【完結】子爵令嬢の秘密

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　陛下のたっての頼みと言うことで、私はクリス様に連れられて王城に来ています。

　クリスさまはかなり渋っています。

　それを執事に説得され実行されたのです。

　するととてもきれいな人が現れ私をしげしげ見るとにっこりと笑ったのだ。

　「初めまして、リリアと言います」

　「ああ、クリス殿から聞いておる。
　すまんのう、うちの馬鹿がいらん事したようだ」

　「彼女は王妃様だよ、ついでに馬鹿は陛下のことだ」

　お人形さんのように美しい人の口から出たとは思えない男口調に固まってしまった。

　どうも陛下は破天荒すぎて、色々やりすぎているからか、王妃様を中心に動いているらしく、仕事をしていくにつれ男言葉になってしまったのだそうです。

　そればかりはご愁傷様ですとしか言いようがないです。

　こんな王様で国が回るんだからどれだけ他の人たちが優秀かだよな……

　ついついいらんことを考えて遠い目をしてしまったのだった。

　「考えていることはわかる！！！！！」

　つい、考えていることが顔に出てしまったらしく王妃様に大いに頷かれてしまい、どうすればいいのか戸惑っていると、クリスさまに「大丈夫だよ」と言われてしまった。
　
　周りを見ると、遠い目をしているではないか！！！！！！

　「いいのじゃ！
　みなそう思っているんじゃからな！！！」

　王妃さまは何を思ったか、私を抱きしめたのだ。

　「癒しじゃ！
　まさに癒しじゃな」

　「いい加減やめてください、彼女は俺の嫁です！！！！」

　「よいではないか、減るものじゃあるまいに」

　「減ります！！！」

　「ケチじゃの」

　それでも王妃様は私を抱きしめるのはやめず、ソファーに座り私の側を離れなかったのだ。

　そのうち気持ちよさそうに眠ってしまったので、侍女の方を呼びかける物を持ってきてもらった。

　本当であればそこで帰る筈が、どうしてもかえして貰えずに、賓客用の部屋を借り今日はお泊りになったのだ。

　むろんクリス様も一緒の部屋で寝ます。

　嫌違うな、王妃様がどういう訳か乱入し私と寝ると言い出し、クリス様を追い出したのだ。

　あれだけ寝たはずの王妃様はまた寝息を立てて眠ってしまったので私もその後を追うように眠りについたのだ。

　次の日目を覚ますと知らない男性が一緒のベットで寝ていて思わず悲鳴を上げてしまったのだ。

　その声に王妃様も目を覚まし、私の隣で寝ている男性を見るとみるみる顔の色が変わり、はっきり言って怖いお顔になっていました。

　私の隣で寝ていた男性はどうやら陛下のようです。

　その後陛下がどうなったかなんて……私の口からは言えません。