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第20話 秘密~きっかけ編~
秘密~きっかけ編~
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「くそっ!何が客だ!!うろちょろ嗅ぎ周りやがって!!」
ペっ!と唾を吐いて毒をついたのは、無精髭を生やした男。手には、長年使われたと思われるシャベル。
その先端には、先程ついたばかりである、赤い液体がポタリ、ポタリと滴り落ちていた。
男の足元には、茶色のコートを羽織った人物が、頭から血を流し地面に倒れたままピクリとも動かなかった。男はその人物の、コートのポケットを、何の躊躇いもなくさばくると、左のポケットから手帳を取り出し、まるで私物であるかのようにペラリと中身を見た。
「探偵だと…!?この!!野郎!!!」
男は怒り任せに、既に動かないそれに向かってシャベルを振り下ろした。
ゴン!!
という鈍い音…………。
頭が凹んだのだと、専門家でなくても助からないと、わかるような音であった。
「金額もちっとも足しにならねぇし……使えねぇ…!」
「………随分と荒れているな。」
「っ!?誰だ!?」
そんな、噛み付くような声と共に男は目をぎらりと光らせて、勢いよく振り返った。しかし、その現れた人物を見て、すぐに顔色を変えて、まるで化け物にでも遭遇したかのように呆然と立ち尽くす。
サラリとした金髪。
暗闇のせいで顔は分からないが、その人はポケットに手を入れながら、男に近づき、近くにあった遺体をなんの躊躇いもなく足で転がして退かした。
「な……………なぜ、あなた様がこちらに…!?」
「なぜ…………と聞かれてもな。先月からの支払いがまだだから出向いてやっただけだ。お前は、俺の部下が言っても無駄だとわかったからな……。おっと……すまない。もう月が変わってるから先々月だったな……。」
顎に手をやりながらまるで独り言のように話した男に、無精髭の男は顔を真っ青にさせると、ガバッ!!と頭を地面に擦り付けるかのように頭を下げる。
その土下座を、見下すその人は何も喋らず次の言葉を待っていた。
「も、申し訳ありません!!資金がまだ足りておらず……今月には必ず、まとめて支払います!!どうか…!どうかもう少しだけお待ちください!!必ず集めます!!」
「………そろそろ、お前のその言い訳にも飽きてきた。今月末迄だ。それまでに用意出来なかったら………分かっているな…?」
鋭く光る眼光。
無精髭の男は、それを確認せずともブルリと身震いをしたが、すぐに口を開いた。
「分かっております!必ず!!支払います!!」
「………万が一これが警察にバレてみろ。俺は今後の場所も提供はしない。それどころか、お前の素性をそこに転がっているやつも提示して、警察に届け出る。」
それだけ言い残した男は、踵を返して立ち去った。
バタン。
と扉が閉められると、無精髭の男はギリッ!と地面を引っ掻くかのように力を込める。
「もっとだ…………もっと集めなければ……!経営を続ける為にも…!」
なにかに洗脳されているかのように、男は声を絞り出して呟いた………。
ペっ!と唾を吐いて毒をついたのは、無精髭を生やした男。手には、長年使われたと思われるシャベル。
その先端には、先程ついたばかりである、赤い液体がポタリ、ポタリと滴り落ちていた。
男の足元には、茶色のコートを羽織った人物が、頭から血を流し地面に倒れたままピクリとも動かなかった。男はその人物の、コートのポケットを、何の躊躇いもなくさばくると、左のポケットから手帳を取り出し、まるで私物であるかのようにペラリと中身を見た。
「探偵だと…!?この!!野郎!!!」
男は怒り任せに、既に動かないそれに向かってシャベルを振り下ろした。
ゴン!!
という鈍い音…………。
頭が凹んだのだと、専門家でなくても助からないと、わかるような音であった。
「金額もちっとも足しにならねぇし……使えねぇ…!」
「………随分と荒れているな。」
「っ!?誰だ!?」
そんな、噛み付くような声と共に男は目をぎらりと光らせて、勢いよく振り返った。しかし、その現れた人物を見て、すぐに顔色を変えて、まるで化け物にでも遭遇したかのように呆然と立ち尽くす。
サラリとした金髪。
暗闇のせいで顔は分からないが、その人はポケットに手を入れながら、男に近づき、近くにあった遺体をなんの躊躇いもなく足で転がして退かした。
「な……………なぜ、あなた様がこちらに…!?」
「なぜ…………と聞かれてもな。先月からの支払いがまだだから出向いてやっただけだ。お前は、俺の部下が言っても無駄だとわかったからな……。おっと……すまない。もう月が変わってるから先々月だったな……。」
顎に手をやりながらまるで独り言のように話した男に、無精髭の男は顔を真っ青にさせると、ガバッ!!と頭を地面に擦り付けるかのように頭を下げる。
その土下座を、見下すその人は何も喋らず次の言葉を待っていた。
「も、申し訳ありません!!資金がまだ足りておらず……今月には必ず、まとめて支払います!!どうか…!どうかもう少しだけお待ちください!!必ず集めます!!」
「………そろそろ、お前のその言い訳にも飽きてきた。今月末迄だ。それまでに用意出来なかったら………分かっているな…?」
鋭く光る眼光。
無精髭の男は、それを確認せずともブルリと身震いをしたが、すぐに口を開いた。
「分かっております!必ず!!支払います!!」
「………万が一これが警察にバレてみろ。俺は今後の場所も提供はしない。それどころか、お前の素性をそこに転がっているやつも提示して、警察に届け出る。」
それだけ言い残した男は、踵を返して立ち去った。
バタン。
と扉が閉められると、無精髭の男はギリッ!と地面を引っ掻くかのように力を込める。
「もっとだ…………もっと集めなければ……!経営を続ける為にも…!」
なにかに洗脳されているかのように、男は声を絞り出して呟いた………。
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