君が僕を好きなことを知ってる

大天使ミコエル

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25 放送部

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 一度しか顔を出したことのない放送部は、かなりのアウェイ状態だった。

 それもそのはず。
 ケントのように活動している奴は、毎日ここに入り浸り、駄弁るついでにお昼の曲がどうだとか、DJや実況の練習だとか、発声練習だとか、体力作りだとかで結束を固めているわけで。

 とはいえ、
「いらっしゃーい!」
 めちゃくちゃ歓迎ムードではあったわけだけど。

 歓迎してくれたのは、部長の長岡さんだ。
 眼鏡をくいくいっと上げる仕草が印象的な、個性的なお姉さんといった感じの人だ。

「球技大会は、期末前に行われるレクリエーションなの。季節柄、屋内競技限定で、バスケ、バド、卓球、バレーの4種目」
 部長のワンレンボブの髪が揺れる。

「当日は、体育館と第二体育館、卓球はホールも使うわね」

 聞いた感じ、思ったより大掛かりな大会なんだろうか。

「そこで班分けなんだけど。競技ごとにペア3組ずつ。ペアの中で実況と解説に分かれること。同じ競技のメンバーは、班として情報共有しながら活動してね」

 というわけで、亮太はケントとペアになった。
「りょーくん、どっちやりたい?」
「ケントは実況の方が上手そうじゃん」
「ふふん」
 ケントがドヤ顔を向ける。
「俺の方が声でかいからね。じゃあ、りょーくんは解説で」

「競技は?」
「やりたいのと被らないやつな」
「あ、じゃあ、俺、バドやりたいかも」
 亮太が言う。

「じゃさ、バスケはどうよ?俺、バスケの実況興味ある」
「いーねー!」
 亮太がぐーを突き出すと、ケントもぐーを突き出してくる。
「よっしゃー」

 バスケの解説、か。

 手をぎゅっと握る。
 いや、今から緊張してても仕方ないって。

 それぞれ競技ごとに分かれると、班はそれぞれぴったり6人だった。
 部屋にいるのは部長を合わせて25人。
 亮太のような幽霊部員や臨時メンバーも何人かいるらしい。
 確かに人数ギリギリで回しているようで、裏方だけ、なんて出来そうにない状況なのは確かだった。

「各クラスのメンバーの割り振り決まり次第、名簿作るから!各自ルールを確認しておくこと!」



 その日は、それぞれ昨年度の球技大会の資料を眺めて終わりとなった。

「思ったより本格的な活動なんだな」
 部活の帰りは思ったよりも遅くなり、重い色の夕陽が、二人が歩く廊下を鈍く照らした。

「そうそ。バスケのルール確認して、試合動画漁らないとな。去年の球技大会とか、プロの試合とか」
「あと1ヶ月……っていっても、意外と短いな」

 途中、教室の前を通ったけれど、誰も居る気配はない。

 ……それはそうだ。
 こんな時間まで、待ってるわけないんだし。

 そんな風に考えてしまって。

 つい、あいつのことを思い出してしまった自分が、少し嫌だった。



◇◇◇◇◇



みかみくんとケントは恋愛にはならないけどとても仲良しなんですよ!
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