【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います

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　とうとう妹が入学してきました。

　夢と同じにと思っていたのですが……何故かクラスはDクラスなのです。

　王妃教育を受けていながら何故Ｄクラスになるのか不思議で仕方ありません。

　納得がいかないのか喚き散らしていましたが、決定事項です。

　まさか、王子妃となる者がＤクラスなどあり得なく、もう一度話し合いが行われました。

　兎に角卒業まで待ち、それから決めると言うことで婚約は保留になり、ただの婚約者候補ということになったのですが、諦めきれずに王子の側をうろついてます。

　本当にうざいです。

　一年とクラスはかなり離れているのに、長い休み時間になるとルーカスさまの側をうろつくのです。

　それに、何故ここまで出来ないのか不思議です。

　「出来が悪いとは聞いていたが、あそこまでとは思わなかった」

　「私も勉強はきちんとした家庭教師ではなく、執事とメイド長に教えてもらってました」

　「やはり邪魔されるのかい？」

　「そうです、先生がかっこいいと言いよってましたし、すべてそれでやめてしまい見かねた執事とメイド長が一肌脱いてくれたのです」

　「それでＳクラスなのに、王城で勉強していてＤクラスだと考えなければならない」

　「焦っているんだと思います。
　魔道具のお陰であの子の匂いに惑わされる人間がいなくなり、ちやほやされなくなりましたからね」

　「そうだな、王城でも彼女を見る目はさげずむ目だ」

　「アリス、何話してるの？」

　「これはこれはセーラ嬢お久しぶりです」

　「……キースさまは王子殿下についてなくていいのですか？」

　「たまには一人で対処してもらわなければ毎回だと、こちらがまいります」

　「あれはイノシシのような子ですものね」

　「いい男を見れば諸突猛進ですからね」

　「最近はブレスレットに認識阻害の魔石を埋め込んでもらってつけているみたいですね」

　「アリス嬢の眼鏡は有難かったですね、隙あらば言い寄ってくるんですから」

　「自分が王子の婚約者だと認識してないかのようにいい男を漁ってましたわ」

　「被害にあった方々は早々に領地に帰られたそうですよ」

　「……被害って何をしたんです」

　「体を密着させ、胸を押し付けてきて、キスをねだるんです」

　「もしかしてされました？」

　「されましたね、全力で拒否りました！」

　「「ご愁傷様です」」

　私とセーラはキースさまを慰め、元気を出してもらった。

　一体どうやったらそういうことになるのかわからない。

　あれですか、ハーレムを目指しているんですかね？

　ないわ～

　ありえないでしょ。

　私は一人ため息を付き別宅に向かった。