみにしている人達も少なくはない。

私は今日この国の王太子、ルル様の婚約者として、この広場の中心にあるステージに立ち、収穫の恵みとお祭りの成功のためにルル様と一緒に祈る為に来ている。

来ているんだけど…

私まだ婚約者に決定してないはずなんですけど!!

ルル様に誘われて一緒にお祭りに行くのかなって思って二つ返事しちゃった私も悪いんだけど…何故候・補・じゃなくて婚約者になってんの!?
いつの間に!?


「スー?さっきからどうした?俯いて。」

隣にいたルル様が私の機嫌を伺う為に私の顔をのぞいた。

「ルル様…ずっと思ってたんですが、何故私はルル様の婚約者になってるんでしょうか?候補でも良いと言ってくれましたよね…?」

ルル様はニッと嬉しそうに笑う。

「もうバレちゃったのか。」
「バ…!?いや、前々から変だなとは思ってたんですよ?でも私はまだ婚約者候補だとずっと言ってきましたよね?」
「俺もずっと逃すつもりはないって言ったけど?スーが婚約者候補を承諾した時点でこうなるシナリオだったよ。」

私は目を丸くして言葉を詰まらせた。

「でも…スーだって満更じゃないでしょ?俺といる時と他の人といる時の感情が違う事、そろそろ認めたら?」

ルル様は私の髪にキスをしながら上目遣いでこっちを見る。その色気のある仕草に顔が真っ赤になってしまう。

(うっ…ズルい…顔が良い…)

「ル、ルル様…ちょっとそれは反則です。」
「ハハハッ。可愛いっ」

たまにしか見る事ができないルル様の無邪気な笑顔は心臓に悪い。普段無表情で怖がられている人がこんな笑顔を見せられたらギャップが過ぎる…。

ほら、周りの女性達だって普段は怖くて近づけないと思ってるのにこのレアな笑顔見た瞬間恋に堕ちた顔してる…。

「何で不機嫌になったんだ…?」
「だって…こんな公共の場でルル様が笑顔を見せるから周りの女性がルル様の事好きになっちゃった…。」
「ふうん…?妬いてくれたんだ。」

ルル様に言われて私はハッとした。


そうよ…何で私妬いてるの…!?私はいつしかルル様がいつもそばにいるのが当たり前になっててそれも嫌だとは思わなかった。居心地が良くて細やかな気遣いが出来る人だったから兄のように慕っていた。

でも…今の気持ちは…?

「確かに妬きもちかも…。大好きな兄を取られたくないって気持ちになっちゃったのかもしれない。」
「スー…まだそんな事言ってんのか…?」
「え?」

ルル様は呆れたような表情をしていたがすぐにフッと少し笑みを浮かべた。

「まぁ長期戦なのは覚悟してるし、そろそろスーも気付くだろうから今はそれでいいよ。妬いてくれただけでも進歩してる。」

ルル様は私の手の甲にキスをした。

「スー、時間まで少し街を見て回ろうか。」
「はい!行きましょう!」

私はルル様の腕に手を組み2人で街に向かって歩いて行った。
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