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「分かった。一度だけ会ってあげる。といっても僕は選ばれるのを待つだけだし、他の人に選ばれたら断れないけど」
「それは大丈夫。相手はSランクで、オメガを選んだのは今回が初めてだから。このリボンを見える位置につけておいて欲しいってさ」
「ん、分かった」
モニター越しでも人違いだと気づくだろう。選ぶ・選ばないはアルファ側の自由。沢山のオメガの中からすぐに僕が候補だと判断してもらえるようにとリボンを受け取る。
当日はブラウスを着て、首につけておけばいいか。
渡されたのはかっちゃんの髪よりも少しだけ明るい緑色のリボンだった。
よく晴れた日に太陽の光を浴びたかっちゃんの髪の色とよく似ている。普段は暗めだけどお日様の元だと色を変えるんだ。
僕が二番目に大好きな色。一番はかっちゃんでも譲れない。銀色の、ユイさんの髪の色。
もう見ることは出来なくともきっとこの順位が生涯変わることはない。そのくらい初めて見たときから衝撃的だったのだ。
ああ、こんな綺麗な人いるんだって。一度抱かれたらあの色を忘れられるはずがない。
その日の夜に食事と一緒に出された避妊薬は今まで飲んだどんな薬よりも不味かった。毎年飲んでいるはずなのに。ここ数日、美味しい食事ばかり食べていたからかな。あまりの不味さに涙が溢れた。
他の誰かがユイさんの話をするのを聞きたくなかった。
だからかっちゃんの作業を手伝うことにした。
「手伝わせてごめん」
「いいよ。気にしないで」
かっちゃんは例のアルファのために、オメガの情報を集めるようになったのだ。そして一冊の本にまとめるのだと。個人で見ていると分からなくても、まとめてデータとして見れば新しく気づくこともあるんじゃないかと。
なんともかっちゃんらしい理由である。
二人でせっせと情報をまとめていると、次第に他のオメガが集まるようになった。
手伝うから、まとめ終わったものをコピーさせて欲しいと言うのだ。
施設の外に出れば、中の友人と再会することは難しい。だから彼らは卒業アルバムのようなものをほしがった。といっても写真だって残せないから、人物絵が得意な子がそれぞれの顔の絵を描いてくれた。
一年後にはそこそこの厚さのものが出来て、かっちゃんの二人で番選びの前に紙を折ってまとめていく。
製本作業なんて初めてだ。穴を開けて紐を通すだけだけど、スキンケアをする暇なんてないほど。大変だったけど、笑顔で受け取ってくれたから報われたような気分になった。
お手製アルバムを受け取ったオメガのうち、数日後に会えなくなる子は何人いるのだろう。
みんながアルバムを抱えていなくなってくれれば良いのに。
施設の外で、大事にされながら幸せに暮らしてくれれば良いのにと。そんな夢みたいなことを考えながら眠りに就いた。
今年は誰に選ばれるのか。
人違いなのは確実だが、去年かっちゃんを選んだ人に選ばれたらお土産でも持たされて返されるのだろう。そうして欲しいような、誰でもいいから抱いて欲しいような。大柴さんみたいな人だと一年間変に考え込んでしまいそうだよなぁと。
そんなことを思いながらリボンを結んで会場へと向かった。
発情剤を飲めばすぐに身体が熱くなる。
いつもよりも効きがいい。薬の成分が変わったのだろうか。黒服の腕の中に倒れ込めばそのまま意識を手放した。
「それは大丈夫。相手はSランクで、オメガを選んだのは今回が初めてだから。このリボンを見える位置につけておいて欲しいってさ」
「ん、分かった」
モニター越しでも人違いだと気づくだろう。選ぶ・選ばないはアルファ側の自由。沢山のオメガの中からすぐに僕が候補だと判断してもらえるようにとリボンを受け取る。
当日はブラウスを着て、首につけておけばいいか。
渡されたのはかっちゃんの髪よりも少しだけ明るい緑色のリボンだった。
よく晴れた日に太陽の光を浴びたかっちゃんの髪の色とよく似ている。普段は暗めだけどお日様の元だと色を変えるんだ。
僕が二番目に大好きな色。一番はかっちゃんでも譲れない。銀色の、ユイさんの髪の色。
もう見ることは出来なくともきっとこの順位が生涯変わることはない。そのくらい初めて見たときから衝撃的だったのだ。
ああ、こんな綺麗な人いるんだって。一度抱かれたらあの色を忘れられるはずがない。
その日の夜に食事と一緒に出された避妊薬は今まで飲んだどんな薬よりも不味かった。毎年飲んでいるはずなのに。ここ数日、美味しい食事ばかり食べていたからかな。あまりの不味さに涙が溢れた。
他の誰かがユイさんの話をするのを聞きたくなかった。
だからかっちゃんの作業を手伝うことにした。
「手伝わせてごめん」
「いいよ。気にしないで」
かっちゃんは例のアルファのために、オメガの情報を集めるようになったのだ。そして一冊の本にまとめるのだと。個人で見ていると分からなくても、まとめてデータとして見れば新しく気づくこともあるんじゃないかと。
なんともかっちゃんらしい理由である。
二人でせっせと情報をまとめていると、次第に他のオメガが集まるようになった。
手伝うから、まとめ終わったものをコピーさせて欲しいと言うのだ。
施設の外に出れば、中の友人と再会することは難しい。だから彼らは卒業アルバムのようなものをほしがった。といっても写真だって残せないから、人物絵が得意な子がそれぞれの顔の絵を描いてくれた。
一年後にはそこそこの厚さのものが出来て、かっちゃんの二人で番選びの前に紙を折ってまとめていく。
製本作業なんて初めてだ。穴を開けて紐を通すだけだけど、スキンケアをする暇なんてないほど。大変だったけど、笑顔で受け取ってくれたから報われたような気分になった。
お手製アルバムを受け取ったオメガのうち、数日後に会えなくなる子は何人いるのだろう。
みんながアルバムを抱えていなくなってくれれば良いのに。
施設の外で、大事にされながら幸せに暮らしてくれれば良いのにと。そんな夢みたいなことを考えながら眠りに就いた。
今年は誰に選ばれるのか。
人違いなのは確実だが、去年かっちゃんを選んだ人に選ばれたらお土産でも持たされて返されるのだろう。そうして欲しいような、誰でもいいから抱いて欲しいような。大柴さんみたいな人だと一年間変に考え込んでしまいそうだよなぁと。
そんなことを思いながらリボンを結んで会場へと向かった。
発情剤を飲めばすぐに身体が熱くなる。
いつもよりも効きがいい。薬の成分が変わったのだろうか。黒服の腕の中に倒れ込めばそのまま意識を手放した。
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