(完結)モブ令嬢の婚約破棄

あかる

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それからの私達

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    とりあえず皆、魅了は解けたようですわ。
    既に王子妃教育を済まされたロゼリア様。優秀で令嬢のお手本のような方めすから、破棄されたとしても、引く手あまたです。

    ロゼリア様の話では、隣国の第三王子殿下に嫁がれるとか。
    エミーナ様は、同じ国の公爵家から打診があったようです。
    お二人とも流石ですわ。勿論、落ち着いたらお手紙の交換も約束していますので、寂しくありません。

    ただ、リーファは少し心配ですわ…1から修行するようにと、アレス様は辺境の地へ。リーファ様は、アレス様の帰りを何年でも待つと言っていますわ…婚約は白紙に戻されたものの、真摯に謝って頂いて、やっぱり愛してると、強く思ったそうですわ。

    私は、あれからアトレイア公爵様も交えて話し、婚約を結ぶ事になりました。
    ユアン様の卒業を待って結婚する事になりました。自分でも驚いていますわ…これが恋なのだと自覚すると、急に意識してしまって、会話も困難になってしまいますの…こんな状態でお嫁に入っても、お役に立てるかどうか…
    
    殿下は暫く謹慎するようですわ。婚約者を放っておいて、お相手としては相応しくない男爵令嬢に現を抜かしていた事。本来、ロゼリア様に贈り物をする為に設けられた予算をマリアナ様の為に使ったのが問題視されたようですわ。
    それと、婚約破棄の為にした虚言。関係を隠しもしなかったのですから、たくさんの証言を得られました。
    魅了の力で判断力が落ちていたとはいえ、証拠もないのにたくさんの貴族達の前でしてはいけない行動でした。それは王族としても、勿論人としても。

    エミーナ様を貰いそこねた宰相様。とても残念そうでしたわ。他にお子様もいらっしゃらないので、寄子の家から跡継ぎを探すのでしょう。




    広大な敷地に立つ堅牢な家。仕えている兵達も、精鋭ばかり。
    ユアン様に支えられて、馬で広野を下り、森から出てくる魔物達に、広範囲の氷魔法を使う。

    氷の呪縛から逃れる魔物達に、魔法で強化した剣で、次々ととどめを差していく。
    脅威でもあり、特産品としての価値もある、魔物素材。勿論残さず異空間収納へ。

    ユアン様が、兵達が感謝の視線を向けてくれます。でもこの位、何でもない事ですわ。
    私には持つ事も難しい剣を振るって魔物にとどめを差していくユアン様達こそ、凄いと思います。

    ここ一年で、ぐっと身長の伸びたユアン様は、顔つきも子供っぽさが抜けて、ぐっと大人っぽくなりました。
    そんなユアン様に私は、ますます惹かれてしまいます。

    ユアン様も、私を優しい眼差しで見つめて下さいます。
    
    私は今、とても幸せですわ。


    
    
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