【完結】子爵令嬢の秘密

りまり

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 あれだけ喚き散らした姉らしき人はあっけなく警備兵に取り押さえられ、どこかに連れていかれた。

 姉はあんな顔だったかしら?

 もっとこうきれいだったはずなのに何故?

 そんなことを思っているとお姉さまが私を抱きしめてくれた。

 「怖かったわね。
 でも……あれで本当にリリアと姉妹とか言われても疑いたくなるわね」

 「不思議ですよね……何か姉じゃないような気がして……姉はもっときれいだった気がするんですけど……今の人こういっては何ですが……容姿がちょっと……」
 
 「確かに聞いていた話だと、絶世の美女だとか言っていたわよね?」

 「態度の方は物心ついたころからああだったんで、でも使用人の方たちはとても親切で、大好きでしたよ」

 「聞いていた以上に変な話ね。
 これはきっちり調べないといけないわね」

 なぜか、他に気になりことがあったのか、お姉さまは帰っていった。

 その後すぐに陣痛が始まり、子供と対面することが出来たのだ。

 本当に可愛かった。

 クリスさまの子なら可愛くて当たり前だけど、私の血も流れているから私に似て可愛くなかったらと思うと気が気ではなかったのだ。

 性別は男の子でした。

 クリスさまとお姉さまが二人で考えて出した答えが、リヒトだった。

 「リヒト……よかったね。
 良いお名前を付けてもらって」

 「名前といえば、リリアの生家で働いていた使用人に聞いたんだが、リリアの名前を付けてくれたのはご両親だったよ」

 「どういうことですか?
 てっきり使用人の方たちがつけてくれたのだと思っていました」

 「違うんだ」

 「気持ちを楽にして聞いていて頂戴ね。
 ローザが、両親と兄があまりにも赤ん坊のあなたを構いすぎるので嫉妬し、使用人を脅して闇の魔道具に手を出したんですって」

 「闇の魔道具は大体15年~20年と幅があるが、一生ではないんだ。
 君の両親に会いに行って話を聞いてきたよ。
 突然君が醜く見えて、ローザが美しく見えたそうだ。
 ローザを愛さなければと言う気持ちになっていき、でもなぜあの時そんな気持ちになったのかが不思議だと言っていたよ」

 「魔道具のせいで愛してもらえなかったんですか?」

 「ああ、闇の魔道具は時として人の人生も狂わすことがあるからね。
 王妃が徹底的に闇の魔道具撲滅に取り組むらしいよ」

 「よかった。
 私も魔道具を扱います。
 それは人を幸せにするためのものです。
 人を不幸にする場魔道は一切なくなればいいですね」

 「そうだな、そうなればリリアのように苦しまなくっていいもんな」

 「はい!」

 闇魔道具の撲滅を心より願った。


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