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第五章 秘伝と天使と悪魔
209 専門性は大切です
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高耶はまず悪魔達の位置や数を確認する必要があると考えた。
「【常盤】」
《はっ、警戒と探索に入ります》
「頼む」
呼び出す時に情報を送ったため、常盤は説明されずとも状況を理解した。そして、すぐに光る小鳥の姿になって上空へ消えた。
次に同じように情報を送りながら、呼び出したのは黒艶だ。
「【黒艶】伝達を頼む」
《各まとめ役だけで良いな。承知した》
艶やかな笑みを浮かべながら姿を現した黒艶は、頷き了承すると黒い影となって、木陰に溶けて消えた。
目を丸くしていた蒼翔に、高耶は優先順位の確認する。
「急いでお狐様を解放しましょう。場の確保をしないといけません」
「うん……そうだね……」
余計なことは言うまいと、蒼翔は賢く口を閉じる。そこに口を挟むのは俊哉だ。かなり落ち着きを取り戻していた。
「こいつらどうすんの?」
勇一達を顎で示した。
「怨霊の処理はどのみち必要だ」
蒼翔に目を向けると、頷かれた。
「そうだね。けど……今のを知って、態度に出ないかは不安だねえ」
「っ……」
勇一達はかなり怯えていた。神と会い見えたことによる緊張感と、悪魔という脅威を知った動揺で、顔色が悪い。この様子のまま、森を歩かせるのは、悪魔達に色々と悟らせることになるだろう。
「ただでさえ、人を動揺させることが得意ですから、下手な態度を取れば、接触してくるでしょう。怯える人など、彼らには面白い娯楽品でしかないですから」
「それ、大丈夫なの……?」
普通に危険じゃないかと蒼翔も顔色を変えていく。悪魔関係は祓魔師へというのが常識だ。専門性は大事である。だからこそ、蒼翔も悪魔の対処法など詳しく知らない。
しかし、高耶は例外だ。秘伝家は元々、あらゆる武を修めようとする過程で、能力を使うようになった。そのため、専門性よりも広く多種を修めたのだ。
だからこそ、この場で悪魔について詳しいのは高耶だけだった。
「上位のものが出て来ている気配はないので、頭のおかしいのしかいないと思います」
「大丈夫じゃないねっ」
一気に不安になった蒼翔。高耶に言わせると、上位はまだ話ができるのだ。だが、下位のものは欲望に忠実なものが多い。
「霊力が高い者は壊れ難いから好まれるそうですよ」
「怖いよっ。なんでそんな冷静なのっ」
「あ、すみません……普通は怖いものですよね……」
「……高耶君は違うの?」
壊れ難いから好きと言われて怖がらないはずがない。それは、壊すこと前提の話なのだから。
しかし、高耶にとって悪魔は怖いものではなかった。というか、お互い様な関係だ。
「人に使えない技とか、浄化の訓練相手にうってつけなんですよ」
「……」
「……」
「……」
これには、蒼翔だけでなく身内である統二と勇一も絶句していた。
高耶としては、実態もある悪魔は技をかけるのにも問題ないし、浄化の威力を確認するためにも役に立つ。あちらもおもちゃ扱いで来るのだから、サンドバッグにしても文句はないだろうという考えだ。
「なので、さっさと安全を確保して、乱取り稽古に入りたいです」
「……今……高耶くんが秘伝の人だって納得した……」
「兄さんも脳筋っぽい所あるんだ……」
「……これが当主……」
統二は新しい高耶の一面に驚き、勇一は尊敬の念を抱いた。脳筋は脳筋となら分かり合える。結果オーライである。
「さあ、急ぎましょう」
当然というか、これを理解している黒艶は、霊穴を閉じる儀式については少し予定より遅らせるようにと提案し、事情を説明していた。
代表の一人である蓮次郎へはこう告げている。
《狐の方を終えたら、主がそちらの掃除に入る。そう警戒せずとも良い。主にとっては、ただの遊び相手よ。そなたらは、中のものの対策だけを考えるのだな》
