笑顔で冷遇する婚約者に疲れてしまいました

ユユ

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牽制の夕食

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【 ヒューゴの視点 】

泣き出したクリスティーナに心底血の気が引いた。
性急に進めすぎて嫌われたかと思った。
進む関係に驚いて涙が出ただけのようでホッとした。

クリスティーナは夜這いをかけるような女達とは違う。ゆっくり進めないと。
ダメだとは言うがクリスティーナの身体は間違いなく反応している。気持ちよさそうにしているからつい…

本当はあのままクリスティーナの中に入って自分のものにしたかった。
ベッドの上じゃなくて良かった。
美しい秘部が丸見えであるのと同時に机だということが視覚から理性を刺激した。

伯爵
「そうか、ヒューゴ殿はティアラのベッドを作ってくれたのですか」

伯爵夫人
「さっき見ましたけど、本当に可愛らしくて、ティアラも喜んでいましたわ」

子爵
「それは素敵な贈り物ですね」

子爵夫人
「若い頃のトキメキを思い出しますわ」


「子爵と子爵夫人は恋愛結婚ですか?」

子爵
「はい。元々は幼馴染でした」

エリン
「クリスティーナは素敵な方を見つけたのね」

リアム
「……」

グローシュ子爵家の息子リアムはクリスティーナのことが好きなのは、夕食前の挨拶で分かった。
“クリスティーナには婚約者がいますよ”とわざわざ言ったし、“いざとなればグローシュ家が面倒をみますから”とも言ったから。

多分、クリスティーナがヘインズと破局するのを待っているのだろう。

俺「リアム殿の婚約者は素晴らしい女性だとティナから聞きました。そろそろ結婚の時期ですよね?理由もなく婚約者を待たせるのは良くないですから。
式にはティナのパートナーとして参列しますね」

子爵
「そうですね。
リアム。おまえもフィアーヌも もう卒業しているし、事業も順調だ。今がいい時期だろう」

伯爵令息
「そうですよ。
またティナが閃いたら忙しくなりかねません」

クリスティーナ
「ヒューも参列するのですか?」


「当然だろう」

クリスティーナの手を取って、甲にキスをした。

子爵夫人
「まあまあ!ドキドキしちゃいますわ!」

エリン
「いいなぁ…愛されるって」

子爵夫人
「ハンス様だって優しいじゃないの」

エリン
「公子様とクリスティーナのような関係じゃありませんわ。やっぱり、女性は愛される方が幸せになれますわね」

伯爵夫人
「いつ頃にするか決まったら教えて欲しいわ」

子爵
「来年の中旬にします」

リアム
「父上!?」

子爵
「フィアーヌを待たせる理由は無いだろう?
既に卒業後はグローシュ邸に移り住んで仕事を手伝ってくれているじゃないか」

伯爵
「それはいけないな。早い方がいい。
実質嫁に来てしまっているのと同義だからな」

リアム
「っ!」


「義父上、ティナのウエディングドレスをセルヴィー産の特級絹布と特級絹レースで作る準備を進めてください。俺の妻のウエディングドレスですからジオ家で支払います」

クリスティーナ
「ヒューゴ様!?」

伯爵
「いや、ヒューゴ殿…あの絹布は…」


「価値は存じ上げております。
ジオ家には支払い能力はありますし、父も反対はしません。たとえジオ家が出さなくとも俺の個人資産で払えます。
クリスティーナにはその価値があります。
そうだよな?義兄上」

伯爵令息
「分かったよ、ヒューゴ。
だが、ティナが嫁ぐ前にそんなに使わせられないから、規格外のものを使うのはどうだ?」


「クリスティーナのウエディングドレスに規格外を使うなんて、」

伯爵令息
「ストップ。規格外といっても、遜色はない。
今提案しているのは新人の作り上げる布だ。糸から絹織、レース編みまで新人達が手掛ける。
もちろんベテランが指導するから合格品にはなるが、規格外として使う予定だった。
どうせ、指輪だの何だの金をかけるつもりなんだろう?ヒューゴは独占欲が強いからな」


「義兄上に任せるよ」

クリスティーナ
「お兄様までっ」

伯爵令息
「まあ落ち着いて。
布が織り上がるまで相当時間がかかるし、ヒューゴが自分の資産から注文したんだ、ティナが口を出す事じゃない。ティナの気持ちが変わらなくて無駄になったとしても、それはティナには関係ない」

伯爵
「そうだな。
将来クリスティーナがジオ夫人になったら口出ししなさい」

クリスティーナ
「お父様…」


「ティナの気分を害するつもりはないんだ。
俺はジオ家の跡継ぎだから金もある。だから心配は要らない。俺が勝手に買った物というだけだと考えてくれたらいい。
愛する女性をこうやって口説くことも捧げることも遠慮したくない。許してくれるね?」

クリスティーナ
「……はい」


「ありがとう。愛してるよ」

夫人やエリンは目を輝かせて騒いでいるし、義父上と子爵は笑顔だし、義兄上は少し呆れている。

そしてリアムは良く分かっただろう。
自分にとってクリスティーナは高嶺の花だと。


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