6 / 50
第二章:起動
2-1:不毛の村
しおりを挟む
崖崩れの現場は、まるで悪夢の残滓(ざんし)のようだった。
粉々に砕け散った護送馬車の木片が、あの忌まわしい赤土の上に、痛々しく散らばっている。私を荷物のように押し込んだ衛兵たちは、私よりも馬の心配を優先していた。幸い、馬は脚に軽い擦り傷を負った程度、衛兵たちも打撲で済んだらしい。むしろ、荷台ごと叩きつけられた私が、この通り五体満足で立っていることに、彼らはわずかな、しかし隠しきれない「面倒臭そうだ」という感情を瞳に浮かべていた。
(……これが、異世界(こっち)の体の頑丈さ、というものかしら。それとも、前世(みのり)の記憶が蘇った衝撃で、アドレナリンが出ているだけ?)
全身の打撲は、熱を帯びてズキズキと痛む。だが、それ以上に、畑中みのりとしての二十六年間と、ファティマ・フォン・バルケンとしての十六年間の記憶が、頭の中で激しくせめぎ合い、奇妙な高揚感を生み出していた。
「ファティマ様、申し訳ございませんが、最寄りの村まで、あと半日ほどは歩いていただくことになります」
衛兵の一人が、事務的に、しかしその声色には「追放者(つみびと)にこれ以上構ってはいられない」という苛立ちが滲み出ていた。
「ええ、構いませんわ」
私は毅然と答えた。パーティー用の薄い靴(パンプス)はすでに泥で汚れ、踵(かかと)も折れている。だが、前世(まえせ)、組合員さんの広大な畑を一日中歩き回った、あの農協職員の足腰(キャリア)を舐めてもらっては困る。
衛兵たちは、大破した馬車に見切りをつけると、私を真ん中に挟むようにして、再び歩き始めた。それは「護衛」というよりも「監視」であり、早くこの厄介な荷物を目的地(すてばしょ)に届けたいという意図が透けて見えた。
道中は、地獄という言葉が、まだ生ぬるいほどの光景だった。
空は、王都のあの突き抜けるような青(ブルー)とは似ても似つかない、薄汚れた鉛色。まるで、この大地が流し続けた血(・・)と涙が蒸発し、空に染み付いて、分厚い絶望の層を形成しているかのようだ。
風が吹くたび、ヒュウ、ヒュウと、岩の隙間が泣いているかのような音がする。その風は、肌を撫でるたびに体温と水分を容赦なく奪っていく。そして、その風が運んでくる匂い。王都の緑豊かな森が放つ、生命力に満ちた土の匂いではない。
(……鉄錆と、腐敗……いや、違う。これは……無機質すぎる。何かが『死んだ』匂いじゃなく、何も『生きていない』匂い……)
足元の赤土は、踏みしめても、サリ、サリ、と乾いた音を立てるだけ。指で摘んでも、団粒構造が一切形成されていない、ただの「赤い砂」。保水力も保肥力もゼロ。前世(みのり)の知識が、この土壌がいかに絶望的かを即座に分析する。
(……ダメだ、これ。長年の雨風で、土壌のアルカリ分や有機物がすべて流れ出て、強酸性になっている。これでは、作物が根から養分(チッソ・リン酸・カリ)を吸収することすらできない)
痩せ細った木々が、まるで助けを求める亡霊のように、灰色の空に向かって枝を伸ばしている。かろうじてついている葉の色は、健康な緑ではなく、黄ばみ、端が茶色く枯れかかっていた。
(……マグネシウムか、鉄分の欠乏症。この土壌では、微量要素(ミネラル)も絶望的に不足している証拠ね)
聖女の【豊穣の祈り】。王都では、あれが絶対の力とされていた。だが、私(みのり)から言わせれば、それは化学肥料(ドーピング)の乱用だ。土壌という「母体」を徹底的に無視し、作物という「結果」だけを無理やり搾り取り続ければ、土は必ず死ぬ。
その、成れの果てが、このバルケン領の姿なのだ。
(……皮肉だわ。王都の豊かさは、この辺境の犠牲(・・)の上に成り立っていたというわけね)
ファティマとしての私を追放したあの場所は、地力を「前借り」し続け、そのツケをこの最果ての土地に押し付けていた。
歩き続けて、どれくらい経っただろうか。
太陽が、鉛色の雲の向こうで力なく傾き、世界が赤黒い影に沈み始めた頃、衛兵が「……見えました」と、疲労の滲む声で呟いた。
視線の先、丘の麓に、まるで地面から生えてきた毒キノコのように、くすんだ石造りの家々が数十軒、身を寄せ合うように集まっているのが見えた。
あれが、私の「領地」となる村。バルケン領の、麓の村。
しかし、村に近づくにつれ、私の胸を占めたのは安堵ではなく、息が詰まるような圧迫感だった。
村の入り口には、粗末な木の柵が立てられているが、その半分は折れ、魔獣避けというよりは「ここが我々の限界です」と示す墓標のように見えた。
家々の石壁は崩れかけ、屋根の木板はところどころ剥がれ落ち、冷たい風がそのまま吹き込んでいるだろうことが容易に想像できる。煙突から立ち上る煙も、数えるほどしかない。日が暮れかかっているというのに、この寒空の下、食事の支度すらままならない家がほとんどだということだ。
そして、何よりも異様なのは、その「静けさ」だった。
村特有の、子供のはしゃぐ声も、家畜の鳴きG Eも、鍛冶の音も聞こえない。聞こえるのは、あの乾いた風が、家の隙間を通り抜ける、ヒュウ、ヒュウという、まるで亡霊の嗚咽のような音だけ。
私たちが村に入ると、物陰から、まるで怯えた小動物のような視線がいくつか向けられた。痩せこけた子供が、私(ファティマ)の泥だらけだが明らかに場違いなドレスを一瞥し、すぐに母親らしき女の陰に隠れる。その母親もまた、土気色の顔で、瞳に何の光も宿さず、ただ私という「異物」を、感情のない目で見つめている。
彼らの顔は、誰も彼もが土気色だった。栄養失調で頬はこけ、その瞳には、光がない。ただ、生きているから息をしているだけ、といったような、深い諦観が刻み込まれていた。
彼らが着ているのは、麻布とも呼べないような、ボロボロの継ぎ接ぎだらけの「布」。
(……ひどい。これは、生活が苦しいとか、そういうレベルじゃない。これは……緩やかな、死だ)
農協職員として、過疎化に悩む山間の集落も見てきた。だが、ここまで「生」の活力が失われた場所は、見たことがない。
私の汚れたドレス姿と、武装した衛兵という組み合わせは、彼らにとって新たな「徴税官」か「厄災」の到来にしか見えなかったのだろう。
衛兵が、村の中心にある、かろうじて「集会所」とわかる程度の、少しだけ大きな家の扉を、剣の柄(つか)で乱暴に叩いた。
「開けろ! 王都からの使いだ! 村長はいるか!」
その高圧的な声が、死んだ村に虚しく響き渡る。
しばらくの沈黙の後、重い扉が、油の切れた蝶番(ちょうつがい)を軋ませる、まるで拷問のような音を立てて、ゆっくりと開いた。
粉々に砕け散った護送馬車の木片が、あの忌まわしい赤土の上に、痛々しく散らばっている。私を荷物のように押し込んだ衛兵たちは、私よりも馬の心配を優先していた。幸い、馬は脚に軽い擦り傷を負った程度、衛兵たちも打撲で済んだらしい。むしろ、荷台ごと叩きつけられた私が、この通り五体満足で立っていることに、彼らはわずかな、しかし隠しきれない「面倒臭そうだ」という感情を瞳に浮かべていた。
(……これが、異世界(こっち)の体の頑丈さ、というものかしら。それとも、前世(みのり)の記憶が蘇った衝撃で、アドレナリンが出ているだけ?)
全身の打撲は、熱を帯びてズキズキと痛む。だが、それ以上に、畑中みのりとしての二十六年間と、ファティマ・フォン・バルケンとしての十六年間の記憶が、頭の中で激しくせめぎ合い、奇妙な高揚感を生み出していた。
「ファティマ様、申し訳ございませんが、最寄りの村まで、あと半日ほどは歩いていただくことになります」
衛兵の一人が、事務的に、しかしその声色には「追放者(つみびと)にこれ以上構ってはいられない」という苛立ちが滲み出ていた。
「ええ、構いませんわ」
私は毅然と答えた。パーティー用の薄い靴(パンプス)はすでに泥で汚れ、踵(かかと)も折れている。だが、前世(まえせ)、組合員さんの広大な畑を一日中歩き回った、あの農協職員の足腰(キャリア)を舐めてもらっては困る。
衛兵たちは、大破した馬車に見切りをつけると、私を真ん中に挟むようにして、再び歩き始めた。それは「護衛」というよりも「監視」であり、早くこの厄介な荷物を目的地(すてばしょ)に届けたいという意図が透けて見えた。
道中は、地獄という言葉が、まだ生ぬるいほどの光景だった。
空は、王都のあの突き抜けるような青(ブルー)とは似ても似つかない、薄汚れた鉛色。まるで、この大地が流し続けた血(・・)と涙が蒸発し、空に染み付いて、分厚い絶望の層を形成しているかのようだ。
風が吹くたび、ヒュウ、ヒュウと、岩の隙間が泣いているかのような音がする。その風は、肌を撫でるたびに体温と水分を容赦なく奪っていく。そして、その風が運んでくる匂い。王都の緑豊かな森が放つ、生命力に満ちた土の匂いではない。
(……鉄錆と、腐敗……いや、違う。これは……無機質すぎる。何かが『死んだ』匂いじゃなく、何も『生きていない』匂い……)
足元の赤土は、踏みしめても、サリ、サリ、と乾いた音を立てるだけ。指で摘んでも、団粒構造が一切形成されていない、ただの「赤い砂」。保水力も保肥力もゼロ。前世(みのり)の知識が、この土壌がいかに絶望的かを即座に分析する。
(……ダメだ、これ。長年の雨風で、土壌のアルカリ分や有機物がすべて流れ出て、強酸性になっている。これでは、作物が根から養分(チッソ・リン酸・カリ)を吸収することすらできない)
痩せ細った木々が、まるで助けを求める亡霊のように、灰色の空に向かって枝を伸ばしている。かろうじてついている葉の色は、健康な緑ではなく、黄ばみ、端が茶色く枯れかかっていた。
