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第七章 秘伝と任されたもの
452 バズったらしい
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各クラスでは、店を閉めて、売上げの報告をはじめていた。
「すげえじゃんっ。優勝まではなくても、トップファイブには入るんじゃね?」
「うん……兄さんや優希ちゃんの着てた服に似たのを制服にしてたのが良かったのかな……」
統二は、数人の給仕係が、高耶や優希と同じような服を着ることを喜んでいるのを目にしていた。このクラスの者達にとっては、最早、高耶と優希はアイドルなのだ。
今日の客達も昨日のファッションショーを見た人たちなのか、興奮した様子でそんな給仕係を見つめていた。だから、それが売上に貢献したと統二は思っていたのだ。
「ばかっ! それだけじゃねえよ! ハクのアニキからもらったパンケーキのレシピが神ってたからだろ!」
「そうよ!! あのパンケーキのお陰よ!!」
「家でも作ってみたけど、本当に最高だったわ!」
「そう……」
「統二……お前、家で食ってるからそれが普通だと思ってんだろ……ちげえからな?」
「わ、わかった……」
統二と二葉のクラスは、パンケーキカフェとなっており、いくつかのレシピを持ち寄って、どれが良いかと検討した。それにより、ダントツで統二と二葉が提供した珀豪自慢のふわふわパンケーキが採用されたのだ。それもクマ型。
「ほら! 秘伝は全然興味ないと思うけど! 昨日からSNSで大バズりよ! ほら!」
「え、ヤバ……怖っ……」
スマホに映る数々のクマさんパンケーキ。高校生が文化祭で作ったにしては、飾り付けも分厚さも、焼き加減も絶妙だった。
「ってことで、このパンケーキを教えてくれた師匠を紹介しなさい!」
「え……ん? 待って、師匠?」
「そうよ! 師匠よ!」
「私たちに紹介しなさい!!」
「どんな方なの!? 何が好き!? ご挨拶に行かなくてはならないじゃない!」
「い、いや……珀豪さんは……」
「ハクゴウさん? それが師匠のお名前!? やだ、男らしい感じっ、料理男子なの!? それも、あんたがさん付けってことは年上ね!?」
「え、え~っと……っ」
統二はいつの間にか、調理担当達に囲まれていた。グイグイ来るのは女子だが、その後ろには強固な囲いとして調理を担当していた男子達が真剣な目で見つめて来る。
そこを助けたのが二葉だ。
「はいはい、コレだ。ハク兄はこの高耶兄さんの後ろに居る白髪の……」
「きゃぁぁぁっ! 銀髪!」
「銀髪のロックな人っ! こ、これがっ」
「師匠ぉぉぉぉっ!」
「この人がパンケーキをっ……ヤバい……推せる……っ」
「課金先はどこ!? バイト代全部ぶち込むわ! この料理男子に愛の募金をっ!!」
「待って! この一歩後ろで護る的なっ……このお兄さんとの位置っ。やばい。さいこう……っ」
「ああっ。鼻血っ。ティッシュ持ってきて! キッチンペーパーで良いわ!」
「「……」」
もっとやばくなった。写真を見る目つきもヤバいが、思考がおかしい。
「な、なあ……なんか変な術とか、この写真にかかってる?」
「……普通に兄さんと珀豪さんに悩殺されているんだと思う……」
「も、もういいかな……スマホ取られそう……」
「印籠って、近づくのも畏れ多い感じだけど、スマホじゃ役不足なんだね」
「おいっ、なんで離れて行くんだよ! 助けろっ」
「だって、みんなの鼻息すごいよ……一気に教室の温度上がってるし……窓開けるね」
「そう言って離れて行くのわざとだろう! おいっ! 裏切り者っ!!」
「もう少ししたら体育館に行かないとね~。あ、涼しい」
もわっとした空気も、窓を開ければ吹き飛んでいく。とはいえ、まだまだ興奮中のクラスメイト達だ。近付くのはやめようと、統二は二葉を生贄に見守ることにした。
「この後、兄さん大丈夫かな……」
そんな心配をしながら、体育館に集まる時間になった。勝手に写真は送れないからと、写真を欲しがるクラスメイト達を蹴散らし、二葉はげっそりとしていた。
「やべえ……マジであいつら遠慮なくなってきたよな……」
「あ、確かに。そんな仲良くもなく、仲悪くもなくっていう、ある意味正しいクラスメイトってだけの関係だったのに、距離感おかしくなったよね」
「一年の時はそんな感じなかったんだが……」
「うん。ファッションショーの方も、あくまでも服飾担当の人たちだけのって感じだったしね」
「そういやそうだな……」
今回はクラス一丸となって、サポートしていた気がするのだ。自分たちは関係ないとクラスと出し物にだけ目を向けていたのが一年の時。それを思い出すと、やはり今回は気持ちも向き合い方も違ったなと感じる。
「良いことではあるんだろうけどね」
「まあな」
そう結論付けて、売上発表を待つ。先ずは、昨日のファッションショーの人気投票の結果だ。
『ファッションショー! 人気投票! 第一位は! 2-3! 親子コーデです!!』
「「「「「やっぱり!!」」」」」
優希と高耶が人気ナンバーワンだった。反応からしても、間違いのない優勝だ。
そして、売上集計結果の結果。
統二達の2-3は第二位だった。
興奮した様子の生徒達。そんな中、最後のライブが始まった。軽音部や、吹奏楽部の何人かによるジャス演奏、歌声自慢の個人でバンドを組んでいる者達など、全部で8組の発表があり、大いに盛り上がった。
そして、最後だ。
『最後に、生徒会からの特別出演の公演です。よろしくお願いします!』
どんな大物歌手がと、少し期待する生徒達。さすがにテレビでバンバン出ているような歌手は出ないと思っているが、それでも期待してしまう。
けれど、出てきたのは、冴えない三人のバンドだった。しかし、流れた曲は、誰もが知っているもの。
「……あいつ……歌上手くね?」
「やだ……あの根暗な奴がリツトくんの歌を……っ、何気に似てるのがちょっと嫌……」
微妙な空気が体育館を包む。因みに、ピアノは幕を張られており、誰が弾いているのか見えていない。
そして、その時が来た。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「すげえじゃんっ。優勝まではなくても、トップファイブには入るんじゃね?」
「うん……兄さんや優希ちゃんの着てた服に似たのを制服にしてたのが良かったのかな……」
統二は、数人の給仕係が、高耶や優希と同じような服を着ることを喜んでいるのを目にしていた。このクラスの者達にとっては、最早、高耶と優希はアイドルなのだ。
今日の客達も昨日のファッションショーを見た人たちなのか、興奮した様子でそんな給仕係を見つめていた。だから、それが売上に貢献したと統二は思っていたのだ。
「ばかっ! それだけじゃねえよ! ハクのアニキからもらったパンケーキのレシピが神ってたからだろ!」
「そうよ!! あのパンケーキのお陰よ!!」
「家でも作ってみたけど、本当に最高だったわ!」
「そう……」
「統二……お前、家で食ってるからそれが普通だと思ってんだろ……ちげえからな?」
「わ、わかった……」
統二と二葉のクラスは、パンケーキカフェとなっており、いくつかのレシピを持ち寄って、どれが良いかと検討した。それにより、ダントツで統二と二葉が提供した珀豪自慢のふわふわパンケーキが採用されたのだ。それもクマ型。
「ほら! 秘伝は全然興味ないと思うけど! 昨日からSNSで大バズりよ! ほら!」
「え、ヤバ……怖っ……」
スマホに映る数々のクマさんパンケーキ。高校生が文化祭で作ったにしては、飾り付けも分厚さも、焼き加減も絶妙だった。
「ってことで、このパンケーキを教えてくれた師匠を紹介しなさい!」
「え……ん? 待って、師匠?」
「そうよ! 師匠よ!」
「私たちに紹介しなさい!!」
「どんな方なの!? 何が好き!? ご挨拶に行かなくてはならないじゃない!」
「い、いや……珀豪さんは……」
「ハクゴウさん? それが師匠のお名前!? やだ、男らしい感じっ、料理男子なの!? それも、あんたがさん付けってことは年上ね!?」
