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えっと。歓迎されているような
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別邸に戻って3日後の昼食。
天気が良いからと、ガゼボで食事をしようと誘われた。
侯爵夫人からの招待カードだ。
「いびられるのかな」
「ないと思います」
「せいぜいエステル様がどんな方か知りたいのでしょう」
「私を?」
「ヴァネッサお嬢様は婚約して以来の知り合いです。学園では3年間同じ建物に通いました。
それに王宮主催のものにはパートナーとして参加なさいましたが、エステル様は婚姻の儀が初めてで、まともに話したことはございません。
侯爵様や夫人は心配なのでしょう」
「何を?」
「……ともかく、いつも通りのエステル様で大丈夫です」
「そうかしら」
『はい。さあ、何を着て行きましょうか』
「庭で食べるだけならコレでいいんじゃないかしら」
「なりません」
ということで、ゆったりとしたワンピースドレスに妥協してもらい髪を結ってもらい、薄化粧をしてもらった。
庭園を進むと大きなガゼボがあって、綺麗に飾られていた。
夫人「急にお誘いしてごめんなさいね」
リ「さあ、こっちにおいで」
私「ご招待いただきありがとうございます。
侯爵様、侯爵夫人、リオナード様」
侯爵「可愛らしいな」
夫人「膝掛けをかけて差し上げて」
席に着くと膝掛けをかけてくれた。
私「ありがとうございます。
あの、ご迷惑をお掛けしました。
リオナード様にも助けていただきました。
その後もお気遣いくださいまして感謝しております」
リ「夫として当然のことをしただけだ。
あの夜は私が悪かったんだ。
寧ろ謝らなければならないのは私の方だ。
君の辛い状況に配慮が無かった。
私も余裕を失って連絡も入れずに待たせてしまって反省している。
どうか許して欲しい」
私「私も遣いを出せばよかったのです。ただ待っているなんて」
侯爵「仕切り直そう。先ずは食事だ」
少量ずついろいろな種類の料理がプレートに並んでいた。
私「すごい」
リ「これなら少しずつ いろいろな物を口にできていいだろう?」
私「はい。嬉しいです」
前菜は3種類 一口ずつ。
パンとサラダ。
メインはお肉とミニパイ。
リ「無理はしなくていいからね」
私「こんなに可愛いパイを初めて見ました」
夫人「私もだわ。料理人が頑張ったのね」
デザートが出てきた。
焼き菓子2種と小さなケーキだった。
リ「甘さはどうかな」
私「控えめで美味しいです」
侯爵「控えめだと食べやすいな」
夫人「まあ、クッキーが動物の顔になっているわ」
私「可愛い」
お茶と一緒にいただいた後は、夫人に勧められてリオナード様とお散歩をした。
それは予定になくてちょっと困った。
何を話していいのか分からない。
だけどリオナード様の質問攻撃で間がもった。
翌日は、夫人が別棟に訪ねていらした。
「エステル。今日仕立て屋が来るのだけど、一緒にドレスを作らない?」
「いえ、私は結構です」
「どうして?」
「たくさんありますし、着て行くところもありません」
「普段はどう過ごしていたの?」
「使用人のみんなに構ってもらったり、お兄様が遊んでくださったり、お父様やお母様がお出かけに連れて行ってくださったり、たまに親戚やお父様達の知人のお食事会やお茶会に参加しておりました」
「そう。もう少し慣れたらお出かけをしましょうね。
屋敷の中にずっといるのは健康に良くないわ」
「はい」
「明日は私のドレス作りを手伝ってもらえるかしら」
「私がですか?」
「布の柄や色が似合うかどうかとか」
「私などより侯爵様やデザイナーの方の意見の方が、」
「ドミニクの意見ばかり聞いていたら全部同じドレスになってしまうわ。若い女の子の意見が聞きたいの」
「では明日、お伺いします」
翌日は夫人のお付き合いをした。
天気が良いからと、ガゼボで食事をしようと誘われた。
侯爵夫人からの招待カードだ。
「いびられるのかな」
「ないと思います」
「せいぜいエステル様がどんな方か知りたいのでしょう」
「私を?」
「ヴァネッサお嬢様は婚約して以来の知り合いです。学園では3年間同じ建物に通いました。
それに王宮主催のものにはパートナーとして参加なさいましたが、エステル様は婚姻の儀が初めてで、まともに話したことはございません。
侯爵様や夫人は心配なのでしょう」
「何を?」
「……ともかく、いつも通りのエステル様で大丈夫です」
「そうかしら」
『はい。さあ、何を着て行きましょうか』
「庭で食べるだけならコレでいいんじゃないかしら」
「なりません」
ということで、ゆったりとしたワンピースドレスに妥協してもらい髪を結ってもらい、薄化粧をしてもらった。
庭園を進むと大きなガゼボがあって、綺麗に飾られていた。
夫人「急にお誘いしてごめんなさいね」
リ「さあ、こっちにおいで」
私「ご招待いただきありがとうございます。
侯爵様、侯爵夫人、リオナード様」
侯爵「可愛らしいな」
夫人「膝掛けをかけて差し上げて」
席に着くと膝掛けをかけてくれた。
私「ありがとうございます。
あの、ご迷惑をお掛けしました。
リオナード様にも助けていただきました。
その後もお気遣いくださいまして感謝しております」
リ「夫として当然のことをしただけだ。
あの夜は私が悪かったんだ。
寧ろ謝らなければならないのは私の方だ。
君の辛い状況に配慮が無かった。
私も余裕を失って連絡も入れずに待たせてしまって反省している。
どうか許して欲しい」
私「私も遣いを出せばよかったのです。ただ待っているなんて」
侯爵「仕切り直そう。先ずは食事だ」
少量ずついろいろな種類の料理がプレートに並んでいた。
私「すごい」
リ「これなら少しずつ いろいろな物を口にできていいだろう?」
私「はい。嬉しいです」
前菜は3種類 一口ずつ。
パンとサラダ。
メインはお肉とミニパイ。
リ「無理はしなくていいからね」
私「こんなに可愛いパイを初めて見ました」
夫人「私もだわ。料理人が頑張ったのね」
デザートが出てきた。
焼き菓子2種と小さなケーキだった。
リ「甘さはどうかな」
私「控えめで美味しいです」
侯爵「控えめだと食べやすいな」
夫人「まあ、クッキーが動物の顔になっているわ」
私「可愛い」
お茶と一緒にいただいた後は、夫人に勧められてリオナード様とお散歩をした。
それは予定になくてちょっと困った。
何を話していいのか分からない。
だけどリオナード様の質問攻撃で間がもった。
翌日は、夫人が別棟に訪ねていらした。
「エステル。今日仕立て屋が来るのだけど、一緒にドレスを作らない?」
「いえ、私は結構です」
「どうして?」
「たくさんありますし、着て行くところもありません」
「普段はどう過ごしていたの?」
「使用人のみんなに構ってもらったり、お兄様が遊んでくださったり、お父様やお母様がお出かけに連れて行ってくださったり、たまに親戚やお父様達の知人のお食事会やお茶会に参加しておりました」
「そう。もう少し慣れたらお出かけをしましょうね。
屋敷の中にずっといるのは健康に良くないわ」
「はい」
「明日は私のドレス作りを手伝ってもらえるかしら」
「私がですか?」
「布の柄や色が似合うかどうかとか」
「私などより侯爵様やデザイナーの方の意見の方が、」
「ドミニクの意見ばかり聞いていたら全部同じドレスになってしまうわ。若い女の子の意見が聞きたいの」
「では明日、お伺いします」
翌日は夫人のお付き合いをした。
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