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続編:シャルルと王女
訃報
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国王陛下から呼び出しを受けた。てっきり結婚から1年経つからだと思っていた。
陛下はカップに手を添えてもなかなか飲もうとしないままでいた。考え事をしているのか言い辛いことなのか。
冷めた頃に一気に飲み干し、僕と目を合わせた。
「シャルル…そなたの弟君が亡くなったそうだ」
「そんなまさか…」
「領地で乗馬中に小動物が飛び出してきて、驚いた馬に振り落とされたと書いてある」
手紙を受け取ると、本当にそう書いてあった。
「帰国するといい」
「ありがとうございます」
「シャルル、ヘインズ家の男兄弟はそなたを合わせて2人だと聞いている」
「そうです」
「ヘインズ伯爵は戻ってきて欲しいんじゃないのか?」
「だとしても僕にはもう関係ありません。僕はパリサ王女殿下と結婚しましたので。
父は僕を他国へ出して弟を跡継ぎにした日から、何かあれば親戚から養子を迎えることも覚悟したはずです」
「では、ヘインズ伯爵に頼まれても断るのだな?」
「はい。もう僕の家族はここにいますから」
「そうか。パリサは素晴らしい婿を選んだな。慈善活動の評判もすごくいい」
「できることが少ないので、せめてその少ない中で一生懸命取り組ませていただきます」
「分かった。
では、里帰りの支度を、…どうした」
陛下の近侍が入室して陛下の側に立った。
「ジェルヴェ王子殿下が至急お話があるとドアの前に起こしです」
「ジェルヴェが?…仕方ない、通せ」
ジェルヴェと入れ替えで退室しようとしたら引き止められた。
「待って、シャルも居て」
「……」
「父上、突然押し掛けて申し訳ございません」
「シャルルと関係あることか?」
「私もシャルと一緒に行きたいんです」
「どこに?」
「シャルの母国に」
「駄目だ」
「父上!」
「確かにこの1年で安定してきたし体力もついた。だが根本が解決したわけじゃない。2つ先の国だぞ!」
「手厚く治療もしてもらえて感謝しております。
ですがこのままでは心残りです。ずっと同じ景色しか見られずに死ぬのを待てとおっしゃるのですか」
「…シャルルは遊びに行くのではない。実弟の弔いに行くのだぞ。ジェルヴェの世話を頼むわけにはいかない。それに何かあれば多大な迷惑をかけることになる。王都内や王宮内のように道は整備されていない。体調が悪くなっても大した対応もできない。もし死んだら焼いて連れ戻すしかなくなる」
「焼かれたっていいです。そのときは死んでいてわかりませんから」
「駄目だ。
シャルル、行ってくれ。支度があるだろう」
「…失礼いたします」
2人が揉めている最中に退室しルビー宮へ戻った。
王女を探すと、孤児院の子供達の名をハンカチに刺繍していた。
「パリサ」
「シャルル様」
「…名前だけのものと絵柄付きがあるのとに分かれているけど、何か意味があるのかな?」
「名前の他に絵柄が付いている物は、刺繍を習いたいと希望している子の分です。簡単な花の刺繍にしました。それを手本にして刺繍をしてもらう予定です」
「なるほど、良い考えだ」
「何かご用でしたか?」
「パリサに話を聞いて欲しい」
「…どうぞ座ってください」
パリサは刺繍を止めて僕を見た。
「弟が死んだ」
「亡くなった!?」
「落馬らしい。それで陛下が里帰りを勧めてくださった」
「出席はいつですか」
「僕と護衛の支度ができ次第。
実はルヴェが僕の里帰りについて行きたいと陛下に直談判しにきて却下されていた。僕は途中で退室したからその後のことは知らない」
「ジェルヴェに長旅は無理です」
「命懸けなのは本人も分かっているよ」
「だったら」
「僕がルヴェでも同じことを言うと思う。彼はあの部屋の中で長生きしたいんじゃない。人生の楽しさを感じたいんだ。そのために生きることを諦めずにいられるんだ。違う景色を見て風を感じて感動したいんだよ」
「死んでしまっても?」
「さすがに行き先が遠過ぎるけど、ルヴェは後悔しないはずだ。まあ、陛下とイリーナ妃がお決めになることだけどね」
「……」
「ごめんね。報告と、ルヴェのことを聞いて欲しかったんだ。しばらく留守にするけど、何かあったら1人で悩んだり我慢したりしないでゼブラン王太子殿下に相談して欲しい」
「わかりました」
自分の部屋に戻り荷造りを始めた。
陛下はカップに手を添えてもなかなか飲もうとしないままでいた。考え事をしているのか言い辛いことなのか。
冷めた頃に一気に飲み干し、僕と目を合わせた。
「シャルル…そなたの弟君が亡くなったそうだ」
「そんなまさか…」
「領地で乗馬中に小動物が飛び出してきて、驚いた馬に振り落とされたと書いてある」
手紙を受け取ると、本当にそう書いてあった。
「帰国するといい」
「ありがとうございます」
「シャルル、ヘインズ家の男兄弟はそなたを合わせて2人だと聞いている」
「そうです」
「ヘインズ伯爵は戻ってきて欲しいんじゃないのか?」
「だとしても僕にはもう関係ありません。僕はパリサ王女殿下と結婚しましたので。
父は僕を他国へ出して弟を跡継ぎにした日から、何かあれば親戚から養子を迎えることも覚悟したはずです」
「では、ヘインズ伯爵に頼まれても断るのだな?」
「はい。もう僕の家族はここにいますから」
「そうか。パリサは素晴らしい婿を選んだな。慈善活動の評判もすごくいい」
「できることが少ないので、せめてその少ない中で一生懸命取り組ませていただきます」
「分かった。
では、里帰りの支度を、…どうした」
陛下の近侍が入室して陛下の側に立った。
「ジェルヴェ王子殿下が至急お話があるとドアの前に起こしです」
「ジェルヴェが?…仕方ない、通せ」
ジェルヴェと入れ替えで退室しようとしたら引き止められた。
「待って、シャルも居て」
「……」
「父上、突然押し掛けて申し訳ございません」
「シャルルと関係あることか?」
「私もシャルと一緒に行きたいんです」
「どこに?」
「シャルの母国に」
「駄目だ」
「父上!」
「確かにこの1年で安定してきたし体力もついた。だが根本が解決したわけじゃない。2つ先の国だぞ!」
「手厚く治療もしてもらえて感謝しております。
ですがこのままでは心残りです。ずっと同じ景色しか見られずに死ぬのを待てとおっしゃるのですか」
「…シャルルは遊びに行くのではない。実弟の弔いに行くのだぞ。ジェルヴェの世話を頼むわけにはいかない。それに何かあれば多大な迷惑をかけることになる。王都内や王宮内のように道は整備されていない。体調が悪くなっても大した対応もできない。もし死んだら焼いて連れ戻すしかなくなる」
「焼かれたっていいです。そのときは死んでいてわかりませんから」
「駄目だ。
シャルル、行ってくれ。支度があるだろう」
「…失礼いたします」
2人が揉めている最中に退室しルビー宮へ戻った。
王女を探すと、孤児院の子供達の名をハンカチに刺繍していた。
「パリサ」
「シャルル様」
「…名前だけのものと絵柄付きがあるのとに分かれているけど、何か意味があるのかな?」
「名前の他に絵柄が付いている物は、刺繍を習いたいと希望している子の分です。簡単な花の刺繍にしました。それを手本にして刺繍をしてもらう予定です」
「なるほど、良い考えだ」
「何かご用でしたか?」
「パリサに話を聞いて欲しい」
「…どうぞ座ってください」
パリサは刺繍を止めて僕を見た。
「弟が死んだ」
「亡くなった!?」
「落馬らしい。それで陛下が里帰りを勧めてくださった」
「出席はいつですか」
「僕と護衛の支度ができ次第。
実はルヴェが僕の里帰りについて行きたいと陛下に直談判しにきて却下されていた。僕は途中で退室したからその後のことは知らない」
「ジェルヴェに長旅は無理です」
「命懸けなのは本人も分かっているよ」
「だったら」
「僕がルヴェでも同じことを言うと思う。彼はあの部屋の中で長生きしたいんじゃない。人生の楽しさを感じたいんだ。そのために生きることを諦めずにいられるんだ。違う景色を見て風を感じて感動したいんだよ」
「死んでしまっても?」
「さすがに行き先が遠過ぎるけど、ルヴェは後悔しないはずだ。まあ、陛下とイリーナ妃がお決めになることだけどね」
「……」
「ごめんね。報告と、ルヴェのことを聞いて欲しかったんだ。しばらく留守にするけど、何かあったら1人で悩んだり我慢したりしないでゼブラン王太子殿下に相談して欲しい」
「わかりました」
自分の部屋に戻り荷造りを始めた。
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