54 / 1,656
閑話 王の休日
しおりを挟む
「噓を付いて報酬をもらいたいだけなのでは?」
目の前の男、財務部部長ハンス・エイガ―がそう言った。
先程アストレイが王城に到着し緊急の会見を申し出てきて、その話を聞いた俺は褒美を出すべきと判断してそのことを告げるべく呼んだのだが。
「貴殿何を言っている?アズエル候が噓の報告を私にしていると?そう言っているのか?」
この男ハンスは昔からアストレイに対してあまりいい感情を持ってはいなかった。
ただ私情と仕事の分別があったので放置していたがさすがにこれは頂けない。
「そうではありません、きちんとした証拠がないと国庫を預かる者として納得出来ないと申しているのです」
「陛下・・・褒美に関しては後でもよろしいと思います。彼女はそういう小さいことをを気にする人間ではありませんから」
アストレイが声をかけてくる。
アストレイよそれは間接的に『お前は小さなことを言っている奴』と言っているぞ?
「わかった、下がれ」
今はもうこんな男の顔を見たくはない。
ハンスが下がった後アストレイとの話を再開する。
「あれはかなりひどくなったな」
「俺が侯爵家を継いだのが気にくわんのだろう」
ハンスも侯爵家の長男だが親がまだ現役でしかもかなり優秀な為に家督を譲れとも言えずアストレイに劣等感をいだいているのだろう。
しかしそれよりも今は褒美の事だ、国の危機を事前に潰したものに褒美を与えないのではこれから先率先して行動を起こすものがいなくなる可能性がある・・・・なにより俺がそれをしたくない。
私財から出すか・・・・・なら城に呼ぶわけにはいかんな・・・あそこに連れてきてもらうか。
「アストレイ、明日あそこにそのものを連れてこい、もちろんエレメンタルウルフもな」
店に入ってきたのは黒髪をなびかせなながら入ってきた少女。
本当にこの少女がと思ったが、来てもらったいきさつを説明し詫びる。
そして何か望むものがないかを尋ねると予想外の答え。
「何もいらないよ、褒美がほしくてやった訳じゃないしね、むしろ天敵を殲滅することしか考えてなかったし」
「天敵の殲滅?何の話だ?」
話を聞いて呆れと驚きが胸の内をしめる。
嫌いだからと殲滅したという呆れ、そしてそれができる実力、この者はかなり面白い。
「話は分かったが王都を救ってくれたことには違いない、なのでは何か望むものはあるか?」
その言葉は何度も使われた言葉・・・この言葉を聞いたものは目の色を変え地位・お金・コネなどを望む者が多い・・・この者は何と答えるのだろうか。
試すように悩む彼女をみていると、またも予想外の言葉。
「なら一つお願い事がある」
「なんだね?」
「お城の中の見学がしたい」
城の見学?なにを言ってる?
「あたし今王都の色んな所観光中なんだけど王城って関係者しか入れないじゃん?だから見学させてもらえればうれしいかなって」
この少女は本気で言っている・・・・くくく!気に入った!!
この少女には地位も金も興味がないのだ!!久々にこういう人間にあった。
【王】となった時・・・摺り寄ってくる奴はその欲望をか叶えようとするものが大半だった。
アストレイとかは例外でそういう例外は本当に少なかった。
「ははははは!!気に入った!その願いかなえよう!あと俺との会話に敬語はいらん!おれはお前が気にいった!」
「そりゃどうも」
そして少し話をしてから少女と別れ城に戻り、アストレイと酒を酌み交わしている。
「あの少女は面白かったな久々に心から笑ったぞ?」
「あいつは裏表がないからな、お前のような【仕事】をしてれば眩しいいくらいだろう?」
「くくく!確かに眩しかったな」
「あとあいつは面倒見がいいぞ?」
アストレイが語るアズエルギルドの事、そして盗賊の襲われた子供たちの事。語られた話にますます少女・・・レンの事が気に入り・・本心から褒美をあたえたくなった。
が・・・彼女はあれ以上の褒美を望まないだろうな・・・どうすべきか・・・
「ケイン様・・・お話し中ですが少しよろしいでしょうか?」
声をかけて来たのは後ろで控えていた王宮メイド長のエルス・ジェネ50歳だった。
目の前の男、財務部部長ハンス・エイガ―がそう言った。
先程アストレイが王城に到着し緊急の会見を申し出てきて、その話を聞いた俺は褒美を出すべきと判断してそのことを告げるべく呼んだのだが。
「貴殿何を言っている?アズエル候が噓の報告を私にしていると?そう言っているのか?」
この男ハンスは昔からアストレイに対してあまりいい感情を持ってはいなかった。
ただ私情と仕事の分別があったので放置していたがさすがにこれは頂けない。
「そうではありません、きちんとした証拠がないと国庫を預かる者として納得出来ないと申しているのです」
「陛下・・・褒美に関しては後でもよろしいと思います。彼女はそういう小さいことをを気にする人間ではありませんから」
アストレイが声をかけてくる。
アストレイよそれは間接的に『お前は小さなことを言っている奴』と言っているぞ?
「わかった、下がれ」
今はもうこんな男の顔を見たくはない。
ハンスが下がった後アストレイとの話を再開する。
「あれはかなりひどくなったな」
「俺が侯爵家を継いだのが気にくわんのだろう」
ハンスも侯爵家の長男だが親がまだ現役でしかもかなり優秀な為に家督を譲れとも言えずアストレイに劣等感をいだいているのだろう。
しかしそれよりも今は褒美の事だ、国の危機を事前に潰したものに褒美を与えないのではこれから先率先して行動を起こすものがいなくなる可能性がある・・・・なにより俺がそれをしたくない。
私財から出すか・・・・・なら城に呼ぶわけにはいかんな・・・あそこに連れてきてもらうか。
「アストレイ、明日あそこにそのものを連れてこい、もちろんエレメンタルウルフもな」
店に入ってきたのは黒髪をなびかせなながら入ってきた少女。
本当にこの少女がと思ったが、来てもらったいきさつを説明し詫びる。
そして何か望むものがないかを尋ねると予想外の答え。
「何もいらないよ、褒美がほしくてやった訳じゃないしね、むしろ天敵を殲滅することしか考えてなかったし」
「天敵の殲滅?何の話だ?」
話を聞いて呆れと驚きが胸の内をしめる。
嫌いだからと殲滅したという呆れ、そしてそれができる実力、この者はかなり面白い。
「話は分かったが王都を救ってくれたことには違いない、なのでは何か望むものはあるか?」
その言葉は何度も使われた言葉・・・この言葉を聞いたものは目の色を変え地位・お金・コネなどを望む者が多い・・・この者は何と答えるのだろうか。
試すように悩む彼女をみていると、またも予想外の言葉。
「なら一つお願い事がある」
「なんだね?」
「お城の中の見学がしたい」
城の見学?なにを言ってる?
「あたし今王都の色んな所観光中なんだけど王城って関係者しか入れないじゃん?だから見学させてもらえればうれしいかなって」
この少女は本気で言っている・・・・くくく!気に入った!!
この少女には地位も金も興味がないのだ!!久々にこういう人間にあった。
【王】となった時・・・摺り寄ってくる奴はその欲望をか叶えようとするものが大半だった。
アストレイとかは例外でそういう例外は本当に少なかった。
「ははははは!!気に入った!その願いかなえよう!あと俺との会話に敬語はいらん!おれはお前が気にいった!」
「そりゃどうも」
そして少し話をしてから少女と別れ城に戻り、アストレイと酒を酌み交わしている。
「あの少女は面白かったな久々に心から笑ったぞ?」
「あいつは裏表がないからな、お前のような【仕事】をしてれば眩しいいくらいだろう?」
「くくく!確かに眩しかったな」
「あとあいつは面倒見がいいぞ?」
アストレイが語るアズエルギルドの事、そして盗賊の襲われた子供たちの事。語られた話にますます少女・・・レンの事が気に入り・・本心から褒美をあたえたくなった。
が・・・彼女はあれ以上の褒美を望まないだろうな・・・どうすべきか・・・
「ケイン様・・・お話し中ですが少しよろしいでしょうか?」
声をかけて来たのは後ろで控えていた王宮メイド長のエルス・ジェネ50歳だった。
205
あなたにおすすめの小説
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
転生小説家の華麗なる円満離婚計画
鈴木かなえ
ファンタジー
キルステン伯爵家の令嬢として生を受けたクラリッサには、日本人だった前世の記憶がある。
両親と弟には疎まれているクラリッサだが、異母妹マリアンネとその兄エルヴィンと三人で仲良く育ち、前世の記憶を利用して小説家として密かに活躍していた。
ある時、夜会に連れ出されたクラリッサは、弟にハメられて見知らぬ男に襲われそうになる。
その男を返り討ちにして、逃げ出そうとしたところで美貌の貴公子ヘンリックと出会った。
逞しく想像力豊かなクラリッサと、その家族三人の物語です。
【完結】男爵令嬢は冒険者生活を満喫する
影清
ファンタジー
英雄の両親を持つ男爵令嬢のサラは、十歳の頃から冒険者として活動している。優秀な両親、優秀な兄に恥じない娘であろうと努力するサラの前に、たくさんのメイドや護衛に囲まれた侯爵令嬢が現れた。「卒業イベントまでに、立派な冒険者になっておきたいの」。一人でも生きていけるようにだとか、追放なんてごめんだわなど、意味の分からぬことを言う令嬢と関わりたくないサラだが、同じ学園に入学することになって――。
※残酷な描写は予告なく出てきます。
※小説家になろう、アルファポリス、カクヨムに掲載中です。
※106話完結。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる