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第五章 サザンポール亜大陸にて
5ー13 ベランドル温泉郷 その二
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バウマン子爵領内での騒乱に関わり、止むを得ざる仕儀とはいえ、マルコ達が予定外の大活躍をしてしまったことから、エルクダルト王国内では非常に目立つ存在になる恐れがありました。
別にここでも逃避行というわけではないのですが、護衛のゴーレムを変えたり、馬を変えたりと、いろいろ目先を変えて誤魔化す手法は一応は講じましたよ。
けれど、一番の方法は、とにかくエルクダルト王国を出て、一刻も早く隣国のベナレス王国に逃げ込むことでした。
そのために、普通であれば隊商と合流してのんびりと旅をする予定でしたけれど、今回ばかりはそれを放棄して、周囲に異様と感じさせる危険を承知しつつ、馬車一台と護衛四騎での急ぎ旅を敢行したのでした。
ベナレス王国に入っても、国境近くでは何時マルコ達の噂が聞こえて来るかはわかりませんので、アープで一泊したぐらいで、また少し急ぎ目の旅に戻ったのです。
隊商に合流する旅は、ベランドル温泉郷を出てからということにしているのです。
ベランドル温泉郷の中での移動は、隊商と一緒というわけにも行きませんから、マルコ達の馬車と護衛だけの移動になります。
温泉郷の一帯でも必ずしも治安が良いとは言えないようで、クレオマルデスの女将の話では、一月ほど前に温泉への旅行客が襲撃され、全員が惨殺死体となって発見されたそうで、馬車と金品は強奪されていたようです。
まぁ、マルコ達の場合は、仮に数百人規模の盗賊が襲撃してきても余裕で討伐できるだけの戦力があります。
マイジロン大陸の東端アルビラ港に着いた時には、マルコとカラガンダ夫妻のほかには、執事、メイドに御者という三体のアンドロイド型ゴーレムがついているだけでしたが、今や、船員三体、護衛十体、コックが一体と頼れる相棒たちが増えており、合わせて17体のアンドロイド型ゴーレムが存在します。
普段は力を抑えていますが、フルに力を発動すれば、まさしく一騎当千の戦闘力を持っていますから、マルコがほとんど前面に出る必要もありません。
マルコは要所要所で勘所を抑えた包括的な指示を出すだけでよいのです。
今現在はベランドル温泉郷のエルマ宿にあって、のんびりと散策と温泉を楽しんでいます。
マイジロン大陸ならば、12ビセットの初めのこの時期は、紅葉真っ盛りなのでしょうけれど、あいにくとサザンポール亜大陸は少し黄色づいた程度ですね。
この分では、中央山地に行くまでこの亜大陸では綺麗な紅葉は見られないのかもしれません。
クレオマルデスの宿で四日目には、ステラ義母様専用の美肌活性ポーションを生み出し、メイド役のエマに使用方法とマッサージを伝授し、さっそくに夕食後には風呂上りにマッサージを始めています。
ステラ義母様の皮膚から吸収されたポーションの薬効成分は、じわじわと体内に浸透し、体内の細胞を活性化するのです。
また、もみほぐし等のマッサージ効果による疲労回復もばかにできないようで、翌朝からステラ義母様曰く、近年になく、身体が軽いそうです。
ふむ、これはカラガンダ義父様の分も調合する必要があるかもしれませんね。
マッサージ師(美容師?)の役目は、執事のセバスに任せましょう。
結局、マルコがエルマ宿にいる間は、暇を見つけては、若返りポーションを作ってばかりいました。
エルマ宿に来て七日目、今日は宿を引き払って次のアブレンス宿に向かう日です。
七日も逗留していると、宿の従業員ともすっかり顔なじみなりました。
仲居さん曰く、十名という人数で六泊もするお客さんは初めてのことだそうでした。
宿を出るときには、女将さんと大勢の従業員に見送られながらの出立でした。
今回は、宿泊の間、護衛のアンドロイド型ゴーレムは、散策等に付き合っても戦闘などの場面がありませんでしたが、平和なことは良いことですよね。
生憎とエルマ宿を出て半刻と経たずに、十名ほどの野党が襲ってきて安寧は破られましたが、四名の護衛がそれこそ瞬殺で全員を討伐してしまいました。
マルコが事前に明確な指示を与えていることもあって、護衛たちには瞬時の躊躇いもありませんでした。
馬車につながる亜空間の居間に居て、ゆっくりとお茶を楽しんでいた義父様と義母様が野盗の襲来を知らないうちに全てが終わっていました。
マルコも居間にいましたけれど、居間に居ながらにして外の様子を完ぺきに把握していますよ。
盗賊や野党達のアジトが近傍にあるならば潰しておくべきかと思いましたが、あいにくと盗賊どもは全員が出張ってきていたようで、周辺を索敵で探索しても不審者がいるような場所は見つかりませんでした。
仕方がないので、いつものように葬送の炎で盗賊の遺体を焼き尽くして処理をしています。
陽が斜めにさすようになる頃には、次の目的地であるアブレンス宿に到着しました。
ここでの宿は、エルマ宿で情報を得ていた「ペンホマタン」に取り敢えず内定しており、そのまま直行です。
幸いにしてペンホマタンの宿には十名が泊まれる余裕があり、しかも六泊の連泊が可能でした。
ここでも義父様と義母様は温泉三昧と散策がメインですね。
風呂上がりのマッサージも二人の慣例になりそうです。
マルコは、エルマ宿に冒険者ギルドの支部があるので、少なくとも一度はクエストを受けて置くつもりです。
ベンホマタンは、築二十年の建物で、創業がその年なんだそうですよ。
このため、他の宿との差別化を図るために色々と工夫を凝らしているようです。
例えば温泉の湯を引き込んでいるプールは、非常に大きなもので、円周がおよそ150尋にもなる長円形の幅広の水路です。
その中央部には、子供たちも遊べるようにさまざまに工夫のされた滑り台などの遊具が設置されていて、若い人たちや子供たちに人気なのだそうです。
この宿は一応は高級宿として知られていますが、比較的安い料金で泊まれる別館もあり、そちらは年内も予約でいっぱいなんだそうです。
どこにでも商売上手は居るものなんですね。
この宿も魔道具としての汲み上げポンプを設置していますので、二階のマルコ達の部屋にまで温泉のお湯が来ています。
クレオマルデスと同様に、専用の風呂桶が室内の一部に備えられていますが、こちらはクレオマルデスのように風呂桶に入ったまま外の景色を眺められるようにはなっていません。
何でも昔はベランダに風呂桶が有って風景を楽しめるような造りになっていたらしいのですが、近場の丘や建物の屋上から覗きをする不届き者が横行したために、現在の部屋の浴室は外からの視界が目の細かい簾で遮られており、内部からの景色もぼんやり見えるという程度です。
そうした外の風景を楽しみたい人は水着を着て、大きなプールに行けばガラス張りの壁越しに冬場でも風景を楽しめるようですね。
特に大人も楽しめるという大型の遊具は、一見の価値がありそうです。
マルコは、日本人金谷の記憶にあるレジャーランドを思い起こしていました。
その記憶にあるようないろいろな器具や遊び道具を開発すれば、より多くのお客さんが呼べるかもしれません。
でも、そのアイデアは、別世界のものですから、ホイホイと公開したりはしませんよ。
もし当該アイデアを使うとするなら、生まれ故郷に戻ってからにするつもりです。
マルコはアブレンス宿に着いた翌日に、冒険者ギルドを訪ねました。
アブレンスはある意味で山の中ですので、人家から離れると魔物が横行する場所になりますので、魔木クラス用の常設依頼には薬草採取がありませんでした。
マルコが受けられるクエストは、町中の雑用に限られるようです。
そもそもこの町には魔木クラスの冒険者はほとんどいないのだそうです。
一つには周辺に比較的危険な場所が多いため、10歳になったばかりの子は、アブレンスから離れて、ふもとの町のリズベラで登録を行うのだそうです。
リスベラで十分な経験を踏んでからアブレンス宿に戻ってくる者もいるようですけれど、さほど金になりそうな魔物もいないことから、この近辺で活動する冒険者の総数が少なく、冒険者ギルドの所帯としては小さい方になりますね。
大きなギルドからの依頼により、定期的に周辺の魔物狩りのために出張ってくる冒険者が居るのだそうですよ。
マルコが今回受けたのは、アブレンス宿のごみ処理場のお手伝いです。
近代的な都市の場合は、種々の燃えるゴミで溢れているわけですけれど、中世時代のような世界では燃えるようなごみは少ないのです。
むしろ、燃えるようなものは燃料として竈や暖炉などで使用されてしまいます。
ですから、廃棄物として出てくるのは、燃えにくいものや、燃えない陶器などの破片になりますね。
そのために、処理場で行う仕事は穴を掘って埋めるだけになります。
マルコのお仕事は、まずはごみの分別をすることです。
例えば残飯などは、適切に処理してやると肥料として使えるので、たい肥を作る場所へ移動させますし、陶器の破片などは、種類ごとに分けて異なる穴への投機になります。
残念ながら労賃は非常に安いのでほとんどなり手がおらず、年老いた爺さんが細々と処理をしているようですね。
マルコの場合、労賃が安くても構わないのです。
昼日中の作業で、実績が認められれば、また三か月の猶予期間ができますので、それだけが狙いです。
クラスによる仕分けが無ければ、魔物退治などもできますけれど、それは成人してから正式なクエストを受けることにするつもりでいます。
マルコのクエストは、ディルク爺さんの話し相手になりながらごみの分別をしてつつ既定の処理をすることで無事に終わりました。
久方ぶりの手伝いがやってきて、話し相手になってくれたので、ディルク爺さんが一番喜んでいましたね。
あぁ、ごみの収集はディルク爺さんの仕事ではないんです。
カラガンダ翁と同じぐらいの年齢ディルク爺さんが、街中のごみを収集してくるのはさすがに無理みたいですね。
処理場まで不用品やごみを運んでくるのは、街の住人の仕事なんです。
たまに壊れてしまった家具などの木工品が持ち込まれますけれど、そういったものは屋根のある場所で一時的に保管され、再利用できるものについては誰でも勝手に持ち出しても良いようになっているようです。
再利用も叶わなければ、薪にして燃料にすることになりますね。
ですから一応の保管場所はありますけれど、あまり貯まっては居ませんでした。
別にここでも逃避行というわけではないのですが、護衛のゴーレムを変えたり、馬を変えたりと、いろいろ目先を変えて誤魔化す手法は一応は講じましたよ。
けれど、一番の方法は、とにかくエルクダルト王国を出て、一刻も早く隣国のベナレス王国に逃げ込むことでした。
そのために、普通であれば隊商と合流してのんびりと旅をする予定でしたけれど、今回ばかりはそれを放棄して、周囲に異様と感じさせる危険を承知しつつ、馬車一台と護衛四騎での急ぎ旅を敢行したのでした。
ベナレス王国に入っても、国境近くでは何時マルコ達の噂が聞こえて来るかはわかりませんので、アープで一泊したぐらいで、また少し急ぎ目の旅に戻ったのです。
隊商に合流する旅は、ベランドル温泉郷を出てからということにしているのです。
ベランドル温泉郷の中での移動は、隊商と一緒というわけにも行きませんから、マルコ達の馬車と護衛だけの移動になります。
温泉郷の一帯でも必ずしも治安が良いとは言えないようで、クレオマルデスの女将の話では、一月ほど前に温泉への旅行客が襲撃され、全員が惨殺死体となって発見されたそうで、馬車と金品は強奪されていたようです。
まぁ、マルコ達の場合は、仮に数百人規模の盗賊が襲撃してきても余裕で討伐できるだけの戦力があります。
マイジロン大陸の東端アルビラ港に着いた時には、マルコとカラガンダ夫妻のほかには、執事、メイドに御者という三体のアンドロイド型ゴーレムがついているだけでしたが、今や、船員三体、護衛十体、コックが一体と頼れる相棒たちが増えており、合わせて17体のアンドロイド型ゴーレムが存在します。
普段は力を抑えていますが、フルに力を発動すれば、まさしく一騎当千の戦闘力を持っていますから、マルコがほとんど前面に出る必要もありません。
マルコは要所要所で勘所を抑えた包括的な指示を出すだけでよいのです。
今現在はベランドル温泉郷のエルマ宿にあって、のんびりと散策と温泉を楽しんでいます。
マイジロン大陸ならば、12ビセットの初めのこの時期は、紅葉真っ盛りなのでしょうけれど、あいにくとサザンポール亜大陸は少し黄色づいた程度ですね。
この分では、中央山地に行くまでこの亜大陸では綺麗な紅葉は見られないのかもしれません。
クレオマルデスの宿で四日目には、ステラ義母様専用の美肌活性ポーションを生み出し、メイド役のエマに使用方法とマッサージを伝授し、さっそくに夕食後には風呂上りにマッサージを始めています。
ステラ義母様の皮膚から吸収されたポーションの薬効成分は、じわじわと体内に浸透し、体内の細胞を活性化するのです。
また、もみほぐし等のマッサージ効果による疲労回復もばかにできないようで、翌朝からステラ義母様曰く、近年になく、身体が軽いそうです。
ふむ、これはカラガンダ義父様の分も調合する必要があるかもしれませんね。
マッサージ師(美容師?)の役目は、執事のセバスに任せましょう。
結局、マルコがエルマ宿にいる間は、暇を見つけては、若返りポーションを作ってばかりいました。
エルマ宿に来て七日目、今日は宿を引き払って次のアブレンス宿に向かう日です。
七日も逗留していると、宿の従業員ともすっかり顔なじみなりました。
仲居さん曰く、十名という人数で六泊もするお客さんは初めてのことだそうでした。
宿を出るときには、女将さんと大勢の従業員に見送られながらの出立でした。
今回は、宿泊の間、護衛のアンドロイド型ゴーレムは、散策等に付き合っても戦闘などの場面がありませんでしたが、平和なことは良いことですよね。
生憎とエルマ宿を出て半刻と経たずに、十名ほどの野党が襲ってきて安寧は破られましたが、四名の護衛がそれこそ瞬殺で全員を討伐してしまいました。
マルコが事前に明確な指示を与えていることもあって、護衛たちには瞬時の躊躇いもありませんでした。
馬車につながる亜空間の居間に居て、ゆっくりとお茶を楽しんでいた義父様と義母様が野盗の襲来を知らないうちに全てが終わっていました。
マルコも居間にいましたけれど、居間に居ながらにして外の様子を完ぺきに把握していますよ。
盗賊や野党達のアジトが近傍にあるならば潰しておくべきかと思いましたが、あいにくと盗賊どもは全員が出張ってきていたようで、周辺を索敵で探索しても不審者がいるような場所は見つかりませんでした。
仕方がないので、いつものように葬送の炎で盗賊の遺体を焼き尽くして処理をしています。
陽が斜めにさすようになる頃には、次の目的地であるアブレンス宿に到着しました。
ここでの宿は、エルマ宿で情報を得ていた「ペンホマタン」に取り敢えず内定しており、そのまま直行です。
幸いにしてペンホマタンの宿には十名が泊まれる余裕があり、しかも六泊の連泊が可能でした。
ここでも義父様と義母様は温泉三昧と散策がメインですね。
風呂上がりのマッサージも二人の慣例になりそうです。
マルコは、エルマ宿に冒険者ギルドの支部があるので、少なくとも一度はクエストを受けて置くつもりです。
ベンホマタンは、築二十年の建物で、創業がその年なんだそうですよ。
このため、他の宿との差別化を図るために色々と工夫を凝らしているようです。
例えば温泉の湯を引き込んでいるプールは、非常に大きなもので、円周がおよそ150尋にもなる長円形の幅広の水路です。
その中央部には、子供たちも遊べるようにさまざまに工夫のされた滑り台などの遊具が設置されていて、若い人たちや子供たちに人気なのだそうです。
この宿は一応は高級宿として知られていますが、比較的安い料金で泊まれる別館もあり、そちらは年内も予約でいっぱいなんだそうです。
どこにでも商売上手は居るものなんですね。
この宿も魔道具としての汲み上げポンプを設置していますので、二階のマルコ達の部屋にまで温泉のお湯が来ています。
クレオマルデスと同様に、専用の風呂桶が室内の一部に備えられていますが、こちらはクレオマルデスのように風呂桶に入ったまま外の景色を眺められるようにはなっていません。
何でも昔はベランダに風呂桶が有って風景を楽しめるような造りになっていたらしいのですが、近場の丘や建物の屋上から覗きをする不届き者が横行したために、現在の部屋の浴室は外からの視界が目の細かい簾で遮られており、内部からの景色もぼんやり見えるという程度です。
そうした外の風景を楽しみたい人は水着を着て、大きなプールに行けばガラス張りの壁越しに冬場でも風景を楽しめるようですね。
特に大人も楽しめるという大型の遊具は、一見の価値がありそうです。
マルコは、日本人金谷の記憶にあるレジャーランドを思い起こしていました。
その記憶にあるようないろいろな器具や遊び道具を開発すれば、より多くのお客さんが呼べるかもしれません。
でも、そのアイデアは、別世界のものですから、ホイホイと公開したりはしませんよ。
もし当該アイデアを使うとするなら、生まれ故郷に戻ってからにするつもりです。
マルコはアブレンス宿に着いた翌日に、冒険者ギルドを訪ねました。
アブレンスはある意味で山の中ですので、人家から離れると魔物が横行する場所になりますので、魔木クラス用の常設依頼には薬草採取がありませんでした。
マルコが受けられるクエストは、町中の雑用に限られるようです。
そもそもこの町には魔木クラスの冒険者はほとんどいないのだそうです。
一つには周辺に比較的危険な場所が多いため、10歳になったばかりの子は、アブレンスから離れて、ふもとの町のリズベラで登録を行うのだそうです。
リスベラで十分な経験を踏んでからアブレンス宿に戻ってくる者もいるようですけれど、さほど金になりそうな魔物もいないことから、この近辺で活動する冒険者の総数が少なく、冒険者ギルドの所帯としては小さい方になりますね。
大きなギルドからの依頼により、定期的に周辺の魔物狩りのために出張ってくる冒険者が居るのだそうですよ。
マルコが今回受けたのは、アブレンス宿のごみ処理場のお手伝いです。
近代的な都市の場合は、種々の燃えるゴミで溢れているわけですけれど、中世時代のような世界では燃えるようなごみは少ないのです。
むしろ、燃えるようなものは燃料として竈や暖炉などで使用されてしまいます。
ですから、廃棄物として出てくるのは、燃えにくいものや、燃えない陶器などの破片になりますね。
そのために、処理場で行う仕事は穴を掘って埋めるだけになります。
マルコのお仕事は、まずはごみの分別をすることです。
例えば残飯などは、適切に処理してやると肥料として使えるので、たい肥を作る場所へ移動させますし、陶器の破片などは、種類ごとに分けて異なる穴への投機になります。
残念ながら労賃は非常に安いのでほとんどなり手がおらず、年老いた爺さんが細々と処理をしているようですね。
マルコの場合、労賃が安くても構わないのです。
昼日中の作業で、実績が認められれば、また三か月の猶予期間ができますので、それだけが狙いです。
クラスによる仕分けが無ければ、魔物退治などもできますけれど、それは成人してから正式なクエストを受けることにするつもりでいます。
マルコのクエストは、ディルク爺さんの話し相手になりながらごみの分別をしてつつ既定の処理をすることで無事に終わりました。
久方ぶりの手伝いがやってきて、話し相手になってくれたので、ディルク爺さんが一番喜んでいましたね。
あぁ、ごみの収集はディルク爺さんの仕事ではないんです。
カラガンダ翁と同じぐらいの年齢ディルク爺さんが、街中のごみを収集してくるのはさすがに無理みたいですね。
処理場まで不用品やごみを運んでくるのは、街の住人の仕事なんです。
たまに壊れてしまった家具などの木工品が持ち込まれますけれど、そういったものは屋根のある場所で一時的に保管され、再利用できるものについては誰でも勝手に持ち出しても良いようになっているようです。
再利用も叶わなければ、薪にして燃料にすることになりますね。
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