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連れまわされ、いろんな人に紹介されているリリアです。
紹介していただくのはいいのですが、何故紹介しているのかよくわかりません。
それでも侯爵さまは嬉しそうに紹介してくれますので、いいかと思ってしまいます。
そんな和やかな日々が続いたのも転校生が来るまでの話です。
その日は珍しく転校生がきたのです。
上位貴族は誰かわかって顔色を変えていましたが、下位貴族には誰だかわからなかったのです。
「カイ・ドレインですよろしくお願いします」
「リリアさん彼を校内案内してあげてね」
「……ハイわかりました」
何故私がと思いました。
私など下位貴族でしかないのに、もっと上位貴族の方に案内を頼めばと思いましたが、皆目を合わせてくれないのです。
仕方なく私はカイさまに挨拶したのです。
「カイさま、私はリリアと言います。
よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくね」
にっこりと笑いかけられつられて笑ってしまいました。
「うん、笑っていた方がいいよ」
と言われてしまいました。
自然と強張っていたのでしょう。
顔が赤くなるのがわかります。
恥ずかしくって俯いてしまいました。
どれだけ言われ慣れていないんだと、思いましたがこればかりは慣れだと思います。
「ありがとうございます」
それだけ言うのがやっとでした。
私は休み時間のたびに校内を案内して回りました。
一人で案内は不安でしたので、誰かしら一緒についてきてもらっていました。
なぜかわからないけどこの人も、侯爵さまと同じ目をしていたので二人きりにならないように気を付けていたのですが、たまたま二人きりになる機会があり、やはり危険人物だとわかりました。
「やっと二人きりになれたね」
「他にも見なければならないところがありますよ?」
「そうだね、僕は君と話がしたいんだ」
「私にはありません」
全然話が通じません!!!!
平行線のまま会話がかみ合わないです!!!!
いきなりドアが開き侯爵さまが現れびっくりしましたが、この人と一緒にいるよりはましです!!!!
「義兄さまどうしたのですか?」
「君が危ないことになっていると聞いたからね」
「ずいぶんじゃないですか?」
「どういうことですか?」
「君の秘蔵っ子を見てみたいと思ってね」
「誰から聞いたんのですか?」
「内緒だよ、邪魔が入ったからまたね」
カイさまは素早く私の腕を掴むと強引に引き寄せ唇にキスをしてきたのだ。
あまりの手際の良さに呆れつつもファーストキスを奪われたショックで固まってしまいました。
侯爵さまはご自分の後ろに隠してくれましたが相手が一枚上手のようです。
このように焦った侯爵さまは初めて見ました。
紹介していただくのはいいのですが、何故紹介しているのかよくわかりません。
それでも侯爵さまは嬉しそうに紹介してくれますので、いいかと思ってしまいます。
そんな和やかな日々が続いたのも転校生が来るまでの話です。
その日は珍しく転校生がきたのです。
上位貴族は誰かわかって顔色を変えていましたが、下位貴族には誰だかわからなかったのです。
「カイ・ドレインですよろしくお願いします」
「リリアさん彼を校内案内してあげてね」
「……ハイわかりました」
何故私がと思いました。
私など下位貴族でしかないのに、もっと上位貴族の方に案内を頼めばと思いましたが、皆目を合わせてくれないのです。
仕方なく私はカイさまに挨拶したのです。
「カイさま、私はリリアと言います。
よろしくお願いします」
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「うん、笑っていた方がいいよ」
と言われてしまいました。
自然と強張っていたのでしょう。
顔が赤くなるのがわかります。
恥ずかしくって俯いてしまいました。
どれだけ言われ慣れていないんだと、思いましたがこればかりは慣れだと思います。
「ありがとうございます」
それだけ言うのがやっとでした。
私は休み時間のたびに校内を案内して回りました。
一人で案内は不安でしたので、誰かしら一緒についてきてもらっていました。
なぜかわからないけどこの人も、侯爵さまと同じ目をしていたので二人きりにならないように気を付けていたのですが、たまたま二人きりになる機会があり、やはり危険人物だとわかりました。
「やっと二人きりになれたね」
「他にも見なければならないところがありますよ?」
「そうだね、僕は君と話がしたいんだ」
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全然話が通じません!!!!
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あまりの手際の良さに呆れつつもファーストキスを奪われたショックで固まってしまいました。
侯爵さまはご自分の後ろに隠してくれましたが相手が一枚上手のようです。
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