死に戻り毒妃の、二度目の仮婚 【オメガバース】

飛鳥えん

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<毒持ち>のオメガ

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石の壁を隔てた向こう側から、わっと地鳴りのような歓声が空気を震わせた。

シュメルヒは悄然と石壁をくり貫いた小窓を見上げる。
鉄柵の向こう。
小さく切り取られた夏の青い空を、白い雲がたなびいて、ゆったりと流れていくのが見えた。
広場の景色は見えない。
四方を冷たくじめじめした壁に囲まれ、隅に寝るための藁と、土を掘り返しただけの厠を囲った板の仕切りがあるばかりの、汚く、寒々しいこの場所に放り込まれてから、ふた月ばかり。

彼は自身が正当なイレニア国の皇族であり、このオスロ皇国の、たとえのための仮妃とはいえ……<白妃はくひ>の号を得た立場にいたことを忘れつつあった。

<白妃>の名にふさわしく、シュメルヒの長い髪は、かつては朝日に輝く新雪のようだと謳われた白金色。瞳は淡く透き通る薄氷色だ。いずれも雪深いイレニアを象徴したような色素を纏ってこの世に生まれた。

大陸の人間は、様々な髪の色、肌の色をしている。
だが、瞳の色ばかりは揃えたように、皆誰も同じ系統をしていていた。

黒、茶、灰色などが特に多い……それ以外の瞳の持ち主は<色付き>とも呼ばれ、<特種>といわれる性別にのみ顕現する。

すなわち、アルファ性か、オメガ性である。
産婆は生まれた赤子が<色付き>の目玉だった場合、すぐに周りに報せるが、専ら、市井では珍しいことだった。
大陸に生まれる<特種>のほとんどが、王家に近い血筋だからだ。

アルファ、オメガ共に王家に近い血筋ほど生まれやすい……それはふるくからの常識だった。

だからシュメルヒがオメガであること自体は、珍しくはあるものの、それほど憂慮することではなかった。
オメガであっても、皇位継承権はあるからだ。

アルファは頑健で闊達・人を引き付ける引力があるとされるが、歴史を辿れば、優秀な功績を残した者、そうでない者が両方いる。

だが……シュメルヒが抱えるはそれだけではなかった。
薄氷色の瞳を持つシュメルヒは希少種であるオメガであると同時に、体内に猛毒を宿して生まれた<毒持ち>でもあったのだ。

シュメルヒの幼い妹王女もオメガではあるが、彼女はもちろん、毒など持たない正常なオメガだ。

14歳の時、シュメルヒは仮妃として、西のカラ山脈を隔てたオスロ皇国の皇子に輿入れするよう父王に命じられた。
正式な妃は妹のナーシャ皇女だが、当時まだ8歳と幼い。
発育もやや遅れており、彼女が成長するまでの中継ぎの仮妃として、

二国間の公約と友好関係を持続させることが、シュメルヒに課せられた役目だった。
当時シュメルヒにはアルファの婚約者もいたが、彼は契約の4年間が終わるまで待つと言ってくれた。

……その言葉を、シュメルヒはずっと信じてきた。

(馬鹿な子供だった。なぜ彼が、私を本心から愛しているなんて思ったんだろうか……)

天真爛漫を絵に描いたような、許嫁の少年を思い出す。
両親にも誰にも向けられたことのない温かな笑顔に、シュメルヒは縋るように未来の幸福を思い描いた。

――いつか喜びが、手に入るかもしれない。

現実は甘くなかった。
成長した彼は、「君が帰るまで待っている」と言ったそのわずか4年後、シュメルヒを見捨て、貴族の令嬢と結婚した。

かたや自分は牢獄に入れられ、もうすぐにでも、広場に引き立てられ首を落とされる運命だ。

俯いた拍子に、ほつれた髪が肩を滑り、石の床に落ちた。
手入れをする道具も気力もなく、かつて白雪と謳われた髪は水気を失い薄汚れてぼさぼさだ。

氷に覆われた湖面のよう……遠回しに薄情で近寄りがたいと言われた瞳は、落ちくぼんだ眼窩の中で生気を失くして濁っている。
シュメルヒの美貌に寄せられた美辞麗句は、もはや見る影もない。

シュメルヒがもう一度小窓の晴れ空を仰ごうとした時、牢番がカツンと槍の柄を床に突いた。
木の扉を軋ませて、誰かが牢へ入って来たようだ。

「……キリアス」
咄嗟に名前で呼ぶと、見目麗しい男は、小首を傾げるようにして形ばかりの目礼をして見せた。かつてオスロの宮廷でそうしたように。
「何をしに来たのです……私を嘲笑いにでも?」

キリアス……キリアス・ライゼンは20代の後半に差し掛かろうかという年齢だった。
オスロ人に多い黒髪を首筋で結って肩に垂らしている。
灰色の瞳は、光の加減で濃淡が変化する不思議な色合いをしている。
佇まいは上品で、性格は瞳の色と同じく、聡明だが捉えどころのない男だったと記憶している。

温厚だが皮肉屋で、シュメルヒは嫁いでから何となく、自分より年下のこの秀才が苦手だった。

<毒持ち>云々を抜きにしても、嫌われているように思う。
出自は地方貴族の庶子だと聞いたが、優秀さを買われて宰相の秘書官の一人を勤めていた。
立身出世の気骨よりも、どちらかといえば、面倒事を憚るのらりくらりとした男だった気がする。

……最初、彼が革命軍に加担し、子供の時から仕えてきた主を裏切ったとは信じられなかった。

「白妃様。信じてもらえないでしょうが、私はあなた様にそこまでの悪感情は持ち合わせていませんよ?」
今から刑場に上がる人間に向かって、にこやかに笑う。その神経が、シュメルヒには理解できない。
死ぬ間際になっても、理解できないことだらけだ……。

(どうして、私はこんなことになっているんだろうか……)

「<毒妃>と、皆のように呼んだらいい。どうせ貴方も裏ではそう呼んでいたのでしょう」
皮肉気に口の端をつりあげるシュメルヒに、キリアスは苦笑する。
その目には、シュメルヒに対する同情と、同じくらいの呆れが浮かんでいた。

「では仰せのままに、毒妃様。ここへ来たのは、貴方様にお別れを言うためと、もうひとつ……これをお渡しに」

キリアスが差し出したのは、小脇に抱えていた画材だった。
白い帆布キャンバスに、木炭で描かれた人物画の下絵。
素人の作品だろう。腕前は玄人っぽいが、力み過ぎたのかざくざく荒い筆致は、子供が殴り書きしたようにも見える。

ぼうっと眺めていると、絵の人物が誰かに似ていると気づく。

「……私?」
イレニア王宮に四季折々の花が咲く庭園と、東屋がある。そこに腰かけ、ひとり本を読んでいる若い男。イレニアの華美な衣装に、宝石をあしらった髪飾りで長い髪を結い、耳飾りや首飾りに至るまで……木炭の黒で描かれたと思えないほど、この人物がけばけばしく飾り立てている様を強調していた。

ハッと嗤いが漏れた。

(悪趣味な。こんなものを最期に見せて。私の生活はすべてお前たちが決めてきたくせに。選択権なんて、最初から私には与えようともしなかったじゃないか)

そうだ。生まれた時から、皇族で、オメガで……おまけに<毒持ち>で。
皇族として国の利益となるように。
オメガとして淑やかに、従順であるように。
<毒持ち>として、人並みの幸福を望まぬように弁えてきたつもりだった。

「皮肉のつもりでこんな物を寄越しても、無駄ですよ。私の贅沢ぶりを糾弾されるのには飽き飽きしました。寄ってたかって、こんなっ、私はただ、あなた達の用意したものを着て、出されたものを食べただけ、それの何が罪だというのです!?」

痩せた腕で、帆布を床に投げつけた。ガゴン、と木枠が外れ中の布地が破れた。

「無名の画家になぞ頼まず、宮廷画家に生前の毒妃の贅に溺れた姿を描いてもらうことですね。私の死んだ後に!」

キリアスは破れた絵を見て、やがてぽそりと呟いた。
は画家が描いたものではありません」
誰が描いたかなんて、シュメルヒにはどうでもいいことだった。

「……イルミナ様は、どうされておいでですか」
ふと、誰も教えてくれなかったことを最期に聞いてみる気になった。

イルミナ・ルオフェ侯爵夫人は、シュメルヒが仮妃として嫁いだイレニア皇子の叔母に当たる人物だ。
前国王の妹で、甥が即位してからは彼を支え、そして何よりシュメルヒにも優しかった。
<毒持ち>の体質ゆえ母国でも腫れもの扱いで愛想のひとつもないシュメルヒにとって、はじめて親しく気に掛けてくれた……まるで姉のように慕っていた。
彼女も叛乱から逃げ延びたと聞くが、その後どうなったのか……。
残る気がかりはそれくらいだった。

他にシュメルヒを気にかけてくれる人間なんて、この世にいない。

「夫人はご息女と一緒にライカ公国に亡命されました」
キリアスの答えを聞いてほっとした。ご息女のレノーラ様も無事逃げたのか……良かった。
シュメルヒの表情を見て、キリアスは複雑な感情を浮かべた。
「夫人から白妃様に何の言伝もありませんでした。これまで、貴方があんなに夫人に便宜を図って来られたというのに」
「……? 良くしてもらっていたのは私の方だ。こんな状況下で私などに手を差し伸べる余裕など夫人にあるわけもないだろう」
最期と思うからか、少しづつ妃として取り繕った口調が剥がれ落ちていく。ああ、そういえばこんな風に素に近い口調で誰かと喋ったこともなかったな、と我ながら呆れてしまった。

オスロの言葉を話す時は、いつも格式ばった口調になってしまっていた。

「……お気に掛けるのは夫人のことだけですか」
シュメルヒは訝しく思って男を見上げた。彼は何を言わせたいのだろう。

「他に誰がいるんだ。妹のことか?心配してくれなくても、あの子は関係悪化した国との婚姻が事前に解消されて、父上たちもさぞ安堵していることだろう」
革命後、シュメルヒに何の庇護も与えてくれなかった祖国。
祖国のために仮妃として嫁いだのに、まるで捨て駒だ。
父上にも母上にも、妹のナーシャ王女だけが、きっと我が子といえる存在だったということだろう。

「白妃様。私が申し上げたいのは、あなたの<夫>のことですよ」
「……夫?」
思い出した……裏を返せば、今の今まで忘れていた。
いくら妹が輿入れするまでの中継ぎの妃とはいえ、挙式までした相手のことを忘れるなんて。
「ふ、ふふ」
「なにがおかしいのです」
「いいえ、なんでも。つくづく私は、どこか欠けているのだなと思っただけです。<彼>のことをずっと忘れていたなんて」
キリアスが黙り込む。

「陛下は今どこに?同じ刑場にいるのですか?」
「……いいえ。ヨアン様は北の離宮に……<高貴なる牢獄>でお過ごしになられています。一生、そこを出ることはないでしょう」

ヨアン
もうヨアンではないのだ。
王位を簒奪しておいて、わざわざ敬称で呼ぶのが白々しかった。

「死せる日まで共にと誓ったのに、陛下はひとり生き延びて余生を過ごされるんだな」
恨み言めいた台詞が口を突いて出た。自分はこれから処刑されるのに。
(仕方ないか。私は仮妃なのだし、陛下とはろくに交流をしてこなかった)

ふと脳裏に浮かぶのは、自分より年下の、睨みつけるようにじっと見つめてくる濃い緑の目。何か言いたそうな、おどおどした表情。
シュメルヒより四つ年下で、病弱なくせに癇癪持ちの、褒めるとすれば美姫といわれた母親似の見てくれだけ……そんな風評の皇子だった。

体質的に他人に触れられないシュメルヒとヨアンとの間に、夫婦的な触れ合いは一切なかった。
たとえ相手が本能的に惹かれるはずのアルファであっても、「将来の妹の夫」――その程度の認識しかない。
ヨアンの方でも、好き好んで<毒持ち>を傍に置きたがるわけもなく、いつもいない者として扱われていた。
それでも、若い命が永らえたなら、喜んでおくべきなのだろう。
それくらいは、まともな性根が自分にも残っていると思いたかった。

キリアスはまだ何か言いたそうにしていた。
ヨアン様は、と言いかけたが、その先は続かない。
沈黙のあと、彼は吹っ切れたように浅い笑みを浮かべた。

「いえ、もういいのです。煩わせてしまい申し訳ございません。どうか最期までのひと時を心安くお過ごしください」
シュメルヒは嘲笑した。
――心安く? 誰が、どうやって?

「私の血が触れないよう、観衆を遠ざけるのを忘れないことです」
「そうでしたね。<毒持ち>の方の処刑はわが国でも初めてのことですが、万事抜かりなく用意しております。ご安心ください」
シュメルヒの体液……特に血は人間にとっての猛毒だ。
生きているだけでも難儀なのに、まさか処刑される日までこんな心配をしなくてはならないなんて、本当に笑えない。



キリアスの隣に、革命軍の支援を扇動した貴族派閥の男が近づいた。
軽く肩を叩き、キリアスの顔を覗き込んで首を傾げる。
「どうした。浮かない顔をして」
「いや。白妃さまに伝えようとして果たせなかった。ヨアン様が今日まで必死に彼の助命を嘆願して、額を床にこすり付けてまで助けようとなさったのを」
「お前は両人とも知った仲だったな。何故言わなかった?」
「さあ、何故だろう。惜しくなった、からかな。白妃様はヨアン様に少しの関心もなかった。いつもご自分の孤独と寂しさにだけ溺れていたような方だ。伝えたところで何の意味もない気がして、やめてしまった」
男はもう一度肩を叩いて、刑場に目を向けた。

もうしばらくすると、かつて国民の目を虜にした麗しい妃が鎖を鳴らして引っ立てられるだろう。
彼は運が悪かった。悪い時に仮妃として嫁ぎ、悪い時に夫が皇帝として即位した。シュメルヒは内向的で他人に関心のない妃だったが、処刑されるほどの悪人ではない。

本人すら掌握していない事実を、これから処刑を執り行う人間が一番よく分かっているというのも皮肉なものだ。

「見ていくのか?」
「ああ。せめて最期だけでも、ヨアン様の代わりにここで祈りたい」
男は苦笑して、刑場を見下ろす階段状の観覧席から下へ降りていった。キリアスが空を見上げると、白い雲が浮かんでいる。
良く晴れていて、遠くから風に乗って花の香りがする。オスロは長い夏を迎えようとしていた。

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