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栽培
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領地から王都に戻ると、1日早くお父様が到着していた。
「お帰りなさい、お父様」
「お帰り、クリスティーナ。
ヒューゴ殿も疲れたでしょう」
「お疲れ様です 義父上。
領地で手厚く持て成していただきました。
ティアラも俺のことを覚えていました」
「ヒューゴ様ったら、魚の干物を3種類も用意してティアラの気を引いていたんです」
「クリスティーナ。いつも通りでいいぞ」
じゃあ遠慮なく。
「ユーグ様も戻ったの?」
「管理人達と、うちの研究者や使用人達と、ジオ家から派遣された兵士達が残っているよ」
「ジオ家の?」
「ジオ公爵も視察に来てくださったんだ。
ヒューゴ殿が公爵に連絡をしてくれていた。後は当主同士で話し合うことになる」
ヒューゴ様を見ると微笑んでいた。
「義兄上から許可をいただいたので父に連絡を入れました。是非 栽培地をジオ公爵領にして欲しいとお願いしました。書類は届きましたか?」
「とんでもない誓約書を公爵が持っていらっしゃって驚きました。よく陛下の署名までいただけましたね」
「人生をかけていますからね」
「クリスティーナ、サブマ草を移して栽培が可能になったらジオ公爵領で展開させる」
「え?セルヴィーじゃなくて!?」
「希少なものが集まり過ぎて危険なんだ」
希少鳥の繁殖と高級羽毛、養蚕に高級絹。更には化粧品に美容品。そこにサブマ草が加わって、外部に知られたら危険ね。
「確かに。メルト家はどうなるの?」
「全部買い取りになったよ」
「全部?」
「土地建物ごと全部。メルト子爵の希望でね。手に負えないって言うんだ」
「一緒に行ったときは そのような感じはしなかったのに」
「実際にどんな人材を用意しなくてはならないのか説明をしたら無理だと悟ったようだ。
まず建物の改装と、増築か別棟が必要だ。そして使用人は全員身辺調査をした上で口の堅い者でなければならない。手紙や荷物は検閲は当たり前に行うし、口を滑らせたり手引きをすれば代償は命ということになる。始動すれば配達や業者は迂闊に中に通せない。そのための道や塀を作らねばならない。
兵士達は少数精鋭、実力は当然必要だし 使用人達同様に調査もした上で契約する。
誰かが漏らせばサブマ草を奪うために侵入して、働いている者達を殺す可能性が高い。
1つ2つ盗めばいいというものではない。かなり時間がかかるから、全員殺してサブマ草を数日かけて奪うだろう。そのときにメルト子爵が滞在していれば彼も殺される。
初期投資と人材確保と重責はメルト家にとって手に負えるものではないと判断したんだ。
変な欲を出さず、判断も早くて潔い。
彼はいい男だし、今後もメルト家とは付き合いを続けたいと思っている」
「安心したわ」
お父様の肩に頭を乗せた。
ヒューゴ様はジオ邸に戻り、私たちはゆっくり休んだ。
「え?公爵様と領地に?」
翌日の朝食で、お父様がジオ公爵と一緒にセルヴィー領へ向かうと教えてくれた。
「サブマ草をジオ公爵領で育てることが可能になれば環境を整えなければならないから、セルヴィー領に視察に来て参考にしたいらしい。
その後でもう一度別荘地へ向かうつもりだ」
「大変だったらサブマ草は諦めてもいいのに」
「発見してしまった以上は仕方ない。国に報告して任せるということも出来るが、手に負えないものを引き取ってやるという感じになるな。
希少薬草でも量が少ないし、繁殖させられるのか分からないから、国はメルト子爵にうちほどは支払わないだろう」
「……」
「大丈夫だ。移すことが叶わない場合、今生えているだけしか採れないのなら全て刈り取って、土地を焼こうと思っている。
あの収穫量では初期投資に加え赤字が続くだろうしリスクが高過ぎる。
馬鹿みたいに高い値をつけた商品を売り出さなくてはならなくなるし、一度出せば薬草がもう無いと言っても信じない者もいる。そうなるとまず狙われるのはセルヴィー領だ。
だったら全部採ったら生えないよう焼いた方がいい。採った分はこっそり領内で使うなり、セルヴィー家とジオ家とメルト家の当主とその家族だけで使ってしまうなりしてしまおうと思っている。
メルト子爵はサブマ湯にして使い切ろうかなと言っていたな。世界一贅沢な風呂になるだろうな」
「ふふっ 確かに」
そうだわ。あのことも一応報告しておかないと。
「実は、ユーグ様と別荘地へ行ったあと、シャルル様が訪ねてきて、セルヴィー家とメルト家の関わりを気にしていたの。
仕事だから説明する必要はないとはっきり伝えたけど、ヘインズ伯爵かシャルル様がユーグ様から聞き出そうとするかも」
「既に契約書を交わしているからメルト子爵が口を割ることはないはずだ。セルヴィーやジオ家を敵に回すような馬鹿じゃない」
