私が聖女でした。〜侍女扱いされた本物の聖女がハッピーエンドを迎える話〜

井上 佳

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第4話

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 護衛任務は、本来なら誇り高いものだったはずだ。
 だが最近、違和感が拭えない。

「民よ、私の祝福を」

 リリアーナが民衆の前で手を掲げる。光が溢れ、歓声が起こる。

 だが——
 祝福を受けた老人が、礼を言いながら立ち去る。
 その足取りは、祝福の前と何も変わっていない。

「騎士団長」

 副官が小声で囁いた。

「先ほどの子供、リリアーナ様の祝福では治らなかったようです」
「……そうか」

 視線を巡らせると、路地裏で一人の女性が膝をついていた。

 セレスティア——リリアーナの侍女。

 彼女は、さっきの子供の傍に座り込んでいた。
 傷ついた膝に、そっと手を当てる。

 その時——
 淡い銀色の光が、彼女の手から溢れた。
 派手さはない。でも、確実に子供の傷が癒えていく。

「ありがとう、お姉ちゃん」

 子供の笑顔。
 セレスティアも、優しく微笑んでいた。

――あれこそが、本物の聖力ではないのか。

 俺は、真実を知りたくなった。
 本当の聖女は、誰なのか。
 この目で、確かめたい。

「騎士団長、何か?」

 リリアーナが不機嫌そうに俺を見た。
 俺が彼女ではなく、セレスティアを見ていたことに気づいたらしい。

「いえ、何も」

 だが、俺の心はもう決まっていた。

 セレスティアを見守る。
 もし彼女が本物なら——
 俺は彼女を守る。
 騎士の誇りにかけて。
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