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19th ステージ
208 見極めなあかんよな?
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ブラムレース王は、リンディエールに普通に手紙を見せた。
「……国の重要な手紙をそのまま渡すなや……まあ、ええわ」
国王に送られた手紙を、軽々しく子どもに見せるとはどう言うつもりだと問おうとしてブラムレースを見たが、きっと何も考えていないなと問い詰めるのをやめておいた。
「……ふん。要約すると、どうやって大厄災を乗り越えたのかを聞きたい。こちらもかなり被害が出たが、聖皇国のしたことをどう思うかと……」
「責任を取らせたいのか?」
「ヒーちゃんの事もあるしなあ。聖皇国には思うところがあるんやろな……」
聖皇国は、かつて異世界から呼び出した勇者を隷属させ、ヒストリアを封印させた。その上に大厄災の原因が彼らだとリンディエールが悠を連れ出すのに暴いてしまった。
『ロクなことはねえなっ』と言いたくなるのは分かる。
「ん~、とりあえず他の国にも親書が来てるか確認しよか。港に近い国は至急や」
「そうだなっ。宰相!」
「すぐに! リン」
「……宰相はん。早よしてや」
「もちろんです!」
クイントがやっと駆け出した。これに地道にブラムレース王がショックを受けていた。
「え? なに? 俺の命令じゃダメなのか?」
「アレはもう病気やと思うとええで?」
「……そうする」
気持ちは持ち直せたようだ。
「もし他国にもとなると……どうなんだ?」
「どうもせえへんけど、それならいっぺんにどうですか? って言ったらええかなと」
「……ああっ! 世界会議か!」
「まだ繋げたままやしな。それに、竜人を王とはいえ相手にするんは、心細ないか? 変な無礼があってもあかんし」
「……確かに……提案しよう! 昼に着くならば……まだ間に合うな!」
「せやな」
「至急だ! 急ぐぞ!」
そう言って、ブラムレース王は部屋を飛び出して行った。取り残されたリンディエールは、いつもよりも顔色の悪いグランへと声をかけた。
「グランはん。会いたくないんやろ? ヒーちゃんの屋敷……は良くなさそうやし、不剛に行くか?」
「っ、しかし……」
グランギリアは、あの国から逃げてきたようなもの。彼は王族だった。今回来る竜人の王も無関係な者ではないだろう。
「グランはんが、困ることになるんが、ウチは一番嫌やで? もし、その竜人がグランはんに手え出すんなら……どうするか分からんで?」
「っ……リン様……」
「せやから、大人しゅう隠れとってや?」
グランギリアが住んでいたプリエラの故郷の迷宮。そこにあった屋敷は、今や大きな図書館になっている。
ヒストリアに会いたいらしいので、ヒストリアの屋敷は訪れる可能性がある。だから、迷宮の深層にならそう容易く入れないだろう。転移も、見える範囲か、行った事のある場所しか行けないものだ。少しは安心だろう。
「……わかりました。大人しく……しばらく蔵書整理をさせていただきます」
「頼むわ」
「はい。では、失礼いたします」
「うん」
グランギリアは転移していった。消える前の顔色はいつも通りに戻っていたし、表情も悪くなかった。
コトリとプリエラがリンディエールにお茶を出して静かに側に控えた。
「プリエラ……見極めなあかんよな?」
「はい」
リンディエールはニヤリと笑っていた。プリエラから苛立っているようなものも感じている。
「分かっとったん?」
「もちろんです。我が師匠をあのような……愚かな事を口にする王ならば……」
「消すかもなあ」
いくら竜人とはいえ、今のリンディエールはヒストリアのレベルにも迫っている。プリエラなどもかなりレベルが上がった。竜人にも負ける気はしない。
「ヒーちゃんへの対応も注目せんとあかんな」
「はい」
「よお見せてもらおか……」
よくよく見定めさせてもらうつもりだ。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「……国の重要な手紙をそのまま渡すなや……まあ、ええわ」
国王に送られた手紙を、軽々しく子どもに見せるとはどう言うつもりだと問おうとしてブラムレースを見たが、きっと何も考えていないなと問い詰めるのをやめておいた。
「……ふん。要約すると、どうやって大厄災を乗り越えたのかを聞きたい。こちらもかなり被害が出たが、聖皇国のしたことをどう思うかと……」
「責任を取らせたいのか?」
「ヒーちゃんの事もあるしなあ。聖皇国には思うところがあるんやろな……」
聖皇国は、かつて異世界から呼び出した勇者を隷属させ、ヒストリアを封印させた。その上に大厄災の原因が彼らだとリンディエールが悠を連れ出すのに暴いてしまった。
『ロクなことはねえなっ』と言いたくなるのは分かる。
「ん~、とりあえず他の国にも親書が来てるか確認しよか。港に近い国は至急や」
「そうだなっ。宰相!」
「すぐに! リン」
「……宰相はん。早よしてや」
「もちろんです!」
クイントがやっと駆け出した。これに地道にブラムレース王がショックを受けていた。
「え? なに? 俺の命令じゃダメなのか?」
「アレはもう病気やと思うとええで?」
「……そうする」
気持ちは持ち直せたようだ。
「もし他国にもとなると……どうなんだ?」
「どうもせえへんけど、それならいっぺんにどうですか? って言ったらええかなと」
「……ああっ! 世界会議か!」
「まだ繋げたままやしな。それに、竜人を王とはいえ相手にするんは、心細ないか? 変な無礼があってもあかんし」
「……確かに……提案しよう! 昼に着くならば……まだ間に合うな!」
「せやな」
「至急だ! 急ぐぞ!」
そう言って、ブラムレース王は部屋を飛び出して行った。取り残されたリンディエールは、いつもよりも顔色の悪いグランへと声をかけた。
「グランはん。会いたくないんやろ? ヒーちゃんの屋敷……は良くなさそうやし、不剛に行くか?」
「っ、しかし……」
グランギリアは、あの国から逃げてきたようなもの。彼は王族だった。今回来る竜人の王も無関係な者ではないだろう。
「グランはんが、困ることになるんが、ウチは一番嫌やで? もし、その竜人がグランはんに手え出すんなら……どうするか分からんで?」
「っ……リン様……」
「せやから、大人しゅう隠れとってや?」
グランギリアが住んでいたプリエラの故郷の迷宮。そこにあった屋敷は、今や大きな図書館になっている。
ヒストリアに会いたいらしいので、ヒストリアの屋敷は訪れる可能性がある。だから、迷宮の深層にならそう容易く入れないだろう。転移も、見える範囲か、行った事のある場所しか行けないものだ。少しは安心だろう。
「……わかりました。大人しく……しばらく蔵書整理をさせていただきます」
「頼むわ」
「はい。では、失礼いたします」
「うん」
グランギリアは転移していった。消える前の顔色はいつも通りに戻っていたし、表情も悪くなかった。
コトリとプリエラがリンディエールにお茶を出して静かに側に控えた。
「プリエラ……見極めなあかんよな?」
「はい」
リンディエールはニヤリと笑っていた。プリエラから苛立っているようなものも感じている。
「分かっとったん?」
「もちろんです。我が師匠をあのような……愚かな事を口にする王ならば……」
「消すかもなあ」
いくら竜人とはいえ、今のリンディエールはヒストリアのレベルにも迫っている。プリエラなどもかなりレベルが上がった。竜人にも負ける気はしない。
「ヒーちゃんへの対応も注目せんとあかんな」
「はい」
「よお見せてもらおか……」
よくよく見定めさせてもらうつもりだ。
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