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42話
しおりを挟むベルン様に変な噂を流された、という話を聞いてから4日間が経過しました。
今日は休日、ということは私の婚約者候補の人と会う日。
そしてお兄様の婚約者も家に来る日ですわ。
はぁ......なんで日にちが被ってしまうのか、と思いましたが2人とも隣国から来ていますし仕方ありませんわよね。
一応、私の方も家に来てくれるともことで私が午前中、お兄様が夕方ごろ、という予定になっています。
こんなに立て続けに来客があることなんて滅多にありませんので、今日のメイド達はなんだか慌ただしく動いていますわ。
忙しい中、私の準備も入念にしてくれるメイド達には頭が上がりませんわね。
お兄様の婚約者のことも気になりますし........。
どんな人なんでしょう?
真面目で綺麗な人でしょうか?
それとも私とは違って可愛げのある、甘え上手な方なんでしょうか?
どちらにしても、お兄様と堂々とイチャイチャしていられる、という権利を持っているだけでも羨ましいで.......いや、そんなことを思ってはいけませんわよね。
そんなことを考えているうちに、私の準備が終わって
「お嬢様、素敵ですよ」
というメイドの声でハッと我に返りましたわ。
私は今婚約者になる可能性がある人と会うんです。
お兄様のことを考えている暇なんてないんですわ。
そう自分に言い聞かせながら、
「ありがとう」
とメイドにお礼を言って鏡を見ると、普段の私よりも、あからさまに気合の入ったメイク、髪型、そしてドレスを着ている姿が目に入ってきました。
淡いオレンジ色のドレスに白の花の刺繍がされていて、髪の毛はハーフアップで綺麗に巻かれています。
パーティーの時以外は装飾なんて付けないのに、今日はブレスレットもネックレスもしっかりとついていますわ。
それがまた、今日は特別な日なんだ、という思いにさせます。
ですが今はそれが億劫ですわ。
別に名前でなんとなく決めた相手だというのに、こんなに気合を入れるなんて........。
鏡で見た自分の姿に、ついため息をついていると、私の着替えを手伝ってくれたメイドが不安そうに
「お気に召しませんでしたか?」
と私に聞いてきました。
そうですわよね。
このタイミングでため息なんてつかれると自分のメイクか何か悪かったのでは?と不安になってしまいますわ。
これはメイドに悪いことをしてしまいました。
なのでメイドにニッコリと微笑んで
「違うの、凄く綺麗だわ」
そう言いましたが、やっぱり何か不安げな顔をしています。
申し訳ないですわ.......。
本当にメイドがやってくれたことは完璧でしたの。
でも、自分の今の心境のせいでなんだか気分が落ちてしまいましたの。
流石にメイドにそんなことは言えませんけどね。
ふっ、と笑った私の顔を見てメイドは
「す、すみません!どこが嫌でしたか?すぐに直します!」
と慌てて片付けたはずのメイク道具を準備してしまったので
「本当に大丈夫ですわ」
そう言って止めると、不服そうですがなんとか頷いてくれましたわ。
はぁ.....切り替えないとですわよね。
こんな気持ちで他の人と会うなんて失礼ですもの。
そう思いながら、深い深い深呼吸をして目を瞑りました。
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