[完結]私を巻き込まないで下さい

シマ

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本編

最強はだれ?

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 ランバートさんと仲直りした私は、彼と部屋まで戻る途中、王太子殿下の事を思い出した。放置してきたけど、まだ居るのかなぁ?

「あのー、私の部屋に居ますか?……王太子殿下が居たら戻りたくないです」

「あー、王妃様にも話したんだったな」

「はい」

「じゃあ、大丈夫。今頃、扇子で指導されているさ」

 ランバートさんが部屋に尋ねたら、王太子殿下が出てきて事情を聞いたと言ったけど、彼も放置して私を追い掛けてくれたから知らないはず。なんで大丈夫って言えるの?

「師匠すら頭が上がらない人が、王太子殿下をそのままにはしないよ」

 はい?師匠も頭が上がらない?魔法と戦闘バカな師匠が?あんな綺麗で優しい雰囲気の王妃様に?
 
「王妃様の扇子は女性の魔力が高い者にしか使えない特殊な魔具なんだ」

 王家に代々伝わる魔具で、魔力を流す事で雷撃が出来る護身用魔具。しかも、現王妃様は歴代の王家の方々で随一の使い手で、悪いことすると問答無用で雷撃が飛んでくるらしい。

「雷撃って……命に関わりませんか?」

「そこは、王妃様の腕で調節しているらしい。今の王妃様以外にした事がないってのもあるな」

 普通はしないよ?貴族のご令嬢が攻撃魔法を極めるって……うーん、でも、王太子って、師匠と同じ髪の色をしてたけど……

「王太子殿下も魔力が高いですよね?」

「……アイツは脳筋なんだよ」

 ……ちょっと待って!国のトップが脳筋で、この国は大丈夫!?私は平和に暮らしたい。

「真っ直ぐ過ぎて、自分の目で見ないと判断出来ないから、城を抜け出して町を見に行く」

 それは、凄い事だとは思うけど、警備の人も大変ですよね?過労で倒れたりしてない?……将来が心配に……

「すみませんでした!!」

「謝る相手が違います。母は悲しいですわ」

 二人で話ながら歩いていたら、いつの間にか王様の屋敷に戻って来ていた。でも、外まで聞こえる声は、王妃様と王太子殿下の声。殿下が怯えていますが……ナニゴト?

「あら、イリーナさん。もう話は済んだのかしら?」

「はい、お庭を使わして頂き、ありがとう御座いました。ゆっくり話す事が出来て嬉しかったです」

 まぁ、と王妃様まで嬉しそうに笑う。笑顔で話す私達の横で、王太子殿下は顔色が悪い。しかも、ランバートさんに、コソッと私が怒ってないか確認してた。反省してない気が……

「……宜しいわ。罰を受けな……あら?」

 殿下の反省のみられない態度に、王妃様の怒りが爆発したのか扇子で攻撃しようとして止まった。王妃様が驚いた顔で扇子を見詰める。……もしかして……

「如何されましたか?」

 ランバートさんが聞いたら、王妃様が困った様に眉を下げた。

「……魔力の流れが悪いわね。発動しないわ」

「よっしゃ!」

 反省しようか殿下。王妃様が睨んでますよ?それより今は、修理が先だよね。

「魔具を見せて頂けますでしょうか?」

「えぇ、構わないけど……何をするの?」

「修理が出来ないか確認させて下さい」

 王妃様と殿下も魔力の事を知らなかったらしい。庭で聞いた変な音は扇子一部にヒビが入った音だと思う。ゆっくりと魔力を流してヒビを探して繋ぐ。魔石の魔力も補充すると、ピタッと繋がる感覚が手に伝わった。

「はい、これで大丈夫だと思います」

「え?今ので終わったの?」

「はい!」

 久しぶりに修理が成功して嬉しい。その気持ちのままに、笑顔で返事をすると王妃は笑った。王妃様は笑顔で殿下の前に立つと、扇子で肩に触れる。パチパチと弾ける音と共に、殿下が暴れ始めた。

「い、痛いです、母上!」

「痛くしているのですから当たり前です。女性の部屋に窓から侵入なんて、犯罪です」

 優しい笑顔で話ながらも、涙を溜める殿下を容赦なく攻撃している王妃様。えっと……修理したのは私だけど……止めなくて大丈夫?殿下の服……焦げてない?

「おや?また、お仕置きされているのですか。今度は何をやらかしましたか?」

 王様の声と共に王妃様が一度手を止めて、怒っている理由を王様に話した。丁度、私からは王様の顔が見えないけど、どうやら怒っている様で魔力の高まりと共に王様の回りでパチパチと音が鳴る。

「どうやら私の考えは甘かった様ですね……このバカ息子が!!」

 王様の大きな声と共に、王妃様の扇子とは比べ物にならないほどの雷が轟音と共に空から落ちて殿下に直撃した。気絶して倒れた殿下をサッと使用人の人が何処かへ運んで行った。 


王家の方々は怒らせると怖いらしい。

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