(……マグネシウムか、鉄分の欠乏症。この土壌では、微量要素(ミネラル)も絶望的に不足している証拠ね)
聖女の【豊穣の祈り】。王都では、あれが絶対の力とされていた。だが、私(みのり)から言わせれば、それは化学肥料(ドーピング)の乱用だ。土壌という「母体」を徹底的に無視し、作物という「結果」だけを無理やり搾り取り続ければ、土は必ず死ぬ。
その、成れの果てが、このバルケン領の姿なのだ。
(……皮肉だわ。王都の豊かさは、この辺境の犠牲(・・)の上に成り立っていたというわけね)
ファティマとしての私を追放したあの場所は、地力を「前借り」し続け、そのツケをこの最果ての土地に押し付けていた。
歩き続けて、どれくらい経っただろうか。
太陽が、鉛色の雲の向こうで力なく傾き、世界が赤黒い影に沈み始めた頃、衛兵が「……見えました」と、疲労の滲む声で呟いた。
視線の先、丘の麓に、まるで地面から生えてきた毒キノコのように、くすんだ石造りの家々が数十軒、身を寄せ合うように集まっているのが見えた。
あれが、私の「領地」となる村。バルケン領の、麓の村。
しかし、村に近づくにつれ、私の胸を占めたのは安堵ではなく、息が詰まるような圧迫感だった。
村の入り口には、粗末な木の柵が立てられているが、その半分は折れ、魔獣避けというよりは「ここが我々の限界です」と示す墓標のように見えた。
家々の石壁は崩れかけ、屋根の木板はところどころ剥がれ落ち、冷たい風がそのまま吹き込んでいるだろうことが容易に想像できる。煙突から立ち上る煙も、数えるほどしかない。日が暮れかかっているというのに、この寒空の下、食事の支度すらままならない家がほとんどだということだ。
そして、何よりも異様なのは、その「静けさ」だった。
村特有の、子供のはしゃぐ声も、家畜の鳴きG Eも、鍛冶の音も聞こえない。聞こえるのは、あの乾いた風が、家の隙間を通り抜ける、ヒュウ、ヒュウという、まるで亡霊の嗚咽のような音だけ。
私たちが村に入ると、物陰から、まるで怯えた小動物のような視線がいくつか向けられた。痩せこけた子供が、私(ファティマ)の泥だらけだが明らかに場違いなドレスを一瞥し、すぐに母親らしき女の陰に隠れる。その母親もまた、土気色の顔で、瞳に何の光も宿さず、ただ私という「異物」を、感情のない目で見つめている。
彼らの顔は、誰も彼もが土気色だった。栄養失調で頬はこけ、その瞳には、光がない。ただ、生きているから息をしているだけ、といったような、深い諦観が刻み込まれていた。
彼らが着ているのは、麻布とも呼べないような、ボロボロの継ぎ接ぎだらけの「布」。
(……ひどい。これは、生活が苦しいとか、そういうレベルじゃない。これは……緩やかな、死だ)
農協職員として、過疎化に悩む山間の集落も見てきた。だが、ここまで「生」の活力が失われた場所は、見たことがない。
私の汚れたドレス姿と、武装した衛兵という組み合わせは、彼らにとって新たな「徴税官」か「厄災」の到来にしか見えなかったのだろう。
衛兵が、村の中心にある、かろうじて「集会所」とわかる程度の、少しだけ大きな家の扉を、剣の柄(つか)で乱暴に叩いた。
「開けろ! 王都からの使いだ! 村長はいるか!」
その高圧的な声が、死んだ村に虚しく響き渡る。
しばらくの沈黙の後、重い扉が、油の切れた蝶番(ちょうつがい)を軋ませる、まるで拷問のような音を立てて、ゆっくりと開いた。
49
あなたにおすすめの小説
銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~
雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。
左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。
この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。
しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。
彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。
その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。
遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。
様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
普段は地味子。でも本当は凄腕の聖女さん〜地味だから、という理由で聖女ギルドを追い出されてしまいました。私がいなくても大丈夫でしょうか?〜
神伊 咲児
ファンタジー
主人公、イルエマ・ジミィーナは16歳。
聖女ギルド【女神の光輝】に属している聖女だった。
イルエマは眼鏡をかけており、黒髪の冴えない見た目。
いわゆる地味子だ。
彼女の能力も地味だった。
使える魔法といえば、聖女なら誰でも使えるものばかり。回復と素材進化と解呪魔法の3つだけ。
唯一のユニークスキルは、ペンが無くても文字を書ける光魔字。
そんな能力も地味な彼女は、ギルド内では裏方作業の雑務をしていた。
ある日、ギルドマスターのキアーラより、地味だからという理由で解雇される。
しかし、彼女は目立たない実力者だった。
素材進化の魔法は独自で改良してパワーアップしており、通常の3倍の威力。
司祭でも見落とすような小さな呪いも見つけてしまう鋭い感覚。
難しい相談でも難なくこなす知識と教養。
全てにおいてハイクオリティ。最強の聖女だったのだ。
彼女は新しいギルドに参加して順風満帆。
彼女をクビにした聖女ギルドは落ちぶれていく。
地味な聖女が大活躍! 痛快ファンタジーストーリー。
全部で5万字。
カクヨムにも投稿しておりますが、アルファポリス用にタイトルも含めて改稿いたしました。
HOTランキング女性向け1位。
日間ファンタジーランキング1位。
日間完結ランキング1位。
応援してくれた、みなさんのおかげです。
ありがとうございます。とても嬉しいです!
悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました
葉月キツネ
ファンタジー
目が覚めると昔やり込んだ乙女ゲーム「白銀の騎士物語」の悪役令嬢フランソワになっていた!
本来ならメインヒロインの引き立て役になるはずの私…だけどせっかくこんな乙女ゲームのキャラになれたのなら思うがままにしないと勿体ないわ!
推しを含めたイケメン近衛騎士で私を囲ってもらって第二の人生楽しみます
ギルド受付嬢は今日も見送る~平凡な私がのんびりと暮らす街にやってきた、少し不思議な魔術師との日常~
弥生紗和
ファンタジー
【完結】私はギルド受付嬢のエルナ。魔物を倒す「討伐者」に依頼を紹介し、彼らを見送る毎日だ。最近ギルドにやってきたアレイスさんという魔術師は、綺麗な顔をした素敵な男性でとても優しい。平凡で代わり映えのしない毎日が、彼のおかげでとても楽しい。でもアレイスさんには何か秘密がありそうだ。
一方のアレイスは、真っすぐで優しいエルナに次第に重い感情を抱き始める――
恋愛はゆっくりと進展しつつ、アレイスの激重愛がチラチラと。大きな事件やバトルは起こりません。こんな街で暮らしたい、と思えるような素敵な街「ミルデン」の日常と、小さな事件を描きます。
大人女性向けの異世界スローライフをお楽しみください。
西洋風異世界ですが、実際のヨーロッパとは異なります。魔法が当たり前にある世界です。食べ物とかファッションとか、かなり自由に書いてます。あくまで「こんな世界があったらいいな」ということで、ご容赦ください。
※サブタイトルで「魔術師アレイス~」となっているエピソードは、アレイス側から見たお話となります。
この作品は小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
お言葉ですが今さらです
MIRICO
ファンタジー
アンリエットは祖父であるスファルツ国王に呼び出されると、いきなり用無しになったから出て行けと言われた。
次の王となるはずだった伯父が行方不明となり後継者がいなくなってしまったため、隣国に嫁いだ母親の反対を押し切りアンリエットに後継者となるべく多くを押し付けてきたのに、今更用無しだとは。
しかも、幼い頃に婚約者となったエダンとの婚約破棄も決まっていた。呆然としたアンリエットの後ろで、エダンが女性をエスコートしてやってきた。
アンリエットに継承権がなくなり用無しになれば、エダンに利などない。あれだけ早く結婚したいと言っていたのに、本物の王女が見つかれば、アンリエットとの婚約など簡単に解消してしまうのだ。
失意の中、アンリエットは一人両親のいる国に戻り、アンリエットは新しい生活を過ごすことになる。
そんな中、悪漢に襲われそうになったアンリエットを助ける男がいた。その男がこの国の王子だとは。その上、王子のもとで働くことになり。
お気に入り、ご感想等ありがとうございます。ネタバレ等ありますので、返信控えさせていただく場合があります。
内容が恋愛よりファンタジー多めになったので、ファンタジーに変更しました。
他社サイト様投稿済み。
海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる