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第三章 学院生活編
3ー32 王都にて
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ハーイ、ヴィオラです。
夏休みの終わりを見越して、学院の始まる二日ほど前には、王都に戻って参りました。
今回は、予想もしなかった第四王女エミリア様のロデアル訪問があったため、当初予定していた計画の半分ができませんでした。
それでも、何とか出来る範囲のことはやったつもりです。
お父様やお母様の守護のために、万が一の際に結界を張ったり、身代わりになるような身の回りの品を造ったのです。
一つは毛色の変わった式神の類になりますけれど、名刺サイズの縦割り半分ほどの薄板に魔方陣を描いた護符です。
これは、魔法攻撃若しくは物理攻撃で命が脅かされた場合において、護符の薄板が割れることで一回限りの身代わりになるんです。
そうしてこの身代わりが発動すると同時に展開する結界発生の魔道具として、腕輪を造りました。
銀製の腕輪(ブレスレット・バングル)で有り、特段の装飾はしていませんが、逆に普段使っていても邪魔にならず、また目立たないものにしました。
但し、この二つの道具は、毒に対しては効力がありません。
毒見については、傍についている侍従や侍女に任せましょう。
一応そのための魔道具として、毒に反応する金属製の小さな薄板を造って配分しています。
毒見のために薄板を触れさせるか、若しくは、薄板の角を食べ物に差し込むだけで毒の有無が分かる優れものなんです。
やや薄青の金属片が毒を感知すると赤く変色し、わずかに発光しますのですぐにわかります。
お父様やお母様にも一応持たせてはいるのでけれど、毒見は普通側付きの者がするものなので、お父様やお母様がするとなればよほどの場合に限られるでしょうね。
そうして護符と腕輪、それに毒見のための金属片は、お兄様やお姉さまにも渡しています。
私(ヴィオラ))の分ですか?
私(ヴィオラ)の場合は、鑑定の能力で毒が有ればすぐに見破れますので毒見の魔道具は必要ありません。
それと、身代わり護符や結界の腕輪の代わりに、身体の周囲に私の能力で常時結界を張っていますから、私(ヴィオラ)に物理的攻撃や魔法での攻撃は効かないんです。
ですから、私(ヴィオラ)にはこれらの道具は必要がありませんけれど、家族や側付きの者が心配するので、皆とお揃いになるようダミーは付けているんですよ。
因みに、エミリア王女にも護符と腕輪を渡していますが、詳しい話はしていません。
「お守りです。」としか説明しておらず、単なるプレゼントで渡しました。
身に着けていれば、ちゃんと機能するんですけれどね。
この情報が広がると欲しがる人が増えますからね。
飽くまで私(ヴィオラ)に近しい人への限定的な贈り物なんです。
◇◇◇◇
それと今回の帰省中、前回はロデアル領内にある三つの孤児院のうち、一つだけにしか訪問していませんでしたから、今回は残り二つを回って工房の見習い職人を選抜してきました。
今回は、採用したのは4人です。
夏休み中、例によって屋敷の裏手にある古い使用人寮で訓練とお勉強をし、私(ヴィオラ)が王都に戻る際に四人を連れて来たのです。
今回は、植物の育成に相応しいスキル(農民スキル)を持った者2名、それに錬金術と木工に潜在能力を持つ者各一名を確保しました。
近い将来、懸案になりそうな稲の栽培は、クロイゼンハルト公国での秋の実りを確認してからでなければ話が進みそうにありませんけれど、いずれ私(ヴィオラ)の農園で稲の栽培をしてもらうことになると思うんです。
そのためにも植物の育成に必要な農民スキルを持つ者は大事なんです。
当座は、地下の実験農場で果樹園の育成と他の希少作物の栽培に寄与してもらうつもりでいます。
果樹園ではブドウ栽培を最初に行いますけれど、特に品種改良を進めるつもりでいます。
ワインづくりに最適な品種と、食用のブドウを育てたいのです。
これらが上手く行けば、ロデアル領内の新しい特産物として農民に教えることができるでしょう。
問題は、品種改良したものを盗まれないようにすることでしょうけれど、それはまた、ロデアルで栽培可能になった時点で考えましょう。
もう一つの希少作物ですけれど、こちらはキノコの栽培を考えています。
この世界ではキノコは天然物だけで人工栽培はしていないのです。
キノコの人工栽培も実現には色々問題があるのですけれど、農民スキルのLv3を持っている二人と試行錯誤しながら始めるつもりです。
前世でもマツタケなどは人工栽培ができないものでしたけれど、それ以外のものは結構人工栽培が可能でしたよね。
この世界でも食用になるキノコで似たような品種がありそうなので、人工栽培が可能ではないかと思っているのです。
これも成功すればロデアルの特産品になると思うのです。
いずれにしろ、私(ヴィオラ)の工房の見習い職人がまた増えて、王都での毎日が始まりました。
🔷◇🔶◇🔷◇🔶
エミリア王女の暗殺未遂に絡んで、多くの人が死亡しましたけれど、その所為で王宮は結構大騒ぎだったようですね。
私(ヴィオラ)が王都に戻った時には、事件の真の首謀者だったアマーリア様も、私(ヴィオラ)が密かに盛った毒により、既に亡くなっていました。
常識的に考えて、私(ヴィオラ)はずっとロデアルに滞在していたわけなので、加害者であるわけもありませんよね。
でも、王都に戻ったなら、王族の一員の逝去に対して哀悼の意を表するために喪服を着なければならないのです。
王族で直系の者は一年間、非直系の王族は四カ月間、貴族についてはその子女も含めて王都にいる際は、葬儀が行われてから一月の間の喪服着用が慣例となっています。
葬儀は、夏休みが終わる十日ほど前に行われましたので、私(ヴィオラ)も王都に戻ってから半月以上は喪服を着用しなければなりませんでした。
喪に服している間は、華美な服装を避けなければなりませんし、貴族の間での茶会やパーティなどもできるだけ遠慮しなければならないのが慣行なんです。
一応、葬儀から一月経過後は、王族以外の貴族は喪に服す必要はないのですけれど、華やかな茶会やパーティは三か月ほど自粛されるのも慣例のようですね。
学院での毎日は特段の事もなく過ぎて行きます。
エミリア王女とは、ロデアルへの訪問以来特に親密になった気がしますが、喪が明けるまでは親しくお話をすることも敵いません。
でもほかの同級生や上級生をのけ者にしたりはしませんよ。
飽くまでも同級生としてのお付き合いで有り、王族と貴族の違いもきちんと仕分けて行動しています。
但し、エミリア王女の信頼度が高すぎるのが少し心配です。
喪中であるので会話はできずに、メッセージを書いた紙を渡してくるのです。
私もメッセージが来ると、返事を声ではなくメモでお返ししなければなりません。
何かがあるとすぐに私(ヴィオラ)を頼る癖は、何とか治してもらいたいですね。
まぁ、できることは致しますけれど・・・・。
◇◇◇◇
王都の工房への顔出しは、私(ヴィオラ)としてよりも、工房の職人候補生の指導者であるシレーヌ・ブラックとして頻繁に行いました。
この間、私の身代わりを式神が寮でやってくれています。
学校の授業の方も式神で間に合いそうなのですけれど、友達付き合いや私の知らないことを教えてくれる可能性も無きにしも非ずなので、できる限り学業はおろそかにしない方針でいます。
エミリア王女の暗殺未遂もありましたので、色々王宮内の確執を調べているところです。
王家の継承順位の問題とか、各王族についている貴族の勢力の張り合いとか面倒な問題がありそうなんです。
そうしてさらには国王派と王弟派という根深い対立の構図もそのまま残っています。
全部を私(ヴィオラ)が制御するつもりはありませんけれど、私の家族や親しい者に直接被害が及ぶような計画は見逃さないつもりでいます。
実は、そのために結構な数の式神を配置させているんです。
式神は魔力ではなくって霊力を使って操りますから、この世界の魔法師では、その気配を察知しにくいという事が分かりましたので、これを大いに活用しているんです。
式神単独の有効支配範囲は、およそですけれど200㎞ほどになるでしょうか。
それを超える場合には中継のための式神を配置しなければなりません。
因みに王都とロデアルでは400㎞ほどあるので、中継点を二つ置いて使うようにしています。
それと式神はずっと稼働できるわけではありません。
魔力を使った場合の魔道具ならば、周囲から微量の魔力を吸い取って動力にするという離れ業もできますけれど、霊力は私からしか供給できません。
概ね式神一枚について霊力の継続限界は丸々1日が限度でしょう。
霊力を失うと式神は消滅します。
従って後の掃除の心配もしないで済みますけれど、必要の都度、私が出向いて設置しなおすのが面倒でしょうか?
でも先ほども言ったように、魔法師たちに察知されないんです。
そもそもが式神が見えないように隠密化していますし、気配も感じられなければ空気と同じです。
その式神が私の目となり耳となってくれるのですからこれほど便利なことはありません。
但し、数が多くても私が直接見たり聞いたりできるのは一つだけ、後の式神は記録に徹して、別途報告をしてくれるわけです。
大事な点だけ要約すればほんの一瞬で報告が済みますから、さほど手間暇がかかるわけでは無いものの、数が多いと流石に管理が大変です。
こんな時はデータ管理のできるパソコンが欲しいですよね。
で、思い立ったが吉日で、この世界でのパソコンづくりも始めちゃいました。
当然のことながら、二進法のデジタル信号は使えませんよね。
まぁ、電気ならば作れないわけじゃないんですけれど、流石に半導体の記憶素子はそう簡単には作れません。
魔法陣やら式神あたりを利用して何か計算機能ができないかを試行錯誤中なんです。
うーん、もう少し弱電関係の勉強をしておけばよかったと思っています。
前世でいろいろな本を読んで勉強はしましたけれど、エレクトロニクス関係は少なかったんです。
まさか、自分が五体満足に動けるような身体を持てるようになるとは夢にも思っていませんでしたから、どうしても夢のあるお話の方に読書も偏っていましたね。
歴史なんかは好きでしたし、宇宙旅行に関するSFなんかも好きでした。
ありそうもない技術が沢山出て来るお話も多かったのですけれど、この世界ではそのありそうも無かった魔法ができちゃいますからね。
その意味では魔法を新たに生み出す際には随分と助けになっているような気がします。
見習い職人を抱えて進めようとしているプロジェクトだって、私の前世の読み物の中から出て来た発想です。
できれば夢物語を実現したいですよね。
但し、焦る必要はないと思うんです。
私一人なら何とでもできますけれど、周りにいる人も一緒になって裕福になれることが大事だと思います。
その過程で、多少の差別があるかもしれません。
全ての人々を助けることは難しいのですけれど、できるだけ多くの人を助けるようには致しましょう。
これは私の生涯をかけた戦いでもあるのだと思います。
夏休みの終わりを見越して、学院の始まる二日ほど前には、王都に戻って参りました。
今回は、予想もしなかった第四王女エミリア様のロデアル訪問があったため、当初予定していた計画の半分ができませんでした。
それでも、何とか出来る範囲のことはやったつもりです。
お父様やお母様の守護のために、万が一の際に結界を張ったり、身代わりになるような身の回りの品を造ったのