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アルバイト勧誘編
過去遡及①
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とりあえず俺も手頃なイスに座った。
人数分の椅子やソファがあるのを見る限り、事前に準備していたのだろうな。
結局人をダメにするソファには八幡が座り、それぞれ落ち着いた。
「ちなみにだけど、一応今度集まる時は勉強会って名目だろ? 改めてこの中で成績ヤバいのは誰よ」
俺が確認すると同時にピーンと背筋よく新之助だけが手を挙げていた。
「え!? 俺だけ!?」
「前橋は? 梨音があんまり成績良くないって言ってたけど」
「むっ…………別に悪くないし」
「きいは英語と国語がねぇ……」
「ちょっと中間のテスト結果見せてみ」
前橋がカバンの中から中間テストの結果がまとめられた一枚の紙を取り出して渡してきた。
英語と国語の部分を見てみると確かに赤点ギリギリだ。
梨音が心配になるのも理解できる。
しかしその反面、数学と情報処理の点数が満点に近い。
数Iは65点で数Aにあっては30点満点だ。
さすが神奈月先輩に生徒会会計の全てを一任されるだけのスペックだ。
「心配なのは二教科でそれ以外は平均点近く取れてるし、数学と情報処理はスペシャリストだな」
「僕でも取れないよ」
「きいちゃんも勉強できるのね~」
思いの外褒められたので前橋は静かに照れていた。
得意不得意がハッキリしている分、対策はしやすいだろう。
「すげ~一芸に秀でてるタイプじゃん」
「お前が言うな」
保健体育全振り男が。
「前橋は八幡と一緒にニノから国語教えてもらえよ、現代文も古典も」
「英語はどうする?」
「この中で一番英語が得意なのは意外にも修斗なんだよね。修斗でいいんじゃない?」
「俺?」
「えっ!?」
「えって何だよ。こう見えて英語に関しちゃ意識高めだったんだぞ」
英語は中学の頃から真面目に勉強していたからな。
外国のプロリーグに行くことを目標にしていたわけだし、英語が出来なきゃコミュニケーションも取れないからな。
とはいえ知識として知っているのと会話するのじゃえらい違いがあるけど。
「それとも俺じゃ不満かよ」
「ち、違う。全然そんなことない。修斗でいい」
「なんか妥協された感ある」
「なぁなぁ俺は? 俺は誰に何を教わりゃいいんだ?」
「お前は全員から全教科だよ」
「雑!!」
当たり前だろ保健体育以外全滅だぞお前。
どの教科が得意不得意とかそういう問題じゃねーよ。
勉強がそもそも不得意なんだよ。
「じゃあ今度勉強会やる時は、サガー君と前橋……さんをメインで教えるってことでいいんだね?」
「そうだな。後はそれぞれ苦手な部分を聞く形で」
「じゃあ今日は何するよ!? 俺トランプ持ってるぜ!!」
「何で持ってんだ…………」
新之助がカバンの中からおもむろにトランプを取り出したところで、ブルッと尿意が込み上げてきた。
「悪りぃ、ちょっとトイレ」
「トイレは外に出て右の突き当たりを左に曲がってから三つ目の扉だよ」
「外でされる道案内のされ方なんだけど」
トイレ一つ行くにしてもちょっとした移動が必要とか、逆に広すぎるのも大変だな。
俺はニノに教えてもらった通り、部屋を出て右の突き当たりを左に向かい、三つ目の扉を開けた。
清潔に保たれている綺麗なトイレだ。
芳香剤の良い香りもする。
きっとトイレの女神様もご満悦なことだろう。
俺はサクッとトイレを済ませて手を洗い、もと来た廊下を帰った。
その途中、一つの部屋の扉が少し空いていたので好奇心から少し中を覗いてしまった。
そこはニノの部屋よりも狭く、広さで言えば梨音の家で借りている俺の部屋と同じくらいこじんまりしている。
窓が空いているのか、日の光が煌びやかに差し込みつつカーテンが静かに揺れている。
そして、机の上には写真立てが置かれていた。
俺は思わず部屋の中に入り、写真立てに入れられている写真を見た。
そこに映っていたのはニノだった。
今より少し幼い、入学式と書かれた白色ボードの前で優しそうな男女に挟まれて笑顔でピースをしている。
恐らく中学の入学式の写真なのだろう。
映っているのはきっと両親か。
仲良さそうな両親じゃないか。
「坊っちゃまのご友人の方、どうされましたかな?」
声に気付き振り返ると、先程俺達を車で迎えにきてくれた牧村さんがいた。
「すいません。トイレに行ったんですが迷ってしまって」
「はっはっは、少々広い屋敷にございますからな」
勝手に入ってしまったことを咎められてしまう可能性があったので、思わず嘘を付いてしまった。
「俺、高坂修斗と言います」
「これはこれはご丁寧に。改めまして私は牧村#正蔵と申します」
牧村さんが深々とお辞儀をした。
「この写真…………ニノの中学時代の写真ですか?」
「左様でございます。入学式……になりますな」
「では映っているのはニノのご両親?」
「ええ」
「優しそうな方達ですね」
「はい。私も両人はとても大変な人格者であったと伺っております」
…………ん?
伺っております?
「どういうことですか? この二人はニノの両親なんですよね?」
俺がその質問をすると、牧村さんは少し悲しげな表情を浮かべ、口を開いた。
「坊っちゃまのご両親は…………2年前、交通事故によりお亡くなりになられてしまっております」
なんだって…………!?
人数分の椅子やソファがあるのを見る限り、事前に準備していたのだろうな。
結局人をダメにするソファには八幡が座り、それぞれ落ち着いた。
「ちなみにだけど、一応今度集まる時は勉強会って名目だろ? 改めてこの中で成績ヤバいのは誰よ」
俺が確認すると同時にピーンと背筋よく新之助だけが手を挙げていた。
「え!? 俺だけ!?」
「前橋は? 梨音があんまり成績良くないって言ってたけど」
「むっ…………別に悪くないし」
「きいは英語と国語がねぇ……」
「ちょっと中間のテスト結果見せてみ」
前橋がカバンの中から中間テストの結果がまとめられた一枚の紙を取り出して渡してきた。
英語と国語の部分を見てみると確かに赤点ギリギリだ。
梨音が心配になるのも理解できる。
しかしその反面、数学と情報処理の点数が満点に近い。
数Iは65点で数Aにあっては30点満点だ。
さすが神奈月先輩に生徒会会計の全てを一任されるだけのスペックだ。
「心配なのは二教科でそれ以外は平均点近く取れてるし、数学と情報処理はスペシャリストだな」
「僕でも取れないよ」
「きいちゃんも勉強できるのね~」
思いの外褒められたので前橋は静かに照れていた。
得意不得意がハッキリしている分、対策はしやすいだろう。
「すげ~一芸に秀でてるタイプじゃん」
「お前が言うな」
保健体育全振り男が。
「前橋は八幡と一緒にニノから国語教えてもらえよ、現代文も古典も」
「英語はどうする?」
「この中で一番英語が得意なのは意外にも修斗なんだよね。修斗でいいんじゃない?」
「俺?」
「えっ!?」
「えって何だよ。こう見えて英語に関しちゃ意識高めだったんだぞ」
英語は中学の頃から真面目に勉強していたからな。
外国のプロリーグに行くことを目標にしていたわけだし、英語が出来なきゃコミュニケーションも取れないからな。
とはいえ知識として知っているのと会話するのじゃえらい違いがあるけど。
「それとも俺じゃ不満かよ」
「ち、違う。全然そんなことない。修斗でいい」
「なんか妥協された感ある」
「なぁなぁ俺は? 俺は誰に何を教わりゃいいんだ?」
「お前は全員から全教科だよ」
「雑!!」
当たり前だろ保健体育以外全滅だぞお前。
どの教科が得意不得意とかそういう問題じゃねーよ。
勉強がそもそも不得意なんだよ。
「じゃあ今度勉強会やる時は、サガー君と前橋……さんをメインで教えるってことでいいんだね?」
「そうだな。後はそれぞれ苦手な部分を聞く形で」
「じゃあ今日は何するよ!? 俺トランプ持ってるぜ!!」
「何で持ってんだ…………」
新之助がカバンの中からおもむろにトランプを取り出したところで、ブルッと尿意が込み上げてきた。
「悪りぃ、ちょっとトイレ」
「トイレは外に出て右の突き当たりを左に曲がってから三つ目の扉だよ」
「外でされる道案内のされ方なんだけど」
トイレ一つ行くにしてもちょっとした移動が必要とか、逆に広すぎるのも大変だな。
俺はニノに教えてもらった通り、部屋を出て右の突き当たりを左に向かい、三つ目の扉を開けた。
清潔に保たれている綺麗なトイレだ。
芳香剤の良い香りもする。
きっとトイレの女神様もご満悦なことだろう。
俺はサクッとトイレを済ませて手を洗い、もと来た廊下を帰った。
その途中、一つの部屋の扉が少し空いていたので好奇心から少し中を覗いてしまった。
そこはニノの部屋よりも狭く、広さで言えば梨音の家で借りている俺の部屋と同じくらいこじんまりしている。
窓が空いているのか、日の光が煌びやかに差し込みつつカーテンが静かに揺れている。
そして、机の上には写真立てが置かれていた。
俺は思わず部屋の中に入り、写真立てに入れられている写真を見た。
そこに映っていたのはニノだった。
今より少し幼い、入学式と書かれた白色ボードの前で優しそうな男女に挟まれて笑顔でピースをしている。
恐らく中学の入学式の写真なのだろう。
映っているのはきっと両親か。
仲良さそうな両親じゃないか。
「坊っちゃまのご友人の方、どうされましたかな?」
声に気付き振り返ると、先程俺達を車で迎えにきてくれた牧村さんがいた。
「すいません。トイレに行ったんですが迷ってしまって」
「はっはっは、少々広い屋敷にございますからな」
勝手に入ってしまったことを咎められてしまう可能性があったので、思わず嘘を付いてしまった。
「俺、高坂修斗と言います」
「これはこれはご丁寧に。改めまして私は牧村#正蔵と申します」
牧村さんが深々とお辞儀をした。
「この写真…………ニノの中学時代の写真ですか?」
「左様でございます。入学式……になりますな」
「では映っているのはニノのご両親?」
「ええ」
「優しそうな方達ですね」
「はい。私も両人はとても大変な人格者であったと伺っております」
…………ん?
伺っております?
「どういうことですか? この二人はニノの両親なんですよね?」
俺がその質問をすると、牧村さんは少し悲しげな表情を浮かべ、口を開いた。
「坊っちゃまのご両親は…………2年前、交通事故によりお亡くなりになられてしまっております」
なんだって…………!?
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