嫌われ令嬢は戦地に赴く

12 カイside2

　着てよかった。

　後から来た彼女は長かった髪を切り、男性の軍服を着ていたがそれがまたかっこよかった。

　俺たちを見るとあのいつもの笑顔を見せてくれ、俺たちは断然やる気が出てきた。

　彼女が前戦を守っている間にケガ人を運べと言われ、俺たちは彼女に任せケガ人を運びだした。

　どんな姿だって俺たちには戦女神に見え、俺たちに勝利を運んでくれる予感がした。

　その後、魔物の発生する原因を突き止め浄化したがあまりにも大きく一回では浄化しきれず、発見から一週間かかってようやく浄化しきった。浄化作業中は俺と初めて見る顔の魔力が多い人間を見つけ彼を巻き込むことにした。

　まさか彼女の知り合いだったとは思わなかったが、彼女の嫌そうな顔をしたのであまりいい印象のない人間だとわかったが、俺以上に魔力が多い人間は彼しかいなかったと言うより他は嫌だったから諦めてもらうしかない。

　だが俺は選択間違えた。

　浄化二回目からは俺がスカウトした奴が俺の後に彼女を抱く形になった。

　浄化し終わっても魔物の動きや他に黒い沼がないか探し、ないことを確認するとようやく討伐が終了したのだ。

　引き上げその後謝恩会が行られるが彼女は来ることはなかった。

　彼女の代わりに兄が謝恩会に出席しており、それ以降彼女はギルドに顔を見せることはなかったのだ。

　ギルマスは他の町に拠点を移したと言われ俺は彼女を探すべく旅に出たのだ。