19 / 40
18話 ユリアスside
しおりを挟む
卒業パーティーで起こったあの事件を調査し始めて、4日が経った。
まだたったの4日なのに、すぐに冤罪の証拠が集まった。
俺が今まで話を聞いてきた人、それからリディアもリディアの友人も、皆マリアンヌ様が冤罪だ、と答えている。
そして、
「なぜ卒業パーティーのときに黙っていたのか」
と尋ねると様々な意見があったが大体は
「すべて解放されたほうがマリアンヌ様にとっていいと思った。あんな扱いをされて可哀そうだ」
「事前に黙っているように言われたから」
の二択にわかれた。
確かに殿下も父親である公爵もマリアンヌ様に対して褒められたようなことは一切していない。
殿下は権力だけが高いおかげで誰に対しても傲慢な態度をとり続けていた。
もちろんそれは、マリアンヌ様に対しても同じだ。
公爵の方は、公務はマリアンヌ様に押し付け自分は愛人たちと遊び放題。
マリアンヌ様は王妃教育と公務で遊ぶ暇もなければ、アリスを虐める時間なんてもっとなかっただろう。
ただ、それを言われるまで気付かないなんて.....。
俺がいかにアリスにうつつを抜かしていて、冷静な判断が出来ていなかったのか思い知った気がする。
今日まで調べ上げた報告書に目を通しながらそんなことを考えていると、俺の横に座っていたリディアが
「ユリアス様、これでマリアンヌ様が冤罪だというのは嫌と言うほどわかりましたよね?」
真剣な顔をしながらそう聞いてきた。
リディアは、あの日から本当に俺の協力をしてくれている。
学園長に事情を話してくれたおかげで、俺も情報を集めやすかったし、この資料をまとめてくれたのもリディアだ。
「あぁ...よくわかった。その...」
こんなことに協力してくれたんだから、ちゃんと謝って再び婚約を申し込んだら受け入れてくれるのでは?
そう思って何度か言おうとしたけど、俺に勇気がないばかりに伝えられないままだ。
そんな俺をリディアは冷たい目で見ながら
「この事実を知っても尚、人の婚約者を奪うような人を心優しい、可愛らしいと?」
と聞いてきた。
「ち、違う.....!俺はもうアリスのことは.....」
アリスのことは、もう何も思っていない。
つい最近まで、アリスと話をしたら癒される、なんてバカみたいなことを思っていたが、いざ離れて冷静になってみると、自分の都合のいいことしか言わないアリスを気に入っていただけだと気づくことができた。
でも、それをリディアに伝えても、今更だと言われるだろうか。
そう考えるとなんて言ったら良いのかわからず黙り込んでいると
「そうですか。まぁ、私には関係のないことですけどね」
そう言ってリディアが立ち上がった。
そして
「調査も終わったことですし、私が協力するのはここまでですわ。.....約束、覚えていますよね?」
今まで見たことがないくらいの冷たい目でそう聞いてきた。
約束。
マリアンヌ様も冤罪を公表すること。
それにはまず、殿下に全てを話さなくては。
早速今日、話すつもりでいる。
「あぁ、必ず約束は守る」
俺がそう頷くと
「それなら良かったですわ。では.....」
用事は済んだ、といった様子でリディアは立ち去ってしまった。
「あ....リディア...っ!」
と呼び止めたけど、リディアは決して振り返ってくれなかった。
まだたったの4日なのに、すぐに冤罪の証拠が集まった。
俺が今まで話を聞いてきた人、それからリディアもリディアの友人も、皆マリアンヌ様が冤罪だ、と答えている。
そして、
「なぜ卒業パーティーのときに黙っていたのか」
と尋ねると様々な意見があったが大体は
「すべて解放されたほうがマリアンヌ様にとっていいと思った。あんな扱いをされて可哀そうだ」
「事前に黙っているように言われたから」
の二択にわかれた。
確かに殿下も父親である公爵もマリアンヌ様に対して褒められたようなことは一切していない。
殿下は権力だけが高いおかげで誰に対しても傲慢な態度をとり続けていた。
もちろんそれは、マリアンヌ様に対しても同じだ。
公爵の方は、公務はマリアンヌ様に押し付け自分は愛人たちと遊び放題。
マリアンヌ様は王妃教育と公務で遊ぶ暇もなければ、アリスを虐める時間なんてもっとなかっただろう。
ただ、それを言われるまで気付かないなんて.....。
俺がいかにアリスにうつつを抜かしていて、冷静な判断が出来ていなかったのか思い知った気がする。
今日まで調べ上げた報告書に目を通しながらそんなことを考えていると、俺の横に座っていたリディアが
「ユリアス様、これでマリアンヌ様が冤罪だというのは嫌と言うほどわかりましたよね?」
真剣な顔をしながらそう聞いてきた。
リディアは、あの日から本当に俺の協力をしてくれている。
学園長に事情を話してくれたおかげで、俺も情報を集めやすかったし、この資料をまとめてくれたのもリディアだ。
「あぁ...よくわかった。その...」
こんなことに協力してくれたんだから、ちゃんと謝って再び婚約を申し込んだら受け入れてくれるのでは?
