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本編
平穏な生活は……
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解散になって部屋に戻ると、ベッドの上にうつ伏せに寝転んだ。終わった……全て終わった。私はどうしたいんだろう。この後は……旅をしたいけど、お金がいるし準備も必要だけど……
「買い物行きたい」
そうだ、全部、王様が準備してくれた物を使っているけど旅に必要な物は無いし、大体、何が要るかもよく分からない。引っ越しとは違うからなぁ……
「あれ?オーウェンさんは、どうして残っているんだろう?」
独り言を呟きながら自分の中の疑問ややりたい事を整理する。ドレスを着るのは楽しいけど、毎日、着たいか聞かれれば答えは否。私は貴族の生活には向いて無いし、無意識とはいえ呪詛を掛けられるのは懲りごり。やっぱり私は庶民の生活が合ってると思う。でも……回りは私に何を求めているんだろう……グルグルと考えているうちに、私はそのまま寝てしまった。
「イリーナ様、入りますよ?」
扉の外から声が聞こえて意識が浮上する。私……今……何時だろう……寝坊した?
扉が開くとリリーさんがカートを押して入って来た。ベッドの横で顔を洗う事にやっと慣れてきたけど、何だか今日は変な感じがする。
「イリーナ様、大丈夫ですか?朝ですよ」
上半身を起こしたまま動かない私を、リリーさんが心配そうに覗き込んでくる。大丈夫とだけ返事をした。何時もはもっとスッキリ起きれるのに……なんだろう?
「さぁ、お顔を洗って着替えましょう」
そう言ってリリーさんが水の入った桶を持って来てベッドの横に置く。その水に手を入れた時、桶の中身の違和感に気付いた。これ……水じゃない……うーん。
「リリーさん、ちょっとお願いしたい事があるんですが良いですか?」
「はい、私に出来る事でしたら何でもどうぞ」
「ランバートさん、呼んできて下さい」
リリーさんが瞬きを繰り返し驚いた表情を見せた後、直ぐに部屋を出る。桶から手を出すと指先が赤く爛れていた。これで顔を洗ったら悲惨な事になってたかも。顔は洗えないから先に着替えだけ済ますと、ポーチの中に手を入れる。この液体の正体を調べなきゃ……検査薬と溶けない容器と……
ベッド横の小さなテーブルに魔具の修理でも使う検査薬を並べていると、扉を叩く音と同時にランバートさんの声が聞こえた。
「イリーナ、入っても良いか?」
「はい、大丈夫です」
彼が入室する後ろにはリリーさんがいる。二人は、私がテーブルに並べた大量の道具に驚いていた。
「それは……手が……」
道具を見て私が何をしようとしているか分かったランバートさんは、私の手が爛れていることに気付いた。彼は取りポーチから小さな何かを取り出し、私の手を取った。
「エルフの傷薬だ。軽症なら一日で治るはずだ」
そう言って指先にそっと軟膏の様な薬を塗ってくれた。リリーさんは状況が分からないのか彼の後ろでウロウロしている。説明しなきゃね。
「この桶の準備は誰が?」
唐突にランバートさんが質問したけど、リリーさんが困った様に眉を下げた。
「それが普段は私がするんですが、今日は既に準備されていて……」
詳しい話を聞くとカートはそれぞれ専用の物があって、これは私専用カート。普段は部屋付きの侍女のリリーさん以外、触らないはずだった。それが今朝だけは違っていた。
「他の部屋付きの方々も驚いていて……誰が準備したのか、何方も見ていないんです」
全部の部屋の分が準備されていた事と私が一番、早起きだった事で私の分だけはそのまま運ばれた。ごめんなさい。朝日と共に起きるなんて早いですよね。今日は寝坊したけど、普段はリリーさんが来る時には着替え済んでますからね。
「兎に角、他の部屋の分が全て捨てたのか確認してきて欲しいけど、お願い出来ますか?残っていたら持ってきて欲しいです」
「はい、畏まりました!」
急いで部屋を出て行く彼女の背中を見ながら、私は大きなため息を吐き出した。
「平穏に暮らしたい」
思わず口から漏れた本音にランバートさんが苦笑しながら、私の頭を優しく撫でてくれた。
はぁ……早くここから離れたい
「買い物行きたい」
そうだ、全部、王様が準備してくれた物を使っているけど旅に必要な物は無いし、大体、何が要るかもよく分からない。引っ越しとは違うからなぁ……
「あれ?オーウェンさんは、どうして残っているんだろう?」
独り言を呟きながら自分の中の疑問ややりたい事を整理する。ドレスを着るのは楽しいけど、毎日、着たいか聞かれれば答えは否。私は貴族の生活には向いて無いし、無意識とはいえ呪詛を掛けられるのは懲りごり。やっぱり私は庶民の生活が合ってると思う。でも……回りは私に何を求めているんだろう……グルグルと考えているうちに、私はそのまま寝てしまった。
「イリーナ様、入りますよ?」
扉の外から声が聞こえて意識が浮上する。私……今……何時だろう……寝坊した?
扉が開くとリリーさんがカートを押して入って来た。ベッドの横で顔を洗う事にやっと慣れてきたけど、何だか今日は変な感じがする。
「イリーナ様、大丈夫ですか?朝ですよ」
上半身を起こしたまま動かない私を、リリーさんが心配そうに覗き込んでくる。大丈夫とだけ返事をした。何時もはもっとスッキリ起きれるのに……なんだろう?
「さぁ、お顔を洗って着替えましょう」
そう言ってリリーさんが水の入った桶を持って来てベッドの横に置く。その水に手を入れた時、桶の中身の違和感に気付いた。これ……水じゃない……うーん。
「リリーさん、ちょっとお願いしたい事があるんですが良いですか?」
「はい、私に出来る事でしたら何でもどうぞ」
「ランバートさん、呼んできて下さい」
リリーさんが瞬きを繰り返し驚いた表情を見せた後、直ぐに部屋を出る。桶から手を出すと指先が赤く爛れていた。これで顔を洗ったら悲惨な事になってたかも。顔は洗えないから先に着替えだけ済ますと、ポーチの中に手を入れる。この液体の正体を調べなきゃ……検査薬と溶けない容器と……
ベッド横の小さなテーブルに魔具の修理でも使う検査薬を並べていると、扉を叩く音と同時にランバートさんの声が聞こえた。
「イリーナ、入っても良いか?」
「はい、大丈夫です」
彼が入室する後ろにはリリーさんがいる。二人は、私がテーブルに並べた大量の道具に驚いていた。
「それは……手が……」
道具を見て私が何をしようとしているか分かったランバートさんは、私の手が爛れていることに気付いた。彼は取りポーチから小さな何かを取り出し、私の手を取った。
「エルフの傷薬だ。軽症なら一日で治るはずだ」
そう言って指先にそっと軟膏の様な薬を塗ってくれた。リリーさんは状況が分からないのか彼の後ろでウロウロしている。説明しなきゃね。
「この桶の準備は誰が?」
唐突にランバートさんが質問したけど、リリーさんが困った様に眉を下げた。
「それが普段は私がするんですが、今日は既に準備されていて……」
詳しい話を聞くとカートはそれぞれ専用の物があって、これは私専用カート。普段は部屋付きの侍女のリリーさん以外、触らないはずだった。それが今朝だけは違っていた。
「他の部屋付きの方々も驚いていて……誰が準備したのか、何方も見ていないんです」
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「兎に角、他の部屋の分が全て捨てたのか確認してきて欲しいけど、お願い出来ますか?残っていたら持ってきて欲しいです」
「はい、畏まりました!」
急いで部屋を出て行く彼女の背中を見ながら、私は大きなため息を吐き出した。
「平穏に暮らしたい」
思わず口から漏れた本音にランバートさんが苦笑しながら、私の頭を優しく撫でてくれた。
はぁ……早くここから離れたい
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