ハーレムエンドを迎えましたが、ヒロインは誰を選ぶんでしょうね?

榎夜

文字の大きさ
20 / 40

19話 ハロルドside

しおりを挟む
最近、ユリアス以外の奴らも王宮に来なくなった。

レオンから、アリスがマロンを選んだと聞いたが、アリスはいつもと変わらず王宮に来ている。

何かあったんだろうか?

レオンもその話をした翌日から王宮に来なくなったし....。

まぁ、やっぱりアリスには俺しかいなかったということだよな。

そう思いながらも、アリスとは会う気になれず、ひたすら書斎にこもって仕事をしている。

あれほどアリスと話すのが楽しかったのに、今はアリスが王宮に来た、と報告を受けると憂鬱な気持ちだ。


自分の変化に戸惑いながら、今日も書類にサインをしていると

「殿下、大切なお話があります」

真面目な顔をしたユリアスが書斎に入ってきた。

毎日会っているが、書類を置いて特に会話もすることなかったからなんだか緊張してしまうな。

丁度、書類もひと段落していた時だったから手を止めて話を聞くことにした。

最近ユリアスが何かを調べている、という噂を耳にしたが、そのことだろうか?


何を言うのか、と身構えているとユリウスは持っていた紙の束を机の上に置いて

「殿下、私達は大変なことをしてしまったかもしれません」

そう言った。

......どういうことだ?

ユリウスの言葉は理解できないが、多分この資料を読めばわかるんだろう。

そう思って早速資料を読むことにした。

「これは.....」

そこに書かれていたのは学生時代のマリアンヌの行動、他の人から見たマリアンヌの印象など....俺が聞いていたマリアンヌとは真逆のことばかり書かれていた。

そして、ユリアスは

「マリアンヌ様が冤罪だという噂を耳にして調べた結果です」

そう言った。

あまりの驚きに

「嘘だろう....?」

と呟くも、ユリアスは静かに首を振って

「いえ、全て本当のことです」

そう答えた。

嘘だろ?

だって、マリアンヌは傲慢で、アリスのことを虐めていて、権力を使って人を脅して.........アリスがそう言っていたじゃないか!

いや、でもそんなことを言ったのはアリスだけだ。

他の令嬢達とは楽しそうに話しているのを見かけたこともある。

だけと、アリスがあんなに泣きそうな顔をしながら俺に教えてくれたのに......。

ユリアスは悲しそうな顔をしながら

「調べた期間はたったの1週間です。それなのに、これほどの証拠が集まりました。私たちはアリスに騙されていたんです」

.........騙されていた?

俺が......いや、俺たちが?

「じゃあ、俺がマリアンヌを国外追放したのは.....」

そうだ。

だったらなぜマリアンヌを国外追放したんだ...!

ユリアスだって隣にいたんだから止めることが出来たはずだろ!?

そう思いながら呟くと

「それは...殿下が調べもせずに勝手にやったことです」

ユリアスは俺から視線を逸らした。

「嘘だろう...?ユリウスがアリスと結婚するためにでっち上げたとか.....」

「そんなこと、するわけないじゃないですか。大体、俺はもうアリスのことを何とも思っていません」

アリスをなんとも思っていない...だと?

あんなにアリスは渡さない!と意気込んでいたユリアスが......?

そんなバカな......。

ユリアスははぁ...とため息をついてから

「殿下に伝える前に、陛下たちには話をしてきました」

そう言った。

話をしてきた、ということは父上もこの資料を読んだ、ということか...?

そんなことをしたら、俺の立場が......っ!

「じゃあ、父上は.....」

ユリアスの様子を伺いながらそう答えると

「全て知っていますよ」

淡々とした口調でそう答えた。

「後で、処罰を言い渡す、と言っていました。それまでの間、仕事でもしてろ、と陛下からの伝言です」

終わった......。

マリアンヌを国外追放した時点で俺の立場がなくなっていたのに、騙されていた、なんて聞いたら確実に王太子は兄に変わるだろう。

アリスを婚約者にすれば簡単に収まると思っていたのに現実はそんなに甘くなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クリスティーヌの本当の幸せ

宝月 蓮
恋愛
ニサップ王国での王太子誕生祭にて、前代未聞の事件が起こった。王太子が婚約者である公爵令嬢に婚約破棄を突き付けたのだ。そして新たに男爵令嬢と婚約する目論見だ。しかし、そう上手くはいかなかった。 この事件はナルフェック王国でも話題になった。ナルフェック王国の男爵令嬢クリスティーヌはこの事件を知り、自分は絶対に身分不相応の相手との結婚を夢見たりしないと決心する。タルド家の為、領民の為に行動するクリスティーヌ。そんな彼女が、自分にとっての本当の幸せを見つける物語。 小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~

キョウキョウ
恋愛
リムピンゼル公爵家の令嬢であるコルネリアはある日突然、ヘルベルト王子から婚約を破棄すると告げられた。 その瞬間にコルネリアは、処刑されてしまった数々の未来を見る。 絶対に死にたくないと思った彼女は、婚約破棄を快く受け入れた。 今後は彼らに目をつけられないよう、田舎に引きこもって地味に暮らすことを決意する。 それなのに、王子の周りに居た人達が次々と私に求婚してきた!? ※カクヨムにも掲載中の作品です。

[完結]不実な婚約者に「あんたなんか大っ嫌いだわ」と叫んだら隣国の公爵令息に溺愛されました

masato
恋愛
アリーチェ・エストリアはエスト王国の筆頭伯爵家の嫡女である。 エストリア家は、建国に携わった五家の一つで、エストの名を冠する名家である。 エストの名を冠する五家は、公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家に別れ、それぞれの爵位の家々を束ねる筆頭とされていた。 それ故に、エストの名を冠する五家は、爵位の壁を越える特別な家門とされていた。 エストリア家には姉妹しかおらず、長女であるアリーチェは幼い頃から跡取りとして厳しく教育を受けて来た。 妹のキャサリンは母似の器量良しで可愛がられていたにも関わらず。 そんな折、侯爵家の次男デヴィッドからの婿養子への打診が来る。 父はアリーチェではなくデヴィッドに爵位を継がせると言い出した。 釈然としないながらもデヴィッドに歩み寄ろうとするアリーチェだったが、デヴィッドの態度は最悪。 その内、デヴィッドとキャサリンの恋の噂が立ち始め、何故かアリーチェは2人の仲を邪魔する悪役にされていた。 学園内で嫌がらせを受ける日々の中、隣国からの留学生リディアムと出会った事で、 アリーチェは家と国を捨てて、隣国で新しい人生を送ることを決める。

悪役令嬢に転生!?わたくし取り急ぎ王太子殿下との婚約を阻止して、婚約者探しを始めますわ

春ことのは
恋愛
深夜、高熱に魘されて目覚めると公爵令嬢エリザベス・グリサリオに転生していた。 エリザベスって…もしかしてあのベストセラー小説「悠久の麗しき薔薇に捧ぐシリーズ」に出てくる悪役令嬢!? この先、王太子殿下の婚約者に選ばれ、この身を王家に捧げるべく血の滲むような努力をしても、結局は平民出身のヒロインに殿下の心を奪われてしまうなんて… しかも婚約を破棄されて毒殺? わたくし、そんな未来はご免ですわ! 取り急ぎ殿下との婚約を阻止して、わが公爵家に縁のある殿方達から婚約者を探さなくては…。 __________ ※2023.3.21 HOTランキングで11位に入らせて頂きました。 読んでくださった皆様のお陰です! 本当にありがとうございました。 ※お気に入り登録やしおりをありがとうございます。 とても励みになっています! ※この作品は小説家になろう様にも投稿しています。

断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる

葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。 アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。 アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。 市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。

【完結済】監視される悪役令嬢、自滅するヒロイン

curosu
恋愛
【書きたい場面だけシリーズ】 タイトル通り

乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。 相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。 結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。 現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう… その時に前世の記憶を取り戻すのだった… 「悪役令嬢の兄の婚約者って…」 なんとも微妙なポジション。 しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。

逆行した悪女は婚約破棄を待ち望む~他の令嬢に夢中だったはずの婚約者の距離感がおかしいのですか!?

魚谷
恋愛
目が覚めると公爵令嬢オリヴィエは学生時代に逆行していた。 彼女は婚約者である王太子カリストに近づく伯爵令嬢ミリエルを妬み、毒殺を図るも失敗。 国外追放の系に処された。 そこで老商人に拾われ、世界中を見て回り、いかにそれまで自分の世界が狭かったのかを痛感する。 新しい人生がこのまま謳歌しようと思いきや、偶然滞在していた某国の動乱に巻き込まれて命を落としてしまう。 しかし次の瞬間、まるで夢から目覚めるように、オリヴィエは5年前──ミリエルの毒殺を図った学生時代まで時を遡っていた。 夢ではないことを確信したオリヴィエはやり直しを決意する。 ミリエルはもちろん、王太子カリストとも距離を取り、静かに生きる。 そして学校を卒業したら大陸中を巡る! そう胸に誓ったのも束の間、次々と押し寄せる問題に回帰前に習得した知識で対応していたら、 鬼のように恐ろしかったはずの王妃に気に入られ、回帰前はオリヴィエを疎ましく思っていたはずのカリストが少しずつ距離をつめてきて……? 「君を愛している」 一体なにがどうなってるの!?

処理中です...