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第一章 後半
第94話:成長
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≪ふっふっふ。使徒様~見ました~? 私の活躍~?≫
そう言って楽しそうに周りを飛び回るセイル。
一瞬何が起こったのか理解が追いつかなかったが、あれだけしぶとかったビフロンスを一瞬で葬りさるとは……。
自称高位妖精のセイルだが、その実力は侮れないものがある。
使ったのは仮初の命を与えるとか言っていた魔法だろうか。
「あぁ。助かったよ。しかし、今までどこにいたんだ?」
≪えっと……邪神の気配のする魔王が出てきたので、思わず魔法で隠れちゃったのはセイルのお茶目な所なんだけど~。でも、ヴィーヴルちゃんたちも一緒に安全なところに隠してあげたんだよ? どう? すごい? 褒めてくれてもいいんですよ?≫
オレの中の妖精の幻想的なイメージが崩れて、お喋りのお調子者というイメージに再構築されていくのを感じながら、それでもヴィーヴルたちを上手く隠してくれたのは本当のようなのでしっかり褒めておく。というか礼を言っておく。
「ヴィーヴルたちを匿ってくれていたのか。助かった。感謝する」
感謝の言葉を伝えると「へへへ~」と照れ笑いを浮かべながら、ぎゅんぎゅんとスピードをあげて飛び回るセイル。
オレが無駄に超速で飛び回るセイルに呆気に取られていると……。
「「カタカタカタ!!」」
なぜか杏と柚がすごく不満を訴えてきた。
内心ジルはまだかと愚痴りつつも二人にも礼を言っておく。
「えっと……杏と柚も大活躍だったな。助かったよ。ありがとうな」
「「カタカタカタ♪ カタカタカタ♪」」
どうやらこの対応で正解だったようだ。
冷静になるとオレは自分が使役する竜牙兵に何しているんだろうと悩みそうになるが、思考を停止させ……じゃなくて思考を切り替えて、リリーとルルーの援護に向かうのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
アスタロトとナーガとの戦いの場に駆けつけると、なかなかに物騒な言葉が聞こえてきた。
「そろそろ逝くがいいのです……にゃ」
「さくっと逝くといいの……にゃ」
「「カタカタ……」」
え……リリーとルルーってこんなキャラだったっけ?
風格からして、なんかひとまわり成長してる感じが……。
「バカタロト! おい! 生きてるか!? このままでは不味いぞ!」
ナーガが叫んでいるが、アスタロトはもう全身切り刻まれて血だらけ。
それにナーガ自身も二つ名にもなっている両腕の蛇はほとんどが斬り落とされており、体こそ傷は少ないがもう満身創痍と言っていい状態だった。
「ごいづらの動きが……どらえられない……」
息も絶え絶えにこたえるアスタロトに追撃の刃が次々と刻まれていく。
「だから、もう逝くがいいのです……にゃ」
「さくっと逝くのです……さくっと……にゃ」
どうもオレ、杏、柚子が手を貸さなくても勝負がつきそうだ。
なんなら手を出すと怒られるまである……。
「「カタカタカタ……」」
杏と柚はなんか後方腕組してうんうん頷いている……。
ちなみにセイルは嬉しそうに飛び回っていたかと思うと突然慌てだしていなくなってしまった。
神出鬼没な妖精って言い回しもへんな感じだが、出たり消えたり忙しい奴だ。
「下手に今から勝負に割って入っても邪魔になりそうだし、残った雑魚でも片付けるか。それとも……」
オレはまだ残っている魔王が連れてきた魔物に目を向けた後、その奥でセツナと戦っている魔王の姿を確認する。
セツナが猛攻をかけて優勢を維持しているが、いまだに魔王に大きなダメージが与えられていないようですこし苦戦しているようだ。やはり魔王の強さは侮れないものがある。
「「カタカタカタカタカタ……」」
「ん? お前たちか。そうだな……。杏と柚子にはリリーとルルーのサポートに回ってもらうか。強くなったようだがやっぱり心配だからな。オレは残った雑魚を片付けながらセツナの援護に行く。あと……動きにくいから少し離れろ……」
「「カタカタ~カタカタカタ!?」」
「え~動きにくくないけど~!? じゃない! どう考えても動きにくいから! とりあえずふたりのサポート頼んだぞ!」
「「カ~タ、カ~タ、カ~タ」」
なにかすごい不満そうだが、仕方ないわね~って感じで歩いていく杏と柚子。
すごく強いし頼りになるのだが、あの性格だけは何とかならないのだろうか。
使役している竜牙兵に振り回されるオレっていったい……。
不本意だが、今度ジルに相談して何とかならないか頼んでみようか?
いや……へたに相談すると余計に拗れそうだからやめておこう……。
「って、こんなこと考えている場合じゃない。それより今は!」
オレは魔王とセツナの周りを囲んでいる残った魔物へと突っ込んでいった。
「雷鳴! 鹿威し! 閃光!!」
突いて、叩きつけて、突いて、薙ぎ払って……。
「鹿威し! 閃光! 閃光! 閃光! 閃光!!」
身体能力が向上した身体を使い、奥義を連発する。
決して憂さ晴らしでも、八つ当たりでもない。
ちょっとむしゃくしゃしていたのは否定しないが。
突いて突いて突きまくって、蹴散らし、殲滅していく。
魔王が現れた時に千匹ほど引き連れてきていたのだが、みるみるその数を減らしていく。
そして……それからほどなくして殲滅は完了した。
せっかく強くなったのにそれ以上に強い相手との連戦で苦戦ばかりだったが、ようやく自分の成長を実感することができた。
さぁ、次は魔王だ!
そう言って楽しそうに周りを飛び回るセイル。
一瞬何が起こったのか理解が追いつかなかったが、あれだけしぶとかったビフロンスを一瞬で葬りさるとは……。
自称高位妖精のセイルだが、その実力は侮れないものがある。
使ったのは仮初の命を与えるとか言っていた魔法だろうか。
「あぁ。助かったよ。しかし、今までどこにいたんだ?」
≪えっと……邪神の気配のする魔王が出てきたので、思わず魔法で隠れちゃったのはセイルのお茶目な所なんだけど~。でも、ヴィーヴルちゃんたちも一緒に安全なところに隠してあげたんだよ? どう? すごい? 褒めてくれてもいいんですよ?≫
オレの中の妖精の幻想的なイメージが崩れて、お喋りのお調子者というイメージに再構築されていくのを感じながら、それでもヴィーヴルたちを上手く隠してくれたのは本当のようなのでしっかり褒めておく。というか礼を言っておく。
「ヴィーヴルたちを匿ってくれていたのか。助かった。感謝する」
感謝の言葉を伝えると「へへへ~」と照れ笑いを浮かべながら、ぎゅんぎゅんとスピードをあげて飛び回るセイル。
オレが無駄に超速で飛び回るセイルに呆気に取られていると……。
「「カタカタカタ!!」」
なぜか杏と柚がすごく不満を訴えてきた。
内心ジルはまだかと愚痴りつつも二人にも礼を言っておく。
「えっと……杏と柚も大活躍だったな。助かったよ。ありがとうな」
「「カタカタカタ♪ カタカタカタ♪」」
どうやらこの対応で正解だったようだ。
冷静になるとオレは自分が使役する竜牙兵に何しているんだろうと悩みそうになるが、思考を停止させ……じゃなくて思考を切り替えて、リリーとルルーの援護に向かうのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇
アスタロトとナーガとの戦いの場に駆けつけると、なかなかに物騒な言葉が聞こえてきた。
「そろそろ逝くがいいのです……にゃ」
「さくっと逝くといいの……にゃ」
「「カタカタ……」」
え……リリーとルルーってこんなキャラだったっけ?
風格からして、なんかひとまわり成長してる感じが……。
「バカタロト! おい! 生きてるか!? このままでは不味いぞ!」
ナーガが叫んでいるが、アスタロトはもう全身切り刻まれて血だらけ。
それにナーガ自身も二つ名にもなっている両腕の蛇はほとんどが斬り落とされており、体こそ傷は少ないがもう満身創痍と言っていい状態だった。
「ごいづらの動きが……どらえられない……」
息も絶え絶えにこたえるアスタロトに追撃の刃が次々と刻まれていく。
「だから、もう逝くがいいのです……にゃ」
「さくっと逝くのです……さくっと……にゃ」
どうもオレ、杏、柚子が手を貸さなくても勝負がつきそうだ。
なんなら手を出すと怒られるまである……。
「「カタカタカタ……」」
杏と柚はなんか後方腕組してうんうん頷いている……。
ちなみにセイルは嬉しそうに飛び回っていたかと思うと突然慌てだしていなくなってしまった。
神出鬼没な妖精って言い回しもへんな感じだが、出たり消えたり忙しい奴だ。
「下手に今から勝負に割って入っても邪魔になりそうだし、残った雑魚でも片付けるか。それとも……」
オレはまだ残っている魔王が連れてきた魔物に目を向けた後、その奥でセツナと戦っている魔王の姿を確認する。
セツナが猛攻をかけて優勢を維持しているが、いまだに魔王に大きなダメージが与えられていないようですこし苦戦しているようだ。やはり魔王の強さは侮れないものがある。
「「カタカタカタカタカタ……」」
「ん? お前たちか。そうだな……。杏と柚子にはリリーとルルーのサポートに回ってもらうか。強くなったようだがやっぱり心配だからな。オレは残った雑魚を片付けながらセツナの援護に行く。あと……動きにくいから少し離れろ……」
「「カタカタ~カタカタカタ!?」」
「え~動きにくくないけど~!? じゃない! どう考えても動きにくいから! とりあえずふたりのサポート頼んだぞ!」
「「カ~タ、カ~タ、カ~タ」」
なにかすごい不満そうだが、仕方ないわね~って感じで歩いていく杏と柚子。
すごく強いし頼りになるのだが、あの性格だけは何とかならないのだろうか。
使役している竜牙兵に振り回されるオレっていったい……。
不本意だが、今度ジルに相談して何とかならないか頼んでみようか?
いや……へたに相談すると余計に拗れそうだからやめておこう……。
「って、こんなこと考えている場合じゃない。それより今は!」
オレは魔王とセツナの周りを囲んでいる残った魔物へと突っ込んでいった。
「雷鳴! 鹿威し! 閃光!!」
突いて、叩きつけて、突いて、薙ぎ払って……。
「鹿威し! 閃光! 閃光! 閃光! 閃光!!」
身体能力が向上した身体を使い、奥義を連発する。
決して憂さ晴らしでも、八つ当たりでもない。
ちょっとむしゃくしゃしていたのは否定しないが。
突いて突いて突きまくって、蹴散らし、殲滅していく。
魔王が現れた時に千匹ほど引き連れてきていたのだが、みるみるその数を減らしていく。
そして……それからほどなくして殲滅は完了した。
せっかく強くなったのにそれ以上に強い相手との連戦で苦戦ばかりだったが、ようやく自分の成長を実感することができた。
さぁ、次は魔王だ!
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