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31話 ユリアスside
しおりを挟む殿下がマリアンヌ様に冤罪を着せていたことを公表したその日の夜
「お前が殿下の間違えを証明したのは褒めてやる。だが、お前がやったことが無くなる訳では無い」
父上の書斎に呼び出され、その話をされた。
褒めてやる、だなんて偉そうに言っているけど自分より目上の人に対しては誰よりもヘコヘコしてるくせに......。
父上は陛下と幼なじみ、ってだけで宰相の座についたくせに。
学力だって、俺の方が断然良いのに......。
まぁ、そんなこと言えるわけないけどな。
だから、俺は
「.........わかっています」
とだけ素っ気なく答えると
「はぁ...殿下が王太子じゃなくなった以上、お前が宰相候補に戻れることはないと思え」
そう言って、父上は執務室を後にした。
なんだかんだ、父上は俺が宰相候補になったとき、1番喜んでくれた。
自分の跡を継ぐのが、息子だなんて自慢出来る!とすごく喜んでいたのに、俺はその期待を裏切ったんだ......。
俺がリディアと婚約破棄をしてから、ずっと気まずい関係が続いている。
今回の件で、少しは前みたいに戻れるか、なんてことも考えたけど、無理だったみたいだな。
そう考えていると
「ユリアス.........」
母上が心配そうな顔をして俺を見ているが、そんなに酷い顔をしていたんだろうか?
自分ではよくわからないが、とりあえず、
「いいんだ母さん。俺が悪いんだから」
そう言って微笑むと、母上の目からは大粒の涙がこぼれ落ちた。
次の日、俺は自宅謹慎を命じられた。
でも、その日はなんだか無性にリディアに会いたくなった。
なぜかはわからない。
会おうと思えば会えるから、だろうか?
家から出てはいけない。
そんなことはわかっているが、どうしても今日会いたかった。
そう思っていたら、いつの間にか学園の校門でリディアを待っていた。
俺が王令を破るようなことをするとは、昔だったら考えもしなかったし、今だって、体が勝手に動いただけで、頭の中ではダメなことくらいわかっている。
でも、家でじっとなんてしていられなかった。
リディアに、自分の想いを伝えたくて。
それなのに返ってきた答えは
「いつまで過去を引きずるつもりですか?」
という心に突き刺さる冷たい一言だった。
リディアはずっと俺の事を好いているものだと思っていた。
でもそれすらも違ったみたいだ。
リディアの後ろ姿を追いかけたかったけど、これ以上は自分が惨めになるだけだと思ってやめた。
皆が羨ましがる、ものを持っていた俺が、全てを失った瞬間だった。
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