よかったとホッとした2日後、お父様はジオ公爵と別荘地へ出発した。
だけど入れ替えにシャルル様の訪問があった。
「お帰りなさい、お父様」
「お帰り、クリスティーナ。
ヒューゴ殿も疲れたでしょう」
「お疲れ様です 義父上。
領地で手厚く持て成していただきました。
ティアラも俺のことを覚えていました」
「ヒューゴ様ったら、魚の干物を3種類も用意してティアラの気を引いていたんです」
「クリスティーナ。いつも通りでいいぞ」
じゃあ遠慮なく。
「ユーグ様も戻ったの?」
「管理人達と、うちの研究者や使用人達と、ジオ家から派遣された兵士達が残っているよ」
「ジオ家の?」
「ジオ公爵も視察に来てくださったんだ。
ヒューゴ殿が公爵に連絡をしてくれていた。後は当主同士で話し合うことになる」
ヒューゴ様を見ると微笑んでいた。
「義兄上から許可をいただいたので父に連絡を入れました。是非 栽培地をジオ公爵領にして欲しいとお願いしました。書類は届きましたか?」
「とんでもない誓約書を公爵が持っていらっしゃって驚きました。よく陛下の署名までいただけましたね」
「人生をかけていますからね」
「クリスティーナ、サブマ草を移して栽培が可能になったらジオ公爵領で展開させる」
「え?セルヴィーじゃなくて!?」
「希少なものが集まり過ぎて危険なんだ」
希少鳥の繁殖と高級羽毛、養蚕に高級絹。更には化粧品に美容品。そこにサブマ草が加わって、外部に知られたら危険ね。
「確かに。メルト家はどうなるの?」
「全部買い取りになったよ」
「全部?」
「土地建物ごと全部。メルト子爵の希望でね。手に負えないって言うんだ」
「一緒に行ったときは そのような感じはしなかったのに」
「実際にどんな人材を用意しなくてはならないのか説明をしたら無理だと悟ったようだ。
まず建物の改装と、増築か別棟が必要だ。そして使用人は全員身辺調査をした上で口の堅い者でなければならない。手紙や荷物は検閲は当たり前に行うし、口を滑らせたり手引きをすれば代償は命ということになる。始動すれば配達や業者は迂闊に中に通せない。そのための道や塀を作らねばならない。
兵士達は少数精鋭、実力は当然必要だし 使用人達同様に調査もした上で契約する。
誰かが漏らせばサブマ草を奪うために侵入して、働いている者達を殺す可能性が高い。
1つ2つ盗めばいいというものではない。かなり時間がかかるから、全員殺してサブマ草を数日かけて奪うだろう。そのときにメルト子爵が滞在していれば彼も殺される。
初期投資と人材確保と重責はメルト家にとって手に負えるものではないと判断したんだ。
変な欲を出さず、判断も早くて潔い。
彼はいい男だし、今後もメルト家とは付き合いを続けたいと思っている」
「安心したわ」
お父様の肩に頭を乗せた。
ヒューゴ様はジオ邸に戻り、私たちはゆっくり休んだ。
「え?公爵様と領地に?」
翌日の朝食で、お父様がジオ公爵と一緒にセルヴィー領へ向かうと教えてくれた。
「サブマ草をジオ公爵領で育てることが可能になれば環境を整えなければならないから、セルヴィー領に視察に来て参考にしたいらしい。
その後でもう一度別荘地へ向かうつもりだ」
「大変だったらサブマ草は諦めてもいいのに」
「発見してしまった以上は仕方ない。国に報告して任せるということも出来るが、手に負えないものを引き取ってやるという感じになるな。
希少薬草でも量が少ないし、繁殖させられるのか分からないから、国はメルト子爵にうちほどは支払わないだろう」
「……」
「大丈夫だ。移すことが叶わない場合、今生えているだけしか採れないのなら全て刈り取って、土地を焼こうと思っている。
あの収穫量では初期投資に加え赤字が続くだろうしリスクが高過ぎる。
馬鹿みたいに高い値をつけた商品を売り出さなくてはならなくなるし、一度出せば薬草がもう無いと言っても信じない者もいる。そうなるとまず狙われるのはセルヴィー領だ。
だったら全部採ったら生えないよう焼いた方がいい。採った分はこっそり領内で使うなり、セルヴィー家とジオ家とメルト家の当主とその家族だけで使ってしまうなりしてしまおうと思っている。
メルト子爵はサブマ湯にして使い切ろうかなと言っていたな。世界一贅沢な風呂になるだろうな」
「ふふっ 確かに」
そうだわ。あのことも一応報告しておかないと。
「実は、ユーグ様と別荘地へ行ったあと、シャルル様が訪ねてきて、セルヴィー家とメルト家の関わりを気にしていたの。
仕事だから説明する必要はないとはっきり伝えたけど、ヘインズ伯爵かシャルル様がユーグ様から聞き出そうとするかも」
「既に契約書を交わしているからメルト子爵が口を割ることはないはずだ。セルヴィーやジオ家を敵に回すような馬鹿じゃない」
よかったとホッとした2日後、お父様はジオ公爵と別荘地へ出発した。
だけど入れ替えにシャルル様の訪問があった。
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