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ヴェアトリスの仲間外れ
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【 ヴェアトリスの視点 】
私は泣いて訴えた。
だけどお父様は味方をしてくれなかった。
『不敬よ!あいつらみんな処刑して!!』
『ヴェアトリス!!』
『っ!!』
『口を慎みなさい』
『ヒクッ…お父様…どうして?』
『国王陛下の姪でも、王女とは違うし継承権もない。
ヴェアトリスが口にしていい言葉ではない。
エンブレーズ大公家は特別ではあるが臣下なんだよ』
『え?』
『陛下に仕える者だ。王妃や王子、王女に対しても その気持ちでいないといけないよ』
『だって』
『ナイフで人を切り付けるなんてやってはいけない事だ。悪口を聞いたからってやり過ぎだ。
一人は頬を切られ、一人は口を縦に切られ手も切られ、一人は顎と手を切られ、いずれも傷跡が残る可能性が高い。
最後の一人は手だけだが傷が深くて障害が残る。代々騎士を輩出している家門で、三兄弟の末っ子だが、一番素質のある子だった。もう剣は握れない。剣どころかカトラリーもまともに持つことができなくなってしまった。
罰しろと言う声があまりにも多くて、陛下も対応せざるを得なかった。
今後、王宮主催のパーティなどには出席出来ない。招待状に名が載っていなければどこのパーティにも出席できない。名が載っていなければ 招待状を持っている者の同伴者としても出席できない。
そして招いてはいけない』
「それはどういう…」
「ヴェアトリスがパーティや茶会を開く事はできないし、エンブレーズ家の者が開くパーティや茶会に姿を現してはいけないということだ。
実質の社交界からの追放だ」
「パーティがダメ?」
「まだ子供過ぎて分からないわね。
大きくなるにつれて実感することになるでしょうね」
「まだ9歳だからな。
だが我が子可愛さに甘やかしてしまったのだな。
刃物沙汰など…しかもこの罰では嫁の貰い手はあるまい」
お父様もお母様も大きな溜息をついた。
お父様の言葉通り、徐々に実感した。特に学園に入ってから。
生徒達は私を避け、茶会やパーティなどの話しで盛り上がる。
『ねえ、私も仲間に入れてくれない?』
恥を忍んでお願いしてみたけど
『私達は大公女様のお相手をできる身分ではございません』
男女問わず誰もが同じセリフで答えた。
つまり私以外の貴族が結託している証拠だった。
お父様とお母様に泣き付いても意味はなかった。
『国王陛下の姪でなければ、良くて追放 最悪平民落ちの労働刑も有り得たんだ。
顔を切られた3人中2人は傷跡が残ったし、口に縦に切られた令息は精神科の治療が必要になった。
手の障害が残った令息は何度か自害を試みたらしい。
怪我を負ったのが利き腕で食事も文字を書くのも何もかも 利き腕じゃない手を中心にほぼ片手でやらなくてはならなくなった。
食事の時に切るということができないし、紐を結ぶこともできない。両手でやることはほぼ全てできないんだ。ハサミを使うことも、ボタンをかけることさえ何倍も時間がかかったそうだ。日常の一つ一つのことが出来なくなったり何倍も時間が掛かったりするのは辛いことだ。
好きなことも、期待された剣も、将来も諦めなくてはならなくなった。
兄達とどんどん差が広がり、親族や知人や友人の集まりで周りの子についていけないなんて、あの快活な令息には酷な仕打ちになってしまった。
被害者があの学園に通っているんだ。
2人は三年生、1人はヴェアトリスと同じ一年生、もう1人の令息は来年入学してくる。
貴族達がそうなるのは必然だ。
大公女だからと好き勝手やったのだから、その後に降り掛かるものも受け止めなさい』
『そうよ。大人しくしなさい』
『はい』
私は泣いて訴えた。
だけどお父様は味方をしてくれなかった。
『不敬よ!あいつらみんな処刑して!!』
『ヴェアトリス!!』
『っ!!』
『口を慎みなさい』
『ヒクッ…お父様…どうして?』
『国王陛下の姪でも、王女とは違うし継承権もない。
ヴェアトリスが口にしていい言葉ではない。
エンブレーズ大公家は特別ではあるが臣下なんだよ』
『え?』
『陛下に仕える者だ。王妃や王子、王女に対しても その気持ちでいないといけないよ』
『だって』
『ナイフで人を切り付けるなんてやってはいけない事だ。悪口を聞いたからってやり過ぎだ。
一人は頬を切られ、一人は口を縦に切られ手も切られ、一人は顎と手を切られ、いずれも傷跡が残る可能性が高い。
最後の一人は手だけだが傷が深くて障害が残る。代々騎士を輩出している家門で、三兄弟の末っ子だが、一番素質のある子だった。もう剣は握れない。剣どころかカトラリーもまともに持つことができなくなってしまった。
罰しろと言う声があまりにも多くて、陛下も対応せざるを得なかった。
今後、王宮主催のパーティなどには出席出来ない。招待状に名が載っていなければどこのパーティにも出席できない。名が載っていなければ 招待状を持っている者の同伴者としても出席できない。
そして招いてはいけない』
「それはどういう…」
「ヴェアトリスがパーティや茶会を開く事はできないし、エンブレーズ家の者が開くパーティや茶会に姿を現してはいけないということだ。
実質の社交界からの追放だ」
「パーティがダメ?」
「まだ子供過ぎて分からないわね。
大きくなるにつれて実感することになるでしょうね」
「まだ9歳だからな。
だが我が子可愛さに甘やかしてしまったのだな。
刃物沙汰など…しかもこの罰では嫁の貰い手はあるまい」
お父様もお母様も大きな溜息をついた。
お父様の言葉通り、徐々に実感した。特に学園に入ってから。
生徒達は私を避け、茶会やパーティなどの話しで盛り上がる。
『ねえ、私も仲間に入れてくれない?』
恥を忍んでお願いしてみたけど
『私達は大公女様のお相手をできる身分ではございません』
男女問わず誰もが同じセリフで答えた。
つまり私以外の貴族が結託している証拠だった。
お父様とお母様に泣き付いても意味はなかった。
『国王陛下の姪でなければ、良くて追放 最悪平民落ちの労働刑も有り得たんだ。
顔を切られた3人中2人は傷跡が残ったし、口に縦に切られた令息は精神科の治療が必要になった。
手の障害が残った令息は何度か自害を試みたらしい。
怪我を負ったのが利き腕で食事も文字を書くのも何もかも 利き腕じゃない手を中心にほぼ片手でやらなくてはならなくなった。
食事の時に切るということができないし、紐を結ぶこともできない。両手でやることはほぼ全てできないんだ。ハサミを使うことも、ボタンをかけることさえ何倍も時間がかかったそうだ。日常の一つ一つのことが出来なくなったり何倍も時間が掛かったりするのは辛いことだ。
好きなことも、期待された剣も、将来も諦めなくてはならなくなった。
兄達とどんどん差が広がり、親族や知人や友人の集まりで周りの子についていけないなんて、あの快活な令息には酷な仕打ちになってしまった。
被害者があの学園に通っているんだ。
2人は三年生、1人はヴェアトリスと同じ一年生、もう1人の令息は来年入学してくる。
貴族達がそうなるのは必然だ。
大公女だからと好き勝手やったのだから、その後に降り掛かるものも受け止めなさい』
『そうよ。大人しくしなさい』
『はい』
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