「え、え~っと……っ」
統二はいつの間にか、調理担当達に囲まれていた。グイグイ来るのは女子だが、その後ろには強固な囲いとして調理を担当していた男子達が真剣な目で見つめて来る。
そこを助けたのが二葉だ。
「はいはい、コレだ。ハク兄はこの高耶兄さんの後ろに居る白髪の……」
「きゃぁぁぁっ! 銀髪!」
「銀髪のロックな人っ! こ、これがっ」
「師匠ぉぉぉぉっ!」
「この人がパンケーキをっ……ヤバい……推せる……っ」
「課金先はどこ!? バイト代全部ぶち込むわ! この料理男子に愛の募金をっ!!」
「待って! この一歩後ろで護る的なっ……このお兄さんとの位置っ。やばい。さいこう……っ」
「ああっ。鼻血っ。ティッシュ持ってきて! キッチンペーパーで良いわ!」
「「……」」
もっとやばくなった。写真を見る目つきもヤバいが、思考がおかしい。
「な、なあ……なんか変な術とか、この写真にかかってる?」
「……普通に兄さんと珀豪さんに悩殺されているんだと思う……」
「も、もういいかな……スマホ取られそう……」
「印籠って、近づくのも畏れ多い感じだけど、スマホじゃ役不足なんだね」
「おいっ、なんで離れて行くんだよ! 助けろっ」
「だって、みんなの鼻息すごいよ……一気に教室の温度上がってるし……窓開けるね」
「そう言って離れて行くのわざとだろう! おいっ! 裏切り者っ!!」
「もう少ししたら体育館に行かないとね~。あ、涼しい」
もわっとした空気も、窓を開ければ吹き飛んでいく。とはいえ、まだまだ興奮中のクラスメイト達だ。近付くのはやめようと、統二は二葉を生贄に見守ることにした。
「この後、兄さん大丈夫かな……」
そんな心配をしながら、体育館に集まる時間になった。勝手に写真は送れないからと、写真を欲しがるクラスメイト達を蹴散らし、二葉はげっそりとしていた。
「やべえ……マジであいつら遠慮なくなってきたよな……」
「あ、確かに。そんな仲良くもなく、仲悪くもなくっていう、ある意味正しいクラスメイトってだけの関係だったのに、距離感おかしくなったよね」
「一年の時はそんな感じなかったんだが……」
「うん。ファッションショーの方も、あくまでも服飾担当の人たちだけのって感じだったしね」
「そういやそうだな……」
今回はクラス一丸となって、サポートしていた気がするのだ。自分たちは関係ないとクラスと出し物にだけ目を向けていたのが一年の時。それを思い出すと、やはり今回は気持ちも向き合い方も違ったなと感じる。
「良いことではあるんだろうけどね」
「まあな」
そう結論付けて、売上発表を待つ。先ずは、昨日のファッションショーの人気投票の結果だ。
『ファッションショー! 人気投票! 第一位は! 2-3! 親子コーデです!!』
「「「「「やっぱり!!」」」」」
優希と高耶が人気ナンバーワンだった。反応からしても、間違いのない優勝だ。
そして、売上集計結果の結果。
統二達の2-3は第二位だった。
興奮した様子の生徒達。そんな中、最後のライブが始まった。軽音部や、吹奏楽部の何人かによるジャス演奏、歌声自慢の個人でバンドを組んでいる者達など、全部で8組の発表があり、大いに盛り上がった。
そして、最後だ。
『最後に、生徒会からの特別出演の公演です。よろしくお願いします!』
どんな大物歌手がと、少し期待する生徒達。さすがにテレビでバンバン出ているような歌手は出ないと思っているが、それでも期待してしまう。
けれど、出てきたのは、冴えない三人のバンドだった。しかし、流れた曲は、誰もが知っているもの。
「……あいつ……歌上手くね?」
「やだ……あの根暗な奴がリツトくんの歌を……っ、何気に似てるのがちょっと嫌……」
微妙な空気が体育館を包む。因みに、ピアノは幕を張られており、誰が弾いているのか見えていない。
そして、その時が来た。
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