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本編
声が出ない
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目を覚ますと、荒らされた部屋とは別の部屋で寝ていた。いつの間に寝てた?……ここは何処?
「起きたか」
橫から聞こえた声に気付いて視線を向けると、ランバートさんが背伸びをして椅子から立ち上がった。
「声は出せるか?」
彼にそう言われて喉の違和感に気付いた。少し痛みを感じて小さな声で話そうとしたけど、声を出した途端、咳になって言葉にならなかった。
「……まだ話さない方が良さそうだな。部屋に撒かれた薬の影響だ」
咳が止まらない私の背中を擦りながら彼が教えてくれたのは、魔具が正常に動いて犯人が分かった事と長い時間、薬を吸ったせいで肺や喉が荒れている事だった。だから声が出ないのか……
「水を飲むか?」
頷くと水の入ったコップを渡してくれた。少しずつ飲んでいるのに喉が痛くて半分も飲めずに、彼にコップを返すと何かと呟いた。
「昨日、薬は飲ませたが回復には時間が掛かるらしい」
彼がオーウェンさんの薬を飲ませてくれたらしい。薬を飲んだなら問題ないよね。うん?……飲ませたって寝てる私にどうやって?
疑問が浮かんで彼に尋ね様と思って視線を向けると、左頬が腫れている事に気付いた。え?何で腫れてるの?薬は肺を焼く物だって言ったから関係ないよね?
状況が理解出来ずに首を傾げていると、彼が私から視線を反らした。……何か隠してる?
「……なに……を……ゴホッ」
隠す理由を尋ねようと思ったけど、水を飲んだくらいじゃ声は出せなくて、直ぐに咳に変わった。思ったより喉が荒れてるなぁ。
「声を出すな……俺が薬を口移しで飲ませたから師匠に殴られた」
彼から疑問の答えを聞いて納得した。口移しで飲んだのかぁ………うん?……って事は知らないうちに私キスしたって事!?しかも、お義父様が殴った?驚き過ぎて開いた口が塞がらないよ。しかも、魔力暴走した時も口移しで飲ませたから二回目!?ちょっと待った!一回目の話し今、初めて聞いた!!
「……ごめん……緊急と判断して勝手にやった」
緊急って事は分かったけど、何で黙ってたの?あー、話せないのは不便!書くもの下さい!身振り手振りで伝えると、紙とペンを持って来てくれた。
『緊急は分かりました。何で教えてくれないんですか?』
やっと言いたい事が伝えられる。紙にサッと書くと、内容を読んだ彼が頬を指で掻きながら私から視線を反らした。
「……その……気不味くなりたくなくて言えなかった」
『そうじゃなくて、私、お礼言ってない。飲ませてくれて、ありがとうございました』
私が紙に書いたお礼を読んだ彼が、瞬きを繰り返した後、こっちに視線を戻した。
「怒ってないのか?」
彼の言葉に頭を縦に振って同意すると、やっと納得したのか笑顔に戻った。
『でも、何で殴られた?』
「あ~、師匠の焼きもちと同意無しにキスしたって事らしい」
……はぁ?同意無しにキスした……私、寝てるのに?あ!逆か。寝てる私にしたから怒ったって事だよね……仕方なくない?薬を飲まなきゃ今頃、もっと痛いよね?
『でも、緊急だったのに?』
「……頭では理解出来ても気持ち的に納得出来ないって言われた」
それって子離れ出来ない親バカ?お義父様の言葉と行動に二人揃ってため息を吐いた時、扉を叩く音がしてランバートさんが警戒しながら扉に近付いた。
「誰だ」
「小僧、さっさと開けろ」
外から聞こえた声はオーウェンさんだった。彼が鍵を開けて中に招くと、頬の腫れに気付いて片眉を上げた。
「なんだ、その無様な顔は」
「師匠のせいですよ」
“師匠”と聞いてオーウェンさんがため息を叩くと、仕方ないかと呟いて私の傍に来た。
「……筆談していたのか……喉を診せろ」
私が顔を上げて喉元を開けると、オーウェンさんが手で触れて魔法で状態を確認した。
「喉の腫れは今だけだ。数時間後には声をだせるだろう」
声が出る様になると言われてホッとしていたら、新しい飲み薬を差し出してきた。……この薬を飲め?……紫色してますが毒じゃないよね?私が受け取りを躊躇っていると、オーウェンさんがランバートさんに視線を向けた。
「自分で飲めぬのなら、小僧に飲ませて貰うか?」
ニヤリと意地悪な笑みを浮かべたオーウェンさんの手から、慌てて薬を取ると一気に飲み干した。に……苦い……けど喉の痛みが減った?
「この薬は痛み止だ。まだ魔力が回復していないから寝ろ」
今、起きたのにって思ったけどオーウェンさんが何か呟いたのと同時に、強い眠気がきて私はそのまま眠ってしまった。意識が途切れる寸前、彼らが何か話していたけど意味を理解する事は出来なかった。
『女は牢屋に入れたが男が見付からなかった』
「起きたか」
橫から聞こえた声に気付いて視線を向けると、ランバートさんが背伸びをして椅子から立ち上がった。
「声は出せるか?」
彼にそう言われて喉の違和感に気付いた。少し痛みを感じて小さな声で話そうとしたけど、声を出した途端、咳になって言葉にならなかった。
「……まだ話さない方が良さそうだな。部屋に撒かれた薬の影響だ」
咳が止まらない私の背中を擦りながら彼が教えてくれたのは、魔具が正常に動いて犯人が分かった事と長い時間、薬を吸ったせいで肺や喉が荒れている事だった。だから声が出ないのか……
「水を飲むか?」
頷くと水の入ったコップを渡してくれた。少しずつ飲んでいるのに喉が痛くて半分も飲めずに、彼にコップを返すと何かと呟いた。
「昨日、薬は飲ませたが回復には時間が掛かるらしい」
彼がオーウェンさんの薬を飲ませてくれたらしい。薬を飲んだなら問題ないよね。うん?……飲ませたって寝てる私にどうやって?
疑問が浮かんで彼に尋ね様と思って視線を向けると、左頬が腫れている事に気付いた。え?何で腫れてるの?薬は肺を焼く物だって言ったから関係ないよね?
状況が理解出来ずに首を傾げていると、彼が私から視線を反らした。……何か隠してる?
「……なに……を……ゴホッ」
隠す理由を尋ねようと思ったけど、水を飲んだくらいじゃ声は出せなくて、直ぐに咳に変わった。思ったより喉が荒れてるなぁ。
「声を出すな……俺が薬を口移しで飲ませたから師匠に殴られた」
彼から疑問の答えを聞いて納得した。口移しで飲んだのかぁ………うん?……って事は知らないうちに私キスしたって事!?しかも、お義父様が殴った?驚き過ぎて開いた口が塞がらないよ。しかも、魔力暴走した時も口移しで飲ませたから二回目!?ちょっと待った!一回目の話し今、初めて聞いた!!
「……ごめん……緊急と判断して勝手にやった」
緊急って事は分かったけど、何で黙ってたの?あー、話せないのは不便!書くもの下さい!身振り手振りで伝えると、紙とペンを持って来てくれた。
『緊急は分かりました。何で教えてくれないんですか?』
やっと言いたい事が伝えられる。紙にサッと書くと、内容を読んだ彼が頬を指で掻きながら私から視線を反らした。
「……その……気不味くなりたくなくて言えなかった」
『そうじゃなくて、私、お礼言ってない。飲ませてくれて、ありがとうございました』
私が紙に書いたお礼を読んだ彼が、瞬きを繰り返した後、こっちに視線を戻した。
「怒ってないのか?」
彼の言葉に頭を縦に振って同意すると、やっと納得したのか笑顔に戻った。
『でも、何で殴られた?』
「あ~、師匠の焼きもちと同意無しにキスしたって事らしい」
……はぁ?同意無しにキスした……私、寝てるのに?あ!逆か。寝てる私にしたから怒ったって事だよね……仕方なくない?薬を飲まなきゃ今頃、もっと痛いよね?
『でも、緊急だったのに?』
「……頭では理解出来ても気持ち的に納得出来ないって言われた」
それって子離れ出来ない親バカ?お義父様の言葉と行動に二人揃ってため息を吐いた時、扉を叩く音がしてランバートさんが警戒しながら扉に近付いた。
「誰だ」
「小僧、さっさと開けろ」
外から聞こえた声はオーウェンさんだった。彼が鍵を開けて中に招くと、頬の腫れに気付いて片眉を上げた。
「なんだ、その無様な顔は」
「師匠のせいですよ」
“師匠”と聞いてオーウェンさんがため息を叩くと、仕方ないかと呟いて私の傍に来た。
「……筆談していたのか……喉を診せろ」
私が顔を上げて喉元を開けると、オーウェンさんが手で触れて魔法で状態を確認した。
「喉の腫れは今だけだ。数時間後には声をだせるだろう」
声が出る様になると言われてホッとしていたら、新しい飲み薬を差し出してきた。……この薬を飲め?……紫色してますが毒じゃないよね?私が受け取りを躊躇っていると、オーウェンさんがランバートさんに視線を向けた。
「自分で飲めぬのなら、小僧に飲ませて貰うか?」
ニヤリと意地悪な笑みを浮かべたオーウェンさんの手から、慌てて薬を取ると一気に飲み干した。に……苦い……けど喉の痛みが減った?
「この薬は痛み止だ。まだ魔力が回復していないから寝ろ」
今、起きたのにって思ったけどオーウェンさんが何か呟いたのと同時に、強い眠気がきて私はそのまま眠ってしまった。意識が途切れる寸前、彼らが何か話していたけど意味を理解する事は出来なかった。
『女は牢屋に入れたが男が見付からなかった』
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