【歴史小説】 不遇の都人 菅原道真

蔵屋

文字の大きさ
1 / 4

プロローグ

しおりを挟む

 菅原道真は、歴史上忠臣として名高く、宇多天皇に重用されて、寛平の治を支えた一人であった。その稀にみる聡明さにより醍醐朝では右大臣にまで上り詰めたのだ。しかし、道真は藤原時平の讒言(昌泰の変)により、大宰府へ大宰員外帥として左遷され現地で不遇の死を遂げたのだ。道真の死後は怨霊となって清涼殿落雷事件などを起こしたとして恐れられ、日本三大怨霊の一人に数えられている。
 今回、私はこの道真の不遇な都人みやこびとにスポットライトを当てた。
 彼の人生そのものに、今の現代人になくてはならない忠孝の精神を学んで欲しいからだ。
 特にその担い手となるのは、母親になる女性達にこの菅原道真のような人物に育てて欲しい。
 菅原道真は死後、天満天神として信仰の対象となり、今日に至るまで学問の神様として親しまれている。

 菅原 道真すがわら の みちざねは承和12年6月25日(845年8月1日)から延喜3年2月25日(903年3月26日)迄この世に生存した。
享年54歳。
 道真は日本の平安時代の貴族である。その多彩な能力は学者として或いは漢詩人として、また、政治家として発揮した。

道真は忠臣として名高く宇多天皇に重用されて、寛平の治を支えた一人であり、醍醐朝では右大臣にまで上り詰めたのだ。しかし藤原時平の讒言(昌泰の変しょうたいのへん (注釈1)により、大宰府へ大宰員外帥として左遷され現地で没した。
 道真は京の都での雅な生活を終生忘れることが出来なかった。それ故にその寂しいまた、悔しい想いはやがて怨霊となり、自分を不遇に追いやった藤原時平を始めとして、時平に関与した都人達に向けられたのだ。その道真の怨霊の凄まじさは都中を震えあがらせたのだ。
 京都の|都人(みやこびと》は次のように噂した。
 道真の死後は「怨霊となって清涼殿落雷事件などを起こした」のだと。都人達は道真の怨霊を恐れて。後に日本三大怨霊の一人に数えられようになる。
 その為、道真の怨霊を鎮めるために道真を神さまとして祀るようになったのだ。後に天満天神として信仰の対象となり、今日に至るまで学問の神様として多くの人々に親しまれている。

(注釈1)
 昌泰の変しょうたいのへんは、西暦901年に菅原道真が大宰府へ左遷された出来事である。   

ー(昌泰の変)ー
 昌泰の変は、西暦901年(昌泰4年)に起こった政治事件だ。左大臣の藤原時平の讒言ざんげんにより、右大臣の菅原道真が醍醐天皇によって大宰府へ左遷された。
 当時、菅原道真は宇多天皇に重用されていた。しかし宇田天皇が醍醐天皇に譲位した後も、道真を重用し、藤原氏に偏らない政治を目指していた。しかし、藤原時平は道真をライバル視し、両者の対立が深まるようになった。それは菅原道真の家柄が藤原時平の家柄が格下であったからだ。
 藤原時平は、醍醐天皇に対し、道真が「醍醐天皇の異母弟である斉世親王を皇位に就けようと企んでいる」と讒言ざんげんした。これにより、道真は大宰府へ左遷されたのである。

 道真は左遷から2年後の903年に大宰府で不遇の死を遂げた。
 道真の死後、京都では天災や疫病が続き、時平や関与した官僚も相次いで亡くなったため、道真の祟りだと恐れられました。道真は後に「天神」として北野天満宮に祀られ、学問の神様として信仰されるようになった。
 京都の北野天満宮の撫で牛は有名であり、今なお、全国から受験生達が撫で牛の頭を撫でて、合格祈願をしているのだ。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

日露戦争の真実

蔵屋
歴史・時代
 私の先祖は日露戦争の奉天の戦いで若くして戦死しました。 日本政府の定めた徴兵制で戦地に行ったのでした。  日露戦争が始まったのは明治37年(1904)2月6日でした。  帝政ロシアは清国の領土だった中国東北部を事実上占領下に置き、さらに朝鮮半島、日本海に勢力を伸ばそうとしていました。  日本はこれに対抗し開戦に至ったのです。 ほぼ同時に、日本連合艦隊はロシア軍の拠点港である旅順に向かい、ロシア軍の旅順艦隊の殲滅を目指すことになりました。  ロシア軍はヨーロッパに配備していたバルチック艦隊を日本に派遣するべく準備を開始したのです。  深い入り江に守られた旅順沿岸に設置された強力な砲台のため日本の連合艦隊は、陸軍に陸上からの旅順艦隊攻撃を要請したのでした。  この物語の始まりです。 『神知りて 人の幸せ 祈るのみ 神の伝えし 愛善の道』 この短歌は私が今年元旦に詠んだ歌である。 作家 蔵屋日唱

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。 ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。 また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。 その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。 この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。 またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。 この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず… 大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。 【重要】 不定期更新。超絶不定期更新です。

【戦国時代小説】 甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助

蔵屋
歴史・時代
 わたしは、以前、甲斐国を観光旅行したことがある。  何故、甲斐国なのか?  それは、日本を象徴する富士山があるからだ。     さて、今回のわたしが小説の題材にした『甲斐の虎•武田信玄と軍師•山本勘助』はこの甲斐国で殆どの戦国乱世の時代を生き抜いた。そして越後の雄•上杉謙信との死闘は武田信玄、山本勘助にとっては人生そのものであったことだろう。  そんな彼らにわたしはスポットライトを当て読者の皆さんに彼らの素顔を知って頂く為に物語として執筆したものである。  なお、この小説の執筆に当たり『甲陽軍鑑』を参考にしていることを申し述べておく。  それでは、わたしが執筆した小説を最後までお楽しみ下さい。  読者の皆さんの人生において、お役に立てれば幸いです。  

古書館に眠る手記

猫戸針子
歴史・時代
革命前夜、帝室図書館の地下で、一人の官僚は“禁書”を守ろうとしていた。 十九世紀オーストリア、静寂を破ったのは一冊の古手記。 そこに記されたのは、遠い宮廷と一人の王女の物語。 寓話のように綴られたその記録は、やがて現実の思想へとつながってゆく。 “読む者の想像が物語を完成させる”記録文学。

月の宴

一ノ瀬亮太郎
歴史・時代
もしもあの時、此奴をきっておれば……清四郎は目の前で眠りこける角之進を見下ろしながら、十年前を思い出していた。

下級武士の名の残し方 ~江戸時代の自分史 大友興廃記物語~

黒井丸
歴史・時代
~本作は『大友興廃記』という実在の軍記をもとに、書かれた内容をパズルのように史実に組みこんで作者の一生を創作した時代小説です~  武士の親族として伊勢 津藩に仕える杉谷宗重は武士の至上目的である『家名を残す』ために悩んでいた。  大名と違い、身分の不安定な下級武士ではいつ家が消えてもおかしくない。  そのため『平家物語』などの軍記を書く事で家の由緒を残そうとするがうまくいかない。  方と呼ばれる王道を書けば民衆は喜ぶが、虚飾で得た名声は却って名を汚す事になるだろう。  しかし、正しい事を書いても見向きもされない。  そこで、彼の旧主で豊後佐伯の領主だった佐伯權之助は一計を思いつく。

【アラウコの叫び 】第1巻/16世紀の南米史

ヘロヘロデス
歴史・時代
【毎日07:20投稿】 1500年以降から300年に渡り繰り広げられた「アラウコ戦争」を題材にした物語です。 マプチェ族とスペイン勢力との激突だけでなく、 スペイン勢力内部での覇権争い、 そしてインカ帝国と複雑に様々な勢力が絡み合っていきます。 ※ 現地の友人からの情報や様々な文献を元に史実に基づいて描かれている部分もあれば、 フィクションも混在しています。 また動画制作などを視野に入れてる為、脚本として使いやすい様に、基本は会話形式で書いています。 HPでは人物紹介や年表等、最新話を先行公開しています。 公式HP:アラウコの叫び youtubeチャンネル名:ヘロヘロデス insta:herohero_agency tiktok:herohero_agency

三國志 on 世説新語

ヘツポツ斎
歴史・時代
三國志のオリジンと言えば「三国志演義」? あるいは正史の「三國志」? 確かに、その辺りが重要です。けど、他の所にもネタが転がっています。 それが「世説新語」。三國志のちょっと後の時代に書かれた人物エピソード集です。当作はそこに載る1130エピソードの中から、三國志に関わる人物(西晋の統一まで)をピックアップ。それらを原文と、その超訳とでお送りします! ※当作はカクヨムさんの「世説新語 on the Web」を起点に、小説家になろうさん、ノベルアッププラスさん、エブリスタさんにも掲載しています。

処理中です...