嘘の日の言葉を信じてはいけない

斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中

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「っざけんな。そんなに去年の相手が良かったのかよ」

 ユッサユッサと身体を揺られながら意識が浮上してきた。向かい合うように抱かれているので、瞼を開くとご立腹なユイさんと目があった。

「起きなくても良かったのに」
 ユイさんはムスッとした声を出しながらも腰を止めることはない。

 普段よりも強引に、ズンズンと奥へと進んでいく。
 いつも体中を触れてくれる優しい手は痕が残りそうなほどに強く僕の腰を掴んでいる。

 ユイさんはもう何度も果てたらしく、すでに腹の中には沢山の白濁が溜まっている。

 通常、オメガは中に出された精をすぐに吸収してしまう。
 これこそベータ女性・アルファ女性よりも妊娠率が高い理由である。ユイさんは吸収しきれないほど短時間に大量に精を吐き出したと言うわけだ。それだけ溜まっていたのだろう。

 以前、こういう行為を行うのは番選びの時だけだと言っていた。今でも変わらずそのルールを守っているのだろう。

 去年の子と身体の相性が悪かったのかな。僕の方が気持ちいいから戻ってくれた? だったら嬉しい。

 けどユイさんが求めているのは僕であって僕でない。気持ち良くなれれば相手は誰でもいいのだろう。この快楽を今日だけでも逃したくなくて、必死で彼の熱を捉えようとする。

 達して達して。
 ふと服と一緒に投げ捨てられたリボンが視界の端に入った。太陽の下にいる時のかっちゃんと同じ色のリボン。けれど今は白濁で汚れている。

 かっちゃんは今、どんな人と会っているのだろう。いい人だといいな。そう思うとツウっと涙が伝った。

「俺相手じゃ泣くほど嫌なのか。去年の相手がいいのか……」

 ユイさんは独り言のように呟く。
 けれど選ばなかったのは僕じゃない。僕には初めから選ぶ権利なんてない。去年の僕を選んだのは少し変わったアルファの大柴さんだった。

 けれどもし選んだのが大柴さんみたいな人ではなくて、本気で番を作ろうと思った人だったとしたら、僕は今頃ここにいない。

 ユイさんだって番選びに参加している以上、このルールを理解しているはずだ。理解していて、ユイさんは僕を選ばなかった。他のアルファに渡してもいいと思ったのだ。

 ポツリポツリと涙を落とすユイさんの髪を撫で、キスをする。
 少しでも僕の気持ちが伝わって欲しくて、けれど口になんて出せなくて。穴の中で大きくなった屹立をきゅうっと抱き締めるのだった。
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