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十九話 皇帝3
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「……どこに行った」
これまでのことを思い返していたルーファスは、ふと、後ろからついてきた足音が消えていることに気がついた。
振り返れば、どこまでも続く廊下だけが目の前に広がっている。
輝く瞳も、灰色の髪も、どこにも見当たらない。
自らを妃だ妻だと言い、帰る気はないと言い張った彼女の姿はどこにもない。
「どうしてこの短時間でいなくなれるんだ……」
もしもあの時毒について言及していれば、ヴィルヘルムも彼女を送り返すことに協力してくれたかもしれない。
そうすれば、消えた彼女を探す羽目にはならなかったかもしれない。
「いや、無理か」
当てもなく廊下を歩きながら、ヴィルヘルムの頑固さを思い出してため息をつく。
毒姫だと彼女が名乗っても、ヴィルヘルムの顔色は変わらなかった。おそらく、まあいいかとでも思ったのだろう。
結婚する前であれば一考の余地はあったかもしれないが、書類に署名したのを撤回することになれば色々と都合が悪くなる。
ルーファスとヴィルヘルムはある意味付き合いが長い。変なところで頑固で、変なところで緩いことをルーファスは知っていた。
「……頭が痛くなる」
距離を詰めてこようとする彼女と、皇帝になりたくないからとルーファスに玉座を押しつけたヴィルヘルム。
またも痛みそうになる頭を手で押さえながらふと外を見て――そこにある光景に目を疑った。
「あいつは……何をしているんだ」
高い木の上にいる彼女の姿に、ルーファスの頭が本格的に痛くなった。
これまでのことを思い返していたルーファスは、ふと、後ろからついてきた足音が消えていることに気がついた。
振り返れば、どこまでも続く廊下だけが目の前に広がっている。
輝く瞳も、灰色の髪も、どこにも見当たらない。
自らを妃だ妻だと言い、帰る気はないと言い張った彼女の姿はどこにもない。
「どうしてこの短時間でいなくなれるんだ……」
もしもあの時毒について言及していれば、ヴィルヘルムも彼女を送り返すことに協力してくれたかもしれない。
そうすれば、消えた彼女を探す羽目にはならなかったかもしれない。
「いや、無理か」
当てもなく廊下を歩きながら、ヴィルヘルムの頑固さを思い出してため息をつく。
毒姫だと彼女が名乗っても、ヴィルヘルムの顔色は変わらなかった。おそらく、まあいいかとでも思ったのだろう。
結婚する前であれば一考の余地はあったかもしれないが、書類に署名したのを撤回することになれば色々と都合が悪くなる。
ルーファスとヴィルヘルムはある意味付き合いが長い。変なところで頑固で、変なところで緩いことをルーファスは知っていた。
「……頭が痛くなる」
距離を詰めてこようとする彼女と、皇帝になりたくないからとルーファスに玉座を押しつけたヴィルヘルム。
またも痛みそうになる頭を手で押さえながらふと外を見て――そこにある光景に目を疑った。
「あいつは……何をしているんだ」
高い木の上にいる彼女の姿に、ルーファスの頭が本格的に痛くなった。
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