【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います

りまり

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 日増しに弱っていくミユを見て、少しは気が晴れた。

 理不尽に殺されたのだ。

 これぐらいの復讐はいいだろうと思った。

 だから、気がゆるんでいたのかもしれない。

 ミユの異変に気付くのが遅れてしまったのだ。

 背中が痛いと思った時はミユが短刀で私の背中を刺していたのだ。

 薄れゆく意識の中私はミユの叫びを聞いていた。

 「みんなこいつが悪いんだ!
 あたしは悪くない!
 みんなこいつのせいなんだ!」

 なんて理不尽なことを言っているのだろう。

 何度注意したって聞かなかったじゃない。

 失敗すればすぐに私のせいにして逃げていたくせに!

 すべて自分が悪い癖に、他人のせいにして殻に閉じこもりおばさんたちを心配させていたくせに!!!

 今度は何?

 私が悪役令嬢としての役割を果たしていないからとでもいうの!!!

 冗談じゃないわよ!

 私だって、お前のせいで死んだんだ!!!

 第二の人生ぐらい、楽しく暮らしたいに決まっているだろ!!!!!

 私が目を覚ました時そこは真っ白な世界だった。

 『ごめんなさいね、まさかあなたがいる世界に転移するとは思わなかったの、でも安心して頂戴、こちらも転移先が決まったから移すわね』

 「あなたは一体……」

 『内緒、この先の人生を楽しんでね』

 きれいなお姉さんはそういうと姿を消してしまった。

 「一体あの方はどなただったのでしょうか?」

 するとどこからか、私を呼ぶ声が聞こえてきたのだ。

 私は声のする方に向かって走り出した。

 目を覚ますとそこには見知った人たちがいたのだ。

 「今医師を呼んでくる」

 キースさまは飛び出して行ってしまった。

 「よかったよ~」
 
 セーラさまは子供の用に泣き出し、友達に慰められていた。

 「本当に良かったです。
 守ってあげれなくってごめんなさい」

 「あれは無理ですよ。
 いきなり背中にですよ!
 それよりどうなりました?」

 「それが突然消えてしまったのです」

 「……夢を見たの、女の人がまた転移させると言っていた」

 「残念です。
 それなりの罪を償ってもらいたかったですよ」

 「ちなみにどんなことをする予定でした?」

 興味本位で聞いてみらが、王子さまのそれはそれはきれいな笑顔で終了となった。

 怖い、怖いんですけど、死ぬよりつらい目にあわす気だったんだ。

 そうすると、リーフももしかしたら……気づかなかったことにしよう。

 私は深く考えるのをやめたのだ。

 怖い人たちの考えることなどわからないほうがいいのだと思ったからだ。


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