「はあ……分かった。どのみち、お任せするしかないしね」
蓮次郎も専門外だと言って、高耶に丸投げしたのだった。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「【常盤】」
《はっ、警戒と探索に入ります》
「頼む」
呼び出す時に情報を送ったため、常盤は説明されずとも状況を理解した。そして、すぐに光る小鳥の姿になって上空へ消えた。
次に同じように情報を送りながら、呼び出したのは黒艶だ。
「【黒艶】伝達を頼む」
《各まとめ役だけで良いな。承知した》
艶やかな笑みを浮かべながら姿を現した黒艶は、頷き了承すると黒い影となって、木陰に溶けて消えた。
目を丸くしていた蒼翔に、高耶は優先順位の確認する。
「急いでお狐様を解放しましょう。場の確保をしないといけません」
「うん……そうだね……」
余計なことは言うまいと、蒼翔は賢く口を閉じる。そこに口を挟むのは俊哉だ。かなり落ち着きを取り戻していた。
「こいつらどうすんの?」
勇一達を顎で示した。
「怨霊の処理はどのみち必要だ」
蒼翔に目を向けると、頷かれた。
「そうだね。けど……今のを知って、態度に出ないかは不安だねえ」
「っ……」
勇一達はかなり怯えていた。神と会い見えたことによる緊張感と、悪魔という脅威を知った動揺で、顔色が悪い。この様子のまま、森を歩かせるのは、悪魔達に色々と悟らせることになるだろう。
「ただでさえ、人を動揺させることが得意ですから、下手な態度を取れば、接触してくるでしょう。怯える人など、彼らには面白い娯楽品でしかないですから」
「それ、大丈夫なの……?」
普通に危険じゃないかと蒼翔も顔色を変えていく。悪魔関係は祓魔師へというのが常識だ。専門性は大事である。だからこそ、蒼翔も悪魔の対処法など詳しく知らない。
しかし、高耶は例外だ。秘伝家は元々、あらゆる武を修めようとする過程で、能力を使うようになった。そのため、専門性よりも広く多種を修めたのだ。
だからこそ、この場で悪魔について詳しいのは高耶だけだった。
「上位のものが出て来ている気配はないので、頭のおかしいのしかいないと思います」
「大丈夫じゃないねっ」
一気に不安になった蒼翔。高耶に言わせると、上位はまだ話ができるのだ。だが、下位のものは欲望に忠実なものが多い。
「霊力が高い者は壊れ難いから好まれるそうですよ」
「怖いよっ。なんでそんな冷静なのっ」
「あ、すみません……普通は怖いものですよね……」
「……高耶君は違うの?」
壊れ難いから好きと言われて怖がらないはずがない。それは、壊すこと前提の話なのだから。
しかし、高耶にとって悪魔は怖いものではなかった。というか、お互い様な関係だ。
「人に使えない技とか、浄化の訓練相手にうってつけなんですよ」
「……」
「……」
「……」
これには、蒼翔だけでなく身内である統二と勇一も絶句していた。
高耶としては、実態もある悪魔は技をかけるのにも問題ないし、浄化の威力を確認するためにも役に立つ。あちらもおもちゃ扱いで来るのだから、サンドバッグにしても文句はないだろうという考えだ。
「なので、さっさと安全を確保して、乱取り稽古に入りたいです」
「……今……高耶くんが秘伝の人だって納得した……」
「兄さんも脳筋っぽい所あるんだ……」
「……これが当主……」
統二は新しい高耶の一面に驚き、勇一は尊敬の念を抱いた。脳筋は脳筋となら分かり合える。結果オーライである。
「さあ、急ぎましょう」
当然というか、これを理解している黒艶は、霊穴を閉じる儀式については少し予定より遅らせるようにと提案し、事情を説明していた。
代表の一人である蓮次郎へはこう告げている。
《狐の方を終えたら、主がそちらの掃除に入る。そう警戒せずとも良い。主にとっては、ただの遊び相手よ。そなたらは、中のものの対策だけを考えるのだな》
「はあ……分かった。どのみち、お任せするしかないしね」
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