目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt

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第2章 開拓篇

第90話 村人 船隊整備と魔族

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「これがリバティ級輸送船か。さすがにドレッドノート級に比べると見劣りするな」

俺たちは今、ボオイングエアバス工場の新造船専用ドックに来ている。今回作っているのは、輸送船なのだが、ある程度は武装をしている。それは、就役航路に問題があるからだ。カルロス領と村人村との間にある広大な魔物生息地域を超えるためである。中には空飛ぶ魔物もいるようなので、念のために武装もしているのだ。実は、いまだにカルロス領との陸路は開通の目途が立っていない。まずは、村人村の西側にある山脈を超えるのにかなりの苦労をようする。というか、未だに、あの山を越えたものはいないのであった。だから、あえて、ドレッドノートで山越えを果たしていることから、空路の整備を急いだのであった。因みにこのリバティ級は6隻の建造を予定している。現在、完成しているのは1番船”カルロス”だった。これを明日、竣工式を行うのである。カルロス側にも空港は既にできていて、昨日、ドレッドノートで久しぶりに帰郷をしてきたのだった。
ドレッドノートを見たカルロス伯爵はたいそう驚いていたが、いたって冷静だった。それは、未開の地を魔族との会談で分割した領地だけで、カルロス伯領の10倍くらいはある。さらに、その西の地域にある斉の領土は20倍くらいあり、本国よりも30倍以上の領地を手に入れていることになっていることと、飛行戦艦の存在がわかるとサントス王国内のパワーバランスだけでなく、西国諸国のパワーバランスが崩れ、戦乱の世になる可能性もあるとかで、見なかったことにしてくれるという。
そして、空の旅を終えて村人村へ到着、これから前夜祭をし、明日は、命名引渡就航式を行うことになっている。
こうして、始まった、式典、まずは命名式、カルロス伯爵が

「本船を、カルロスと命名する」

その瞬間、布で隠されていた船名が見えるようになり、数発の花火もバンバンと打ちあがっていた。そして、クライマックスのしこう切断、これはゴーンの娘、アリサがしこう切断用の斧で、しこうを切断し、それとともにシャンパンがパリンと割れ、大量の風船が沸きあがる中、船は空中へ浮いたのだった。こうして、無事式典も終りカルロスは就航したのであった。
リバティ級1番艦カルロスの処女航海は順調なものだった。当然、この船に乗ってサンカルロスへ向かう。伯爵ご一行は、スイートルームで過ごしていたのであった。この船には特別室であるスイートルームがあり、これは、伯爵様専用といったところだ。次いで1等客室、一般客室と貨物室に分かれている。とはいえ、3日間はかかる船旅となっている。この船旅を伯爵はたいそう気に入られたようだった。これに加えて、1か月後には2番艦リクヨウが就航することになっている。この船は名前の通り、村人村とリクヨウを結ぶ航路に就役予定であった。問題は、3番艦のライムである。実は、最近ライム殿と連絡が取れなくなっている。そのことは、ライム殿が魔王になったとの連絡を受けてから始まっている。

「俺が行こうか?」

この一言にみんなが止めに入ったのは言うまでもなかった。さらに言うとなぜかスクルド様まで止めたのだった。

「いいか、村人、相手は魔王だ。何が何と言おうとも魔王だ」

「魔王ならそこにいるじゃないか。なぁ~ロクテン殿」

「はい。ロクテンはここにおります」

「だったらロクテンを連れていくか」

「一緒に連れて行ってくださるのですか?」

「あーずるい!!私も!!」

みんなが一緒に行くと言い出し始めて収拾がつかなくなり始めているのだが、そんなことはお構いなしで引き下がらないスクルド様

「皆の者!!黙れ!!」

「スクルド様も行きたいんですか?」

つい俺が聞いたら。

パカン!!

「いってー」

思いっきり頭を叩かれてしまった。

「いい加減にしろ、わしが言いたいのは、魔王になったということは、どんな究極能力(アルティメットスキル)を持っているかわからない相手になったということじゃ。いいか?」

「しかし、スクルド様、一度は会わないといけません。なんとしてもロクテン殿との対決を止めないといけませんし。それに、今は空路で就航している交易路の陸路開発を進めていく上、重要な同盟相手なんですから」

俺の言葉を聞いてスクルド様はしばらく考えていた。俺たちを見渡し、ため息をついた

「ま…最初からこうなることはわかっておったのじゃが…村人よ。話を聞いておるとは思うが、魔族は、まだ、人間を信用していないぞ。わかっておるな」

その時だった。ミケえもんが駆け込んできたのだった。

「村人様!!大変です」

「なにごとだ!!ミケえもん」

ぜぇぜぇと息を切らして、何も言えないでいる。よっぽど大変なことが起きただろうか、ここまで走ってきたようで、まだ息が元に戻らない。そんなミケえもんを見かねたシャンリーが水を用意した。

「はい…これ」

「はぁはぁ・・・ありがとう…うぐむぐむぐ・・・・あ~!!生き返った」

大変という内容が一体何なのかがわからないまま、その回答を待っているとミケえもんの口から驚きの一声が飛び出してきた。

「お…温泉が湧き出ました」

大陸鉄道建設予定地を試掘しているときに、突如として湯けむりが上がり温泉が噴き出したそうだ。しかも、試掘をしていた数か所から同時にわいてきたとか、茶色いお湯や白濁したお湯、透明なお湯など数種類あるという。しかも、村人村ターミナルから温泉が湧き出ている場所までは試験線といって、鉄道の運行試験用に線路までできているとのことだった。これから温泉開発を進めなければならなくなった。

温泉開発はミケえもんに任せて、久しぶりにライムへ降り立った。本来であれば妻たちを連れてくるのだが、あえて俺一人でやってきた。俺を見つけた第一村人は、一人でやってきた人間を見て、敵意をむき出しにやってきた。

「何をしにやってきた?」

「ライム殿に会いに来た」

この一言が悪かったのだろうか第一村人は

「ライム様に会いに来ただと!!ライム様が人間なんかに会うはずないだろ!!」

そう言って俺の胸をドンと押されたと思ったら、周りに魔族たちがぞろぞろと現れ、俺を睨みつけている。一体、何があったのだろうか、神聖教会の騎士を殺したことと何か関係があるのだろうか?この騒ぎにフウガが気づいてやってきて、俺を見つけて、慌ててやってきた。

「村人殿!!とりあえず、こちらへ」

フウガはこの国でも5本の指に入る戦士とあって、彼にたてつくものはいないようだ。通された場所は以前ライム殿と会談をした場所だった。

「村人殿、今日はどのような用件で」

この村特性のハーブティが出てきた。ジャスミンのような香りとともに少し甘味がある飲み物で中々おいしいものであった。それを飲みつつ

「実は、用件がありまして、一つ目はお約束していた。飛行船の納期まで2か月と迫っていることです」

「その件についてですが、しばしお時間をいただきたいのですが」

「ほう…それは、困りましたね。ということは、我々の鉄と輸出に関しても、まだ決まっていないのですか」

「はい…それも…」

「だとすれば、ほかの案件も難しそうですな」

「すみません」

「ところでフウガ殿、いったい何があったのですか?」

「それも・・・」

「そうか…無理強いはしません。ところで、ライム殿は」

「実は、ライム様は今日はお出かけになられておりまして」

フウガの言葉には力がなく、明らかに嘘をついていることが分かった。そして、周りを透視するとライム殿が影に隠れているのが見えた。

「残念ですな。せっかく、お土産に”特性カレーパン”を持ってきたのですが、このカレーパンは賞味期限がすごく短いのです。ここで食べなければ、腐ってしまいます。もったいないですが、あ・・・そうだ。フウガ殿一口如何です?」

「え?私がですか?」

「そうです」

表面にはクルトン上のパン粉が乗ってからりと上がっている揚げパンを差し出した。もちろん、袋から取り出した時点でカレーのおいしそうなにおいがふありと広がっていった。

「なんですか?このうまそうなにおいは?」

「おいしいですぞ。とりあえず、食べてみてください」

「いいんですか」

「どうぞ」

アム!!サク!!ウグウグウグ・・・

「なんだ!!これは!!」

フウガはカレーパンのうまさに驚愕していたのだった。そんな光景とカレーのにおいがライム殿をうごかしたのだった。

カタン・・・

この部屋のどこかで物音がした。

「ライム殿、いるんでしょ?隠れていないで早く出てきなさい。さもないと、カレーパンをフウガに全部あげますよ」

「ばれてましたか・・・」

少し照れ笑いをしながら、ライム殿は現れたのだった。

「さぁ・・・どうぞ・・・」

「おお!!カレーパンではないですか、しかも、パン粉がクルトンタイプという変わり種ですね」

「普通のもこちらにありますよ」

「おお!!」

ライム殿がカレーパンをかじるとカリっという音がはじけて、その中から出てきた絶妙な味のカレーに舌鼓をうっていた。

「うますぎる!!」

しばらくして、落ち着いたライム殿との会談が始まった。

「実は、人間どもに仲間の数人が殺されまして」

「そうでしたか、それはさぞ悔しい思いをなさったことか。私にもわかります。それで神聖教教会の騎士を殺したのですね」

「ま…生贄でした。死んだ者への復活と自分が魔王に進化するために必要なことでした」

「そうでしたか…それで晴れて魔王になれたというわけですね」

「はい…新興勢力の魔王たちが推薦してくれたこともあって、魔王になれたのですが、古株の魔王が2千年ぶりに封印から出てきまして、反対をしているんです」

「ひょっとして、そのお方の名前はロクテン魔王ではないですか?」

「よくご存じで」

「ロクテン魔法の封印を壊したのはわたしですから」

「世の中狭いものですな。そういえば、ロクテン魔王も新しい魔王を作るべく俺と同じことを魔王候補者にさせたらしいのですが、それは、成功しなかったようです。なにやら、あちらは6万の人間を殺したとか聞いています。しかし、魔王にはなれなかったようです」

「はい…そのようです。その方は、6万もの人柱を作ったにもかかわらず、魔力がなかったため、魔王にはなれませんでした」

「村人殿、よくご存じで」

「その魔王になれなかった者がわたしなんです」

「え?うそ」

「本当です」

ライム殿はしばらく考えて、納得をしていた。

「私も部下を蘇生するためにやったことでしたので、魔王になるということすら聞かされていませんでしたし、それに、魔王には興味はありませんので、別にどうでもいいことだったんです。無事に部下が蘇ったのですから」

「そうでしたか、私も部下をよみがえらせるためにやったことなんですよ」

こうして、俺たちは話し合いを続けた。

「それとロクテン魔王との対決は避けられないのかね」

「うーん・・・あれは、魔王たちがきめたことだから、俺にはどうすることもできない。ところで、どうしてロクテンのことを気にするのですか」

「いや…知り合いだから」

決して、Hな関係ですとはいえないので、言葉を濁したんだけど、

「俺としても、無駄な戦いはしたくない」

「では、戦わなければ?」

「それもできない。俺を立てている魔王たちの顔に泥を塗ることになる」

「こまったな・・・」

「うーん・・・」








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