そう思って何度か言おうとしたけど、俺に勇気がないばかりに伝えられないままだ。
そんな俺をリディアは冷たい目で見ながら
「この事実を知っても尚、人の婚約者を奪うような人を心優しい、可愛らしいと?」
と聞いてきた。
「ち、違う.....!俺はもうアリスのことは.....」
アリスのことは、もう何も思っていない。
つい最近まで、アリスと話をしたら癒される、なんてバカみたいなことを思っていたが、いざ離れて冷静になってみると、自分の都合のいいことしか言わないアリスを気に入っていただけだと気づくことができた。
でも、それをリディアに伝えても、今更だと言われるだろうか。
そう考えるとなんて言ったら良いのかわからず黙り込んでいると
「そうですか。まぁ、私には関係のないことですけどね」
そう言ってリディアが立ち上がった。
そして
「調査も終わったことですし、私が協力するのはここまでですわ。.....約束、覚えていますよね?」
今まで見たことがないくらいの冷たい目でそう聞いてきた。
約束。
マリアンヌ様も冤罪を公表すること。
それにはまず、殿下に全てを話さなくては。
早速今日、話すつもりでいる。
「あぁ、必ず約束は守る」
俺がそう頷くと
「それなら良かったですわ。では.....」
用事は済んだ、といった様子でリディアは立ち去ってしまった。
「あ....リディア...っ!」
と呼び止めたけど、リディアは決して振り返ってくれなかった。
183
あなたにおすすめの小説
クリスティーヌの本当の幸せ
宝月 蓮
恋愛
ニサップ王国での王太子誕生祭にて、前代未聞の事件が起こった。王太子が婚約者である公爵令嬢に婚約破棄を突き付けたのだ。そして新たに男爵令嬢と婚約する目論見だ。しかし、そう上手くはいかなかった。
この事件はナルフェック王国でも話題になった。ナルフェック王国の男爵令嬢クリスティーヌはこの事件を知り、自分は絶対に身分不相応の相手との結婚を夢見たりしないと決心する。タルド家の為、領民の為に行動するクリスティーヌ。そんな彼女が、自分にとっての本当の幸せを見つける物語。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~
キョウキョウ
恋愛
リムピンゼル公爵家の令嬢であるコルネリアはある日突然、ヘルベルト王子から婚約を破棄すると告げられた。
その瞬間にコルネリアは、処刑されてしまった数々の未来を見る。
絶対に死にたくないと思った彼女は、婚約破棄を快く受け入れた。
今後は彼らに目をつけられないよう、田舎に引きこもって地味に暮らすことを決意する。
それなのに、王子の周りに居た人達が次々と私に求婚してきた!?
※カクヨムにも掲載中の作品です。
[完結]不実な婚約者に「あんたなんか大っ嫌いだわ」と叫んだら隣国の公爵令息に溺愛されました
masato
恋愛
アリーチェ・エストリアはエスト王国の筆頭伯爵家の嫡女である。
エストリア家は、建国に携わった五家の一つで、エストの名を冠する名家である。
エストの名を冠する五家は、公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家に別れ、それぞれの爵位の家々を束ねる筆頭とされていた。
それ故に、エストの名を冠する五家は、爵位の壁を越える特別な家門とされていた。
エストリア家には姉妹しかおらず、長女であるアリーチェは幼い頃から跡取りとして厳しく教育を受けて来た。
妹のキャサリンは母似の器量良しで可愛がられていたにも関わらず。
そんな折、侯爵家の次男デヴィッドからの婿養子への打診が来る。
父はアリーチェではなくデヴィッドに爵位を継がせると言い出した。
釈然としないながらもデヴィッドに歩み寄ろうとするアリーチェだったが、デヴィッドの態度は最悪。
その内、デヴィッドとキャサリンの恋の噂が立ち始め、何故かアリーチェは2人の仲を邪魔する悪役にされていた。
学園内で嫌がらせを受ける日々の中、隣国からの留学生リディアムと出会った事で、
アリーチェは家と国を捨てて、隣国で新しい人生を送ることを決める。
悪役令嬢に転生!?わたくし取り急ぎ王太子殿下との婚約を阻止して、婚約者探しを始めますわ
春ことのは
恋愛
深夜、高熱に魘されて目覚めると公爵令嬢エリザベス・グリサリオに転生していた。
エリザベスって…もしかしてあのベストセラー小説「悠久の麗しき薔薇に捧ぐシリーズ」に出てくる悪役令嬢!?
この先、王太子殿下の婚約者に選ばれ、この身を王家に捧げるべく血の滲むような努力をしても、結局は平民出身のヒロインに殿下の心を奪われてしまうなんて…
しかも婚約を破棄されて毒殺?
わたくし、そんな未来はご免ですわ!
取り急ぎ殿下との婚約を阻止して、わが公爵家に縁のある殿方達から婚約者を探さなくては…。
__________
※2023.3.21 HOTランキングで11位に入らせて頂きました。
読んでくださった皆様のお陰です!
本当にありがとうございました。
※お気に入り登録やしおりをありがとうございます。
とても励みになっています!
※この作品は小説家になろう様にも投稿しています。
断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる
葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。
アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。
アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。
市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。
乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!
ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。
相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。
結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。
現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう…
その時に前世の記憶を取り戻すのだった…
「悪役令嬢の兄の婚約者って…」
なんとも微妙なポジション。
しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。
逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?
魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。
彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。
国外追放の系に処された。
そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。
新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。
しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。
夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。
ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。
そして学校を卒業したら大陸中を巡る!
そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、
鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……?
「君を愛している」
一体なにがどうなってるの!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる