ハーレムエンドを迎えましたが、ヒロインは誰を選ぶんでしょうね?

榎夜

文字の大きさ
8 / 40

7話 リディアside

しおりを挟む

私の元婚約者は自分が頭がいい、ということを信じて疑わない人でした。

確かに成績は優秀だし、次期宰相と言われるほど頭の回転も早いです。

でも、私はどうしてもユリアス様のことを好きになれませんでした。

理由は簡単です。

あの人は自分より頭の悪い人を見下す癖があるからです。

私は元々勉強するのが好きで、本を読むのが趣味なんですが、少しでも難しい本を読んでいると

「ふん!お前のようなバカが内容を理解できるわけがないだろう?」

という嫌味だけ残して立ち去っていくんです。

私はユリアス様よりは勉強が出来ないかもしれません。

ですが、一応テストでは常にトップ5に入るくらいには勉強をしています。

まぁ、ユリアス様からしたら自分が1位なのか2位なのか、ということしか興味はありませんから、知らなくても仕方ないですよね。

そう言い聞かせながらユリアス様の婚約者として頑張ってきました。

今のでわかるとは思いますが、私はユリアス様が好きではありません。

ハッキリと言うと嫌いです。

しんどいなぁって思っていたんですよね。

だから婚約破棄をされたときは涙を流すほど喜びましたよ。

これで、ユリアス様と関わらなくても済む、と思うとホッとしました。


でも、卒業パーティーのときは思わず飛びかかりそうになりましたわ。

だって、マリアンヌ様に冤罪を着せたくせて、殿下の後ろでニヤニヤしているんですもの。

マリアンヌ様は素晴らしい方です。

優しくて、マナーも完璧で、頭もいい。

それに加え、美人さんです。

私だけではなく、沢山の人がマリアンヌ様を尊敬し、慕っていました。

そして、マリアンヌ様はあの卒業パーティーのとき、自分が断罪されることを知っていました。

私達は言われたんです。

「私は冤罪を着せられ、この国に居られなくなると思いますが、どうか止めないでください。私はこれ以上縛られたくないんです」

と。

それを聞いて、誰がマリアンヌ様を引き止めることが出来るのでしょう。

完璧だと思っていたマリアンヌ様が見せた最初で最後の弱音でした。

卒業後、私は学園長から声がけがあって、教師になりました。

実は私はユリアス様との婚約がなくなってから、ずっと教師になりたくて担任の先生に相談していたんです。

それが、こんなにすぐ叶うとは思いませんでしたわ。





いつも通り、廊下を歩いていると1人の生徒が話しかけてきました。

この子は一つ歳下の幼馴染で、私にとても懐いてくれている、まぁ、妹みたいな存在なんです。

楽しく話をしていると、誰かがいつの間にか後ろに来ていて

「リディア.........」

と呟いたのが聞こえてきました。

私を呼び捨てにする人なんて、家族以外ならユリアス様しかいませんよね。

そう思って振り返ると、思った通りユリアス様が戸惑いの表情を浮かべて立っていました。

「御機嫌よう、バーラス侯爵子息様。どういった用件でしょうか?」

私と貴方はもう他人ですよ。

呼び方も考えてもらいたいですわね。

その意味も兼ねて、あえてこんな呼び方をしました。

すると、それに気付いたのか少し気まずそうな顔をしながら

「......最近、マリアンヌ様は冤罪だという噂を聞いた。真実を知っているんじゃないか、と思って.........」

ユリアス様はそう言いました。

......今更ですね。

今まで私が何を言ってもアリスさんの話以外は聞き入れなかったくせに、今更そんなことを聞いて何をしたいんでしょうか?

そう思って

「えぇ、勿論知っていますよ。ですが、それを知ってどうするのです?」

と聞いてみました。

その内容によっては私は関わりたくないので。

すると、ユリアス様は

「そ、それは......」

と言って、その先を言おうとしません。

本当に何がしたいんでしょう?

はぁ...とため息をついてから

「教えてあげてもいいですが、マリアンヌ様の冤罪を全員に証明すると約束してください。それが出来ないなら情報の提供も、手助けすることも出来ません」

私がそう言うと、ユリアス様は顔を明るくして

「わ、わかった!必ずマリアンヌ様の無罪を公表してみせる!だから教えてくれ......っ!」

と頼んできました。

多分、ユリアス様はマリアンヌ様の冤罪を公表し、全ての責任を殿下に押し付けて自分の立場を守ろうと考えているんでしょうね。

私としては殿下がどうなろうと、ユリアス様がどうなろうと興味がありません。

ただ、何も知らない貴族達がマリアンヌ様のことを悪く言っているのは不愉快です。

それを払拭できるのでしたら、嫌いなユリアス様ですが、手を貸しましょう。

マリアンヌ様の為に、とは言いません。

だって、これは私の自己満足ですもの。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クリスティーヌの本当の幸せ

宝月 蓮
恋愛
ニサップ王国での王太子誕生祭にて、前代未聞の事件が起こった。王太子が婚約者である公爵令嬢に婚約破棄を突き付けたのだ。そして新たに男爵令嬢と婚約する目論見だ。しかし、そう上手くはいかなかった。 この事件はナルフェック王国でも話題になった。ナルフェック王国の男爵令嬢クリスティーヌはこの事件を知り、自分は絶対に身分不相応の相手との結婚を夢見たりしないと決心する。タルド家の為、領民の為に行動するクリスティーヌ。そんな彼女が、自分にとっての本当の幸せを見つける物語。 小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~

キョウキョウ
恋愛
リムピンゼル公爵家の令嬢であるコルネリアはある日突然、ヘルベルト王子から婚約を破棄すると告げられた。 その瞬間にコルネリアは、処刑されてしまった数々の未来を見る。 絶対に死にたくないと思った彼女は、婚約破棄を快く受け入れた。 今後は彼らに目をつけられないよう、田舎に引きこもって地味に暮らすことを決意する。 それなのに、王子の周りに居た人達が次々と私に求婚してきた!? ※カクヨムにも掲載中の作品です。

[完結]不実な婚約者に「あんたなんか大っ嫌いだわ」と叫んだら隣国の公爵令息に溺愛されました

masato
恋愛
アリーチェ・エストリアはエスト王国の筆頭伯爵家の嫡女である。 エストリア家は、建国に携わった五家の一つで、エストの名を冠する名家である。 エストの名を冠する五家は、公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家に別れ、それぞれの爵位の家々を束ねる筆頭とされていた。 それ故に、エストの名を冠する五家は、爵位の壁を越える特別な家門とされていた。 エストリア家には姉妹しかおらず、長女であるアリーチェは幼い頃から跡取りとして厳しく教育を受けて来た。 妹のキャサリンは母似の器量良しで可愛がられていたにも関わらず。 そんな折、侯爵家の次男デヴィッドからの婿養子への打診が来る。 父はアリーチェではなくデヴィッドに爵位を継がせると言い出した。 釈然としないながらもデヴィッドに歩み寄ろうとするアリーチェだったが、デヴィッドの態度は最悪。 その内、デヴィッドとキャサリンの恋の噂が立ち始め、何故かアリーチェは2人の仲を邪魔する悪役にされていた。 学園内で嫌がらせを受ける日々の中、隣国からの留学生リディアムと出会った事で、 アリーチェは家と国を捨てて、隣国で新しい人生を送ることを決める。

悪役令嬢に転生!?わたくし取り急ぎ王太子殿下との婚約を阻止して、婚約者探しを始めますわ

春ことのは
恋愛
深夜、高熱に魘されて目覚めると公爵令嬢エリザベス・グリサリオに転生していた。 エリザベスって…もしかしてあのベストセラー小説「悠久の麗しき薔薇に捧ぐシリーズ」に出てくる悪役令嬢!? この先、王太子殿下の婚約者に選ばれ、この身を王家に捧げるべく血の滲むような努力をしても、結局は平民出身のヒロインに殿下の心を奪われてしまうなんて… しかも婚約を破棄されて毒殺? わたくし、そんな未来はご免ですわ! 取り急ぎ殿下との婚約を阻止して、わが公爵家に縁のある殿方達から婚約者を探さなくては…。 __________ ※2023.3.21 HOTランキングで11位に入らせて頂きました。 読んでくださった皆様のお陰です! 本当にありがとうございました。 ※お気に入り登録やしおりをありがとうございます。 とても励みになっています! ※この作品は小説家になろう様にも投稿しています。

断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる

葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。 アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。 アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。 市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。

【完結済】監視される悪役令嬢、自滅するヒロイン

curosu
恋愛
【書きたい場面だけシリーズ】 タイトル通り

乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。 相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。 結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。 現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう… その時に前世の記憶を取り戻すのだった… 「悪役令嬢の兄の婚約者って…」 なんとも微妙なポジション。 しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。

逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?

魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。 彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。 国外追放の系に処された。 そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。 新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。 しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。 夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。 ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。 そして学校を卒業したら大陸中を巡る! そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、 鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……? 「君を愛している」 一体なにがどうなってるの!?

処理中です...