129 / 200
第4章 色々解決したい
129 ちょっとした自論がありまして
しおりを挟む
結局は前と同じ様な戦い方になりそうだな。
「じゃあ、俺が囮になります」
「それはダメだ!」
「そうよ! 危険よ!」
「ああ、容認出来ないな」
「無茶しないで!」
冒険者パーティーから総ダメ出しされた。
あっ、そうか。俺の絶対防御を知らないもんな。
まぁ、知ってても止められるとは思うけど。
ここは一つ、話を変えて誤魔化すか。
適当な作戦決めて、現場に行ったら飛び出して囮になれば良いだけだし。
「そちらのパーティーは仲が良いですね」
「えっ? そう見える? だとしたら嬉しいですよ」
「ん? どういう事です?」
「いや、昔は結構仲が悪くて。今は違うんだけど。
ほら夫婦2組だろ? お互いの夫婦で意見の相違があったりしてさ」
「あ~そういう事ですか。大丈夫です。今は仲が良いでしょ?」
「そうだが……。何故断言出来るんだ?」
いや、断言した訳じゃないけど……。
「いえ、ちょっとした自論がありまして」
「ほう? 聞かせてもらっても?」
「良いですよ」
あくまで俺の自論だと念押ししておく。
日本に居た頃、アイドルグループとか見てて思った事だし。
「グループ、いえ、パーティー内の仲を聞かれた場合の返し方で判断するんですけど。
まずは本当に仲が良い場合です。
過去仲が悪かった話をする。もしくは不在メンバーとの過去エピソードを話す」
「過去の事は判るけど、何故不在メンバー?」
「その場に居るメンバーだと、口裏合わせ出来るじゃないですか。
後日不在だったメンバーに喋った本人が居ない時にその時の話をしても、事実なら同じ内容を話すでしょ?」
「なるほど」
「次にちょっと仲が悪い場合。
仲は普通と答える。でも一緒に行動するメンバーは同じ。仕事中は協力する」
「ふむふむ」
「次に結構仲が悪い場合。
執拗に仲が良いアピールをする。でも具体的なエピソードが無い。もしくは話の内容が薄いか嘘くさい。
仕事でも、誰も見てないなら一緒に行動しない」
「……で?」
「完全に仲が悪い場合。
話もしない。アピールもしない。崩壊寸前。人前でも仲間をバカにする。
隠そうとしてるかもしれないが隠せない。暗そうな顔やイヤそうな顔をしてる。
1人だけ孤立してるなら、その人には喋らせない。その人は愛想笑いしてるし辛そう」
「…………なんか納得出来る話だな」
「……そうね。そういうパーティーを何組か見た事があるわ」
あっ、理解してもらえたようだ。
異世界でも人間関係は似ているらしい。
「これまでのはそのパーティーと話した場合です。
別で、そのパーティーを知っている人に噂を聞いた場合もあります」
「……一応聞こうかな」
アイドルと話をした事なんか無いんだけどね。
さすがに“テレビで見た印象”って言っても理解してもらえないので、会って話したという事にした。
そして噂話。日本ならネットとかで書かれているような事だ。
「本当に仲が良い場合、多少の仲の悪いエピソードが出てきますけど、個人対個人です。
ケンカしてる所を見たとかぐらいの話。でもそれは意見を出し合ってるだけ、みたいな。
少し仲が悪い場合、可もなく不可もないエピソードしか出ません。人前で言い争いはしませんので。
結構仲が悪い場合、仲が良い場合と似たようなエピソードが出てきます。
意図的にそういう風に世論を操作しようとしてるからです。でも内容は貶し合いです。
完全に仲が悪い場合、会話すらしないので、エピソードがありません。あっても結構昔の話ばかり」
「あ~、わかる~」
奥さんには理解してもらえた。
こういうのはやはり女性の方が得意だからだろうか?
「まぁそういう訳で、貴方達は仲が良いと判断した訳です」
「そうやって改めて言われると、なんか恥ずかしいな……」
「良いじゃないですか。悪いより良い方が良いですよ。特に命がかかってる仕事ですし」
命の心配の無いアイドルグループでもそうなのだ。
まぁ給料に関係してくるし、いじめの場合は脱退、最悪自ら命を絶つ可能性もあるけど。
「じゃあ、作戦も決まったし、行きましょうか」
「そうだな……って、いやいや。何も決まってませんって!」
ちっ。誤魔化せなかったか。
「じゃあ、俺が囮になります」
「それはダメだ!」
「そうよ! 危険よ!」
「ああ、容認出来ないな」
「無茶しないで!」
冒険者パーティーから総ダメ出しされた。
あっ、そうか。俺の絶対防御を知らないもんな。
まぁ、知ってても止められるとは思うけど。
ここは一つ、話を変えて誤魔化すか。
適当な作戦決めて、現場に行ったら飛び出して囮になれば良いだけだし。
「そちらのパーティーは仲が良いですね」
「えっ? そう見える? だとしたら嬉しいですよ」
「ん? どういう事です?」
「いや、昔は結構仲が悪くて。今は違うんだけど。
ほら夫婦2組だろ? お互いの夫婦で意見の相違があったりしてさ」
「あ~そういう事ですか。大丈夫です。今は仲が良いでしょ?」
「そうだが……。何故断言出来るんだ?」
いや、断言した訳じゃないけど……。
「いえ、ちょっとした自論がありまして」
「ほう? 聞かせてもらっても?」
「良いですよ」
あくまで俺の自論だと念押ししておく。
日本に居た頃、アイドルグループとか見てて思った事だし。
「グループ、いえ、パーティー内の仲を聞かれた場合の返し方で判断するんですけど。
まずは本当に仲が良い場合です。
過去仲が悪かった話をする。もしくは不在メンバーとの過去エピソードを話す」
「過去の事は判るけど、何故不在メンバー?」
「その場に居るメンバーだと、口裏合わせ出来るじゃないですか。
後日不在だったメンバーに喋った本人が居ない時にその時の話をしても、事実なら同じ内容を話すでしょ?」
「なるほど」
「次にちょっと仲が悪い場合。
仲は普通と答える。でも一緒に行動するメンバーは同じ。仕事中は協力する」
「ふむふむ」
「次に結構仲が悪い場合。
執拗に仲が良いアピールをする。でも具体的なエピソードが無い。もしくは話の内容が薄いか嘘くさい。
仕事でも、誰も見てないなら一緒に行動しない」
「……で?」
「完全に仲が悪い場合。
話もしない。アピールもしない。崩壊寸前。人前でも仲間をバカにする。
隠そうとしてるかもしれないが隠せない。暗そうな顔やイヤそうな顔をしてる。
1人だけ孤立してるなら、その人には喋らせない。その人は愛想笑いしてるし辛そう」
「…………なんか納得出来る話だな」
「……そうね。そういうパーティーを何組か見た事があるわ」
あっ、理解してもらえたようだ。
異世界でも人間関係は似ているらしい。
「これまでのはそのパーティーと話した場合です。
別で、そのパーティーを知っている人に噂を聞いた場合もあります」
「……一応聞こうかな」
アイドルと話をした事なんか無いんだけどね。
さすがに“テレビで見た印象”って言っても理解してもらえないので、会って話したという事にした。
そして噂話。日本ならネットとかで書かれているような事だ。
「本当に仲が良い場合、多少の仲の悪いエピソードが出てきますけど、個人対個人です。
ケンカしてる所を見たとかぐらいの話。でもそれは意見を出し合ってるだけ、みたいな。
少し仲が悪い場合、可もなく不可もないエピソードしか出ません。人前で言い争いはしませんので。
結構仲が悪い場合、仲が良い場合と似たようなエピソードが出てきます。
意図的にそういう風に世論を操作しようとしてるからです。でも内容は貶し合いです。
完全に仲が悪い場合、会話すらしないので、エピソードがありません。あっても結構昔の話ばかり」
「あ~、わかる~」
奥さんには理解してもらえた。
こういうのはやはり女性の方が得意だからだろうか?
「まぁそういう訳で、貴方達は仲が良いと判断した訳です」
「そうやって改めて言われると、なんか恥ずかしいな……」
「良いじゃないですか。悪いより良い方が良いですよ。特に命がかかってる仕事ですし」
命の心配の無いアイドルグループでもそうなのだ。
まぁ給料に関係してくるし、いじめの場合は脱退、最悪自ら命を絶つ可能性もあるけど。
「じゃあ、作戦も決まったし、行きましょうか」
「そうだな……って、いやいや。何も決まってませんって!」
ちっ。誤魔化せなかったか。
77
あなたにおすすめの小説
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?
ばふぉりん
ファンタジー
中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!
「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」
「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」
これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。
<前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです>
注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。
(読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる