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第3章:森の工房とスローライフの始まり
3-1:最初の朝と、泥まみれのワンピース
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ぱちぱち、と。
湿り気を帯びた薪が爆ぜる、弱々しい音。それは、昨夜の魔獣の咆哮とは比べ物にならない、文明の証としての静かな音だった。
ルシルは、その微かな音に誘われるように、ゆっくりと意識を取り戻した。
(私、眠っていたの?)
身を起こすと、全身の関節が軋むような痛みを訴えた。背中には、硬い木のベッドフレームと、昨夜の泥が乾いて固まったワンピースの感触が張り付いている。
小屋の中は、まだ薄暗い。竈にくべた『忌避の香草』のツンとしながらも清涼な香りが、不快なカビや湿気の匂いをかろうじて打ち消していた。
外は、白み始めていた。
屋根の崩れた隙間から、まるで細い剣のように、一本の白い光が土間の床に差し込んでいる。その光の筋の中を、微細な埃の粒子が無数に舞い上がっては消えていくのが見えた。
(追放、二日目の朝)
炎は、かろうじて熾火(おきび)として残っている。生命を繋いだ火種を絶やしてはならない。ルシルは慌てて、昨夜のうちに集めておいた乾いた小枝をくべる。再び頼りない炎が立ち上がるのを見て、全身に人心地がついた。
三日三晩の徹夜、追放の屈辱、そして初めての極度の寒さに震えた野宿。肉体的な疲労は限界を超えているはずだが、ルシルの頭は妙に冴え渡っていた。彼女の精神は、極限状態を乗り越えたことで、研ぎ澄まされていたのだ。
「グルル」
遠くで、魔獣の低い唸り声が聞こえた。昨夜の狂乱的な咆哮ではない。夜の狩りを終え、縄張りへと戻る、満腹で気だるげな音だ。
(香草の効果は、あったようね)
小屋の周囲に、魔獣が侵入した形跡はない。ひとまず、自らの知識が命を繋いだことに、深く安堵する。
ルシルは立ち上がり、重い木の扉を少しだけ開けた。
朝の森は、夜とはまるで違う顔をしていた。
濃密な魔力を含んだ朝靄が、木々の間をヴェールのように漂い、Sランク薬草が放つ微かな青白い光と混じり合って、幻想的な光景を生み出している。清流のせせらぎは、昨夜の恐怖の中よりも大きく、優しく聞こえた。
(まずは、水)
彼女は小屋を出て、清流へと向かう。
そして、水面に映った自分の姿を見て、息を呑んだ。
(ひどい有様)
髪は枝葉や泥で絡まり、顔は煤と涙の跡で汚れ、目の下の隈は、疲労を隠せないほど濃い。そして何より、着ているワンピース。
王宮の仕事着として選んだ、丈夫で、動きやすい服。それが、昨日の衛兵の乱暴な扱いで泥まみれ、夜露に濡れ、今や見る影もない、みすぼらしい雑巾のようだった。
貴族令嬢としての尊厳や、王太子の婚約者という立場は、とうの昔に砕け散っている。
(このままでは、駄目だ。これを着続けるわけにはいかない)
衛生的にも、そして何より精神的にも。この泥まみれのワンピースは、彼女の「追放」という屈辱的な現実を、肌に貼り付くように思い出させる。この泥を落とさなければ、新しい人生を始めることはできない。
ルシルは周囲を警戒し、魔獣の気配がないことを確認すると、意を決してワンピースを脱いだ。
肌を撫でる朝の空気は、刃物のように冷たい。露骨な寒さに、全身が粟立つ。
羞恥心よりも、生きるための合理性が、今のルシルを動かす原動力だった。
彼女は清流の冷たさに歯を食いしばりながら、泥まみれのワンピースを洗い始めた。ゴシゴシと布を擦る。汚れは簡単には落ちない。水が、手の感覚をすぐに奪っていく。
(王宮にいた頃は、侍女たちが全てやってくれていた)
洗濯はおろか、着替えさえも手伝わせていた。
(あの頃の私は、本当に無力だった)
そう、無力だった。自分の身の回りのこと一つ自分でできず、権力と立場という名の「檻」の中で、ただ最高の薬を精製するだけの道具だった。アデリーナの稚拙な策略にも、ジェラルドの盲目的な寵愛にも、ただ翻弄されるしかなかった。
冷たい水が、手の感覚を奪い、指先を真っ赤に染めていく。
だが、その物理的な痛みが、ルシルの思考をクリアにした。
(もう、誰も守ってくれない。このナイフと、ノートと、知識だけが、わたくしを守るすべて)
洗い終えたワンピースを固く絞り、日の当たる木の枝にかける。
下着姿のまま、急いで小屋に戻る。
幸い、昨夜焚いた火で、小屋の中は外よりいくらかマシだった。ルシルは、ベッドに打ち捨てられていた、かろうじて原形を留めている毛布(もちろんカビ臭く、埃っぽい)に身を包み、再び竈の前に座り込んだ。
(寒い。でも、これでいい)
服が乾くまでの辛抱だ。
それよりも、この小屋をなんとかしなければ。
朝の光でよく見ると、小屋の壁は、木の板と石造りの土台の間に、あちこち隙間が空いている。夜の寒風も、魔獣の視線も、これでは防ぎきれない。
(修復が必要ね)
薬草師の知識は、建築には役立たない。だが、素材の知識ならある。
(清流のそばには、良質な粘土があるはず。そして、森のツタ。しなやかで、岩肌に張り付く『石肌カズラ』は、乾燥させれば強力な接着剤代わりにもなる)
やることが、山積みだ。
ルシルは、毛布にくるまったまま、燃え盛る炎を見つめていた。その瞳には、昨日の絶望の色はもうない。
生きるために何をすべきか。その明確なビジョンだけが、燃えていた。
湿り気を帯びた薪が爆ぜる、弱々しい音。それは、昨夜の魔獣の咆哮とは比べ物にならない、文明の証としての静かな音だった。
ルシルは、その微かな音に誘われるように、ゆっくりと意識を取り戻した。
(私、眠っていたの?)
身を起こすと、全身の関節が軋むような痛みを訴えた。背中には、硬い木のベッドフレームと、昨夜の泥が乾いて固まったワンピースの感触が張り付いている。
小屋の中は、まだ薄暗い。竈にくべた『忌避の香草』のツンとしながらも清涼な香りが、不快なカビや湿気の匂いをかろうじて打ち消していた。
外は、白み始めていた。
屋根の崩れた隙間から、まるで細い剣のように、一本の白い光が土間の床に差し込んでいる。その光の筋の中を、微細な埃の粒子が無数に舞い上がっては消えていくのが見えた。
(追放、二日目の朝)
炎は、かろうじて熾火(おきび)として残っている。生命を繋いだ火種を絶やしてはならない。ルシルは慌てて、昨夜のうちに集めておいた乾いた小枝をくべる。再び頼りない炎が立ち上がるのを見て、全身に人心地がついた。
三日三晩の徹夜、追放の屈辱、そして初めての極度の寒さに震えた野宿。肉体的な疲労は限界を超えているはずだが、ルシルの頭は妙に冴え渡っていた。彼女の精神は、極限状態を乗り越えたことで、研ぎ澄まされていたのだ。
「グルル」
遠くで、魔獣の低い唸り声が聞こえた。昨夜の狂乱的な咆哮ではない。夜の狩りを終え、縄張りへと戻る、満腹で気だるげな音だ。
(香草の効果は、あったようね)
小屋の周囲に、魔獣が侵入した形跡はない。ひとまず、自らの知識が命を繋いだことに、深く安堵する。
ルシルは立ち上がり、重い木の扉を少しだけ開けた。
朝の森は、夜とはまるで違う顔をしていた。
濃密な魔力を含んだ朝靄が、木々の間をヴェールのように漂い、Sランク薬草が放つ微かな青白い光と混じり合って、幻想的な光景を生み出している。清流のせせらぎは、昨夜の恐怖の中よりも大きく、優しく聞こえた。
(まずは、水)
彼女は小屋を出て、清流へと向かう。
そして、水面に映った自分の姿を見て、息を呑んだ。
(ひどい有様)
髪は枝葉や泥で絡まり、顔は煤と涙の跡で汚れ、目の下の隈は、疲労を隠せないほど濃い。そして何より、着ているワンピース。
王宮の仕事着として選んだ、丈夫で、動きやすい服。それが、昨日の衛兵の乱暴な扱いで泥まみれ、夜露に濡れ、今や見る影もない、みすぼらしい雑巾のようだった。
貴族令嬢としての尊厳や、王太子の婚約者という立場は、とうの昔に砕け散っている。
(このままでは、駄目だ。これを着続けるわけにはいかない)
衛生的にも、そして何より精神的にも。この泥まみれのワンピースは、彼女の「追放」という屈辱的な現実を、肌に貼り付くように思い出させる。この泥を落とさなければ、新しい人生を始めることはできない。
ルシルは周囲を警戒し、魔獣の気配がないことを確認すると、意を決してワンピースを脱いだ。
肌を撫でる朝の空気は、刃物のように冷たい。露骨な寒さに、全身が粟立つ。
羞恥心よりも、生きるための合理性が、今のルシルを動かす原動力だった。
彼女は清流の冷たさに歯を食いしばりながら、泥まみれのワンピースを洗い始めた。ゴシゴシと布を擦る。汚れは簡単には落ちない。水が、手の感覚をすぐに奪っていく。
(王宮にいた頃は、侍女たちが全てやってくれていた)
洗濯はおろか、着替えさえも手伝わせていた。
(あの頃の私は、本当に無力だった)
そう、無力だった。自分の身の回りのこと一つ自分でできず、権力と立場という名の「檻」の中で、ただ最高の薬を精製するだけの道具だった。アデリーナの稚拙な策略にも、ジェラルドの盲目的な寵愛にも、ただ翻弄されるしかなかった。
冷たい水が、手の感覚を奪い、指先を真っ赤に染めていく。
だが、その物理的な痛みが、ルシルの思考をクリアにした。
(もう、誰も守ってくれない。このナイフと、ノートと、知識だけが、わたくしを守るすべて)
洗い終えたワンピースを固く絞り、日の当たる木の枝にかける。
下着姿のまま、急いで小屋に戻る。
幸い、昨夜焚いた火で、小屋の中は外よりいくらかマシだった。ルシルは、ベッドに打ち捨てられていた、かろうじて原形を留めている毛布(もちろんカビ臭く、埃っぽい)に身を包み、再び竈の前に座り込んだ。
(寒い。でも、これでいい)
服が乾くまでの辛抱だ。
それよりも、この小屋をなんとかしなければ。
朝の光でよく見ると、小屋の壁は、木の板と石造りの土台の間に、あちこち隙間が空いている。夜の寒風も、魔獣の視線も、これでは防ぎきれない。
(修復が必要ね)
薬草師の知識は、建築には役立たない。だが、素材の知識ならある。
(清流のそばには、良質な粘土があるはず。そして、森のツタ。しなやかで、岩肌に張り付く『石肌カズラ』は、乾燥させれば強力な接着剤代わりにもなる)
やることが、山積みだ。
ルシルは、毛布にくるまったまま、燃え盛る炎を見つめていた。その瞳には、昨日の絶望の色はもうない。
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