（完結）モブ令嬢の婚約破棄

将来に備えて

    私達は情報を共有しながら対策したりしていたのですが、結局婚約者の方々は私達の所には戻ってきませんでした。

    ただ一つ気がついた事。マリアナ様は淑女科なので、本来なら魔法は使わないはずですけれど…いえ、生活魔法等の小さな魔力で使える物は別ですが。
    マリアナ様は男の方と一緒にいる時、魔法を使っているようなのですよね…その事は勿論、ロゼリア様にも報告しました。ただ、私はまだ学生ですし、確かとは言えないのですけれど。それに、魔力は程度の差こそあれ、誰もが持っている物。ただ、無意識に使う、というのはありませんわ。そんな事をしたらあっというまに魔力切れを起こしてしまいますし。

    それでも、魔法の成績は2年生の先輩方を置いてトップをキープしています。残念ながらロロイ様は、得意の火魔法以外は下から数えた方が早いですわ…

    ロゼリア様は、調査して下さると言ってましたけど…もし私の勘違いだったらどうしましょう？！

    ロロイ様関連の事は取り敢えず置いて、今私が嵌まっているテーマは、ルーン文字と、魔石による付与ですわ。
    王国の騎士の持つ剣には、斬撃強化等の付与がされていて、軽く魔力を流すだけでその効果が得られるのですけど、それを扱える魔法師が少ないので、一般には普及していません。

    もしロロイ様とマリアナ様が一緒になったら私は婚約を解消された傷物令嬢。次のお相手を探すのも難しい立場になります。
    そうなった時、特技の一つでも身に付けておけば、少しはましになるのでは、と思っています。

    そうならないようにはしたいのですけど、最近のロロイ様は、私の話しも聞いて下さらないので、難しいのです。

    勿論、マリアナ様達の事は学園でもちょっとした問題になっています。複数の、しかも婚約者のいる男性と一緒に常にいるのです。問題にならない方がおかしいですわ。でもまだ、学園側からは、注意という形でしか動いていないようです。
    先生方も甘いですわ。その中の１人が王族だというのに。
    
    多分、陛下達が何も知らないという事はないのでしょうけれど…
    ロゼリア様の話しでは、殿下との仲は初めからそんなに良くなかったそうです。堅苦しいのが嫌いで、王族の教育からも逃げてばかりだそうですわ…そんな方が次期王になる事はないでしょうけれど。王太子殿下はご立派な方との噂ですから。

    ロゼリア様…お可哀想に…