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28 練習開始!(1)
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いつもの屋上。
相変わらず、亮太は購買のパンとコーヒー牛乳でもそもそと昼食をとっていた。
「練習、しよう!」
と、気合を入れたぐーを突き出したのは礼央だ。
「…………うん」
うっかり、平坦な返事をしてしまう。
気合が入らないのは、どうしても人前で話すことが億劫だからだ。
「なになに」
と、ケントが覗いてきた。
「解説の練習、しようと思って」
一瞬、ケントがキョトンという顔をした。
そんな事を言い出す礼央は亮太のことを知っていて言っているのか、知らずに行っているのか訝しんでいる顔だ。
そしてすぐ、
「いいじゃん」
と笑う。
「じゃ、今やろうぜ」
「バスケ?」
「いや、れおくんの実況と解説」
「え、僕の?」
礼央が慌てる。
「丁度、弁当食べてるからさ」
「う~ん」
亮太がむ~んと礼央を見たので、礼央は余計に慌てた。
「練習、付き合ってくれるしょ?れおくんはそのまま食べてて」
「う、うん」
言われて、玉子焼きを口に運ぶ礼央を対象に、ケントは実況を始めた。
「うららかな5月。青空の下で、いつもの昼食が始まります。実況のケントと、」
そこで、ケントは亮太に促す。
「か、…………かいせつの、亮太でお送りします」
「さて、れおくんの今日の昼食、あれはお弁当ですね」
「そ、そうですね…………」
亮太の頭の中は、すでに真っ白だった。
今は、特に誰が聞いているというわけでもないのに。
まるで、この練習すら拒否するように。
思考が止まってしまったみたいだった。
どれだけ考えても、言葉にしようとしても、頭の中が動こうとはしない。
「ああっと、あの茶色いのは……」
促されている、ような気はするけれど、だからといってなんて言う?
どのタイミングで?
「からあげですね。鶏の」
なんとか、投げやりではあるけれど、言葉にできたのはそれだけだ。
「そう!唐揚げだー!」
ケントが、勢いでなんとか拾ってくれる。
「美味しそうな唐揚げですね、解説の亮太さん」
「そ、そうですね……」
そこで沈黙してしまい、その後はどうにも練習らしくもならなかった。
ケントはあまり気にする様子もなく、「うしし」と笑う。
礼央は少し恥ずかしそうにお弁当を食べ終えていた。
亮太は、思った以上の出来なさに絶望を感じ、がっくりと肩を落とした。
屋上のコンクリートの地面に頭が付きそうなほどあからさまに。
コンクリートの地面も段々と温かくなってきている。
そろそろ非常階段や教室での昼食が当たり前になるだろうか。
「れ・ん・しゅ!練習すれば大丈夫だって。俺もフォローするし」
ケントが気合を入れた声を出す。
「………………うん……」
すっかり落ち込んでしまった亮太に、礼央は困ったような笑顔を向けた。
◇◇◇◇◇
サクももちろん居るんですけど、マイペースですからね。
相変わらず、亮太は購買のパンとコーヒー牛乳でもそもそと昼食をとっていた。
「練習、しよう!」
と、気合を入れたぐーを突き出したのは礼央だ。
「…………うん」
うっかり、平坦な返事をしてしまう。
気合が入らないのは、どうしても人前で話すことが億劫だからだ。
「なになに」
と、ケントが覗いてきた。
「解説の練習、しようと思って」
一瞬、ケントがキョトンという顔をした。
そんな事を言い出す礼央は亮太のことを知っていて言っているのか、知らずに行っているのか訝しんでいる顔だ。
そしてすぐ、
「いいじゃん」
と笑う。
「じゃ、今やろうぜ」
「バスケ?」
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礼央が慌てる。
「丁度、弁当食べてるからさ」
「う~ん」
亮太がむ~んと礼央を見たので、礼央は余計に慌てた。
「練習、付き合ってくれるしょ?れおくんはそのまま食べてて」
「う、うん」
言われて、玉子焼きを口に運ぶ礼央を対象に、ケントは実況を始めた。
「うららかな5月。青空の下で、いつもの昼食が始まります。実況のケントと、」
そこで、ケントは亮太に促す。
「か、…………かいせつの、亮太でお送りします」
「さて、れおくんの今日の昼食、あれはお弁当ですね」
「そ、そうですね…………」
亮太の頭の中は、すでに真っ白だった。
今は、特に誰が聞いているというわけでもないのに。
まるで、この練習すら拒否するように。
思考が止まってしまったみたいだった。
どれだけ考えても、言葉にしようとしても、頭の中が動こうとはしない。
「ああっと、あの茶色いのは……」
促されている、ような気はするけれど、だからといってなんて言う?
どのタイミングで?
「からあげですね。鶏の」
なんとか、投げやりではあるけれど、言葉にできたのはそれだけだ。
「そう!唐揚げだー!」
ケントが、勢いでなんとか拾ってくれる。
「美味しそうな唐揚げですね、解説の亮太さん」
「そ、そうですね……」
そこで沈黙してしまい、その後はどうにも練習らしくもならなかった。
ケントはあまり気にする様子もなく、「うしし」と笑う。
礼央は少し恥ずかしそうにお弁当を食べ終えていた。
亮太は、思った以上の出来なさに絶望を感じ、がっくりと肩を落とした。
屋上のコンクリートの地面に頭が付きそうなほどあからさまに。
コンクリートの地面も段々と温かくなってきている。
そろそろ非常階段や教室での昼食が当たり前になるだろうか。
「れ・ん・しゅ!練習すれば大丈夫だって。俺もフォローするし」
ケントが気合を入れた声を出す。
「………………うん……」
すっかり落ち込んでしまった亮太に、礼央は困ったような笑顔を向けた。
◇◇◇◇◇
サクももちろん居るんですけど、マイペースですからね。
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