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後日譚・番外編
番外編(外交戦編②) 魔法王子ラセル、剣の国を揺らす(ラセル視点)
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俺は今、剣の国に仕える“外交顧問”という立場だ。
とはいえ、かつて魔法の国の王太子だった過去もあり、
隣国の王族や貴族たちからは、警戒されたり、妙に遠巻きにされたりする。
……だが、それでいい。
俺の任務はただ一つ――
この国の王(推し)と王配(推しの伴侶)を守ること。
今日の外交晩餐会にも、
鋭い視線と、露骨な探りの言葉が飛び交っていた。
「レオナルト王は、もともと本家筋ではないと聞きますが」
「王配殿下は、“出自不明”とも……異世界から来たという噂もありますね?」
その場で、俺は微笑んだ。
「ええ、その通りです。レオナルト様は血筋よりも、国への献身が評価されて民からの信頼を勝ち取られました。そして王配殿下は、“心”で王を救われた方です。……どちらも、誇るべき功績です」
「……これは失礼」
相手は小さく肩をすくめたが、すでに心のバランスは崩れている。
俺は続ける。
「ご心配なら、剣の国との同盟も、見直していただいても構いません。
ただし――貴国に優先して供給している魔導鉱石と薬草の取引も、凍結になりますが」
場が凍りついた。
「……さすが、魔法の国の元王太子」
「いえ。今は“推しの国”の、ただの参謀です」
レオナルト様とシリル様の政に口出すつもりはない。
だが、その妨げになる者には――笑顔で“交渉”する。
任務の帰り、俺はシリルに肩を叩かれた。
「ラセル、また外交黙らせたの?」
「ちゃんと笑顔で交渉したよ」
「逆に怖いんだけど……」
レオナルトがため息をついた。
「お前が動くと、誰よりも国が安定する。……が、胃に悪い」
「それは光栄だね、閣下」
【数日後】
隣国から使節が再来。
「剣の国との協定、改めて強化を……!」
「もちろん。“推し国”は、守られるに値するからね」
王でも、魔導士でも、軍人でもない。
一人のファンとして、俺はこの国を推す。
とはいえ、かつて魔法の国の王太子だった過去もあり、
隣国の王族や貴族たちからは、警戒されたり、妙に遠巻きにされたりする。
……だが、それでいい。
俺の任務はただ一つ――
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今日の外交晩餐会にも、
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「ええ、その通りです。レオナルト様は血筋よりも、国への献身が評価されて民からの信頼を勝ち取られました。そして王配殿下は、“心”で王を救われた方です。……どちらも、誇るべき功績です」
「……これは失礼」
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「ご心配なら、剣の国との同盟も、見直していただいても構いません。
ただし――貴国に優先して供給している魔導鉱石と薬草の取引も、凍結になりますが」
場が凍りついた。
「……さすが、魔法の国の元王太子」
「いえ。今は“推しの国”の、ただの参謀です」
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だが、その妨げになる者には――笑顔で“交渉”する。
任務の帰り、俺はシリルに肩を叩かれた。
「ラセル、また外交黙らせたの?」
「ちゃんと笑顔で交渉したよ」
「逆に怖いんだけど……」
レオナルトがため息をついた。
「お前が動くと、誰よりも国が安定する。……が、胃に悪い」
「それは光栄だね、閣下」
【数日後】
隣国から使節が再来。
「剣の国との協定、改めて強化を……!」
「もちろん。“推し国”は、守られるに値するからね」
王でも、魔導士でも、軍人でもない。
一人のファンとして、俺はこの国を推す。
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