【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います

7

　ルーカスさまとキースさまと別れ、私は帰るべくとぼとぼと歩いていると、見知らぬ女子生徒が現れたのだ。

　「？」

　「何故、あんたみたいな子に王子様は話しかけたのよ！」

　私に言いがかりをつけてきたのは、公爵家の一人娘でセーラ様だ。

　お子がお一人しかいないことから、王子様の婚約者候補から外れたと後から知った。

　セーラ様は幼少期より王子様をお慕いしていたのでかなりショックだったようですが、そんなの私が知るわけないでしょ！！！！！

　と、叫びたかったです。

　家はお父様が再婚し、リーフが妹になったのでルーカス様と婚約することが出来たのだが、本当であれば家も公爵家と同じ婚約者候補から外れていたのだ。

　「リーフの姉と言うことでご挨拶しておりました」

　「ああ、元平民の子ね！
　なぜ、元平民が王子の婚約者なのよ！」

　セーラ様は癇癪を起し私を物凄い力でひっぱたくとお供を連れて私の前からいなくなった。

　ひっぱたかれてた拍子に倒れてしまった私は、手首と顔に痣ができてしまい保健室に行きとケガの手当てをしてもらった。

　「誰にやられたかは後で確認すればわかりますが、今はおとなしくしておいたほうがいいですよ」

　「先生は事情を知っていらっしゃるんですね」

　「もちろん、学園の先生がたも知っています」

　「すみません、夢でのことなのに……」

　「ここだけの話ですが、あなたのお母様は特別な血が流れておりました。
　それは未来に起こることを夢で見てしまうのです」

　「私と同じことが出来たのですか？」

　「彼女は言いました。
　私の娘は婚約破棄されてしまうと、それも無実の罪で断罪されてしまうと言うではないですか、はじめは信じられませんでしたが、お子を産み五年後になくなり、まるで彼女が言った通りに進んでいるのです」

　「私よりすごい力ですね」

　「それはあなたがまだ覚醒していないからですよ。
　覚醒すればお母様よりすごい夢見になると思いますよ」

　私の知らない母の話が聞けたことに、うれしく思った。

　母も同じ力があると聞き、父からそんなこと聞いたことなかったから本当にうれしかった。

　とても不安だった、自分がこんな夢を見て変なのではないかとさえ思っていたからだ。

　誰も信じてもらえないのではないかと思っていた。

　でも皆信じてくれて、親身になってくれるのだ。

　傷を癒してもらい私は帰路に就いたのだ。