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第二十章
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ー前回までのあらすじー
史花は、武田からプロポーズをされたことを文哉と結衣に伝えた。
文哉も結衣も史花のプロポーズの話しを聞いて、大変喜んだ。半年後に迫った全日本選手権に向けて結衣の猛練習が始まった。
そんな中、フィギュアスケート連盟から文哉のもとにフィギュアスケートの採点法について、書面で連絡があった。
その概要について、結衣と史花に説明をしたのだ。採点法は大きくは、2003年シーズンから用いられているISUジャッジングシステムと2002年シーズンまで用いられていた6.0システムに分けられる。
文哉は、この書面のコピーを結衣と史花に手渡したのである。いよいよ、本格的な結衣の練習が始まるのであった。
ー前回までのあらすじENDー
文哉と結衣、史花は兵庫大学のスケートリング場にいた。
文哉は結衣に回転数を3回転から4回転にするように指示した。
回転数はジャンプ要素、スロージャンプ要素及びツイストリフトで選手が実行した回転の数。ジャンプ要素とスロージャンプ要素の回転数は、ジャンプの空中での軌道を基準とし、踏み切り動作から離氷後に再びスケート靴のブレードが氷に触れるまでの間に何回転したかによって決まる。結衣はこのことをよく承知していた。最初の演技開始から3回転-3回転-3回転のコンビネーションジャンプ(3回転フリップー3回転ループー3回転トウループ)を跳び、見事に着氷した。
「結衣、今度は4回転を好きなタイミングで取り入れるんだ」文哉の指示に結衣は頷いた。それは二人の息がピッタリと合ったコーチと選手だけの関係だけではなく、二人の絆、いや、愛なのかもしれない。二人を見ている史花は結衣と文哉の結婚を考えるようになったのである。結衣はもう26歳。結婚適齢期である。ましてや、フィギュアスケートの選手権では数々の戦歴を残している。結衣には文哉と普通の結婚をして、子供を作り幸せな一生を送って欲しいという、母親としての子供に対する愛情を持つようになっていた。今度の全日本選手権大会で優勝したら、引退をさせて、後進に道を譲ることもいいだろう。後はフィギュアスケートの教室を持って文哉と幸せな家庭を築いてくれたらいいと考えるようになった。結衣には母子家庭という辛い人生を今まで送らせて来た。母子家庭が原因でクラスのみんなから白い目で見られ、また、虐められたりして来た。それでも結衣は頑張ってフィギュアスケートを練習して来た。史花はどうしても結衣に幸せになって欲しいと思っていた。
「よーし、結衣、今日の練習はここまでだ。今日はお疲れ様(笑い)」
結衣は文哉の言葉に笑顔で頷いた。
「「結衣、お疲れ様。食事に行きましょうね。六甲にオリエンタルホテルがあるから予約したのよ。精をつけるため、神戸牛のヒレステーキとオマール海老のソテーでも食べましょうね」
「わあ、美味しそう。ママ、ありがとう(笑い)」
「文哉さんもいいでしょ」
「もちろんです」
3人はスケートリング場を後にして、ベンツで六甲オリエンタルホテルへ向かった。
(結衣のイメージ)
『25周年アニバーサリーカップ』応募作品です。
私が小説として執筆したこの作品は『生きること』と『性』についてをテーマにしています。
神さまの教え『生と性』です。
史花は、武田からプロポーズをされたことを文哉と結衣に伝えた。
文哉も結衣も史花のプロポーズの話しを聞いて、大変喜んだ。半年後に迫った全日本選手権に向けて結衣の猛練習が始まった。
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その概要について、結衣と史花に説明をしたのだ。採点法は大きくは、2003年シーズンから用いられているISUジャッジングシステムと2002年シーズンまで用いられていた6.0システムに分けられる。
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「結衣、今度は4回転を好きなタイミングで取り入れるんだ」文哉の指示に結衣は頷いた。それは二人の息がピッタリと合ったコーチと選手だけの関係だけではなく、二人の絆、いや、愛なのかもしれない。二人を見ている史花は結衣と文哉の結婚を考えるようになったのである。結衣はもう26歳。結婚適齢期である。ましてや、フィギュアスケートの選手権では数々の戦歴を残している。結衣には文哉と普通の結婚をして、子供を作り幸せな一生を送って欲しいという、母親としての子供に対する愛情を持つようになっていた。今度の全日本選手権大会で優勝したら、引退をさせて、後進に道を譲ることもいいだろう。後はフィギュアスケートの教室を持って文哉と幸せな家庭を築いてくれたらいいと考えるようになった。結衣には母子家庭という辛い人生を今まで送らせて来た。母子家庭が原因でクラスのみんなから白い目で見られ、また、虐められたりして来た。それでも結衣は頑張ってフィギュアスケートを練習して来た。史花はどうしても結衣に幸せになって欲しいと思っていた。
「よーし、結衣、今日の練習はここまでだ。今日はお疲れ様(笑い)」
結衣は文哉の言葉に笑顔で頷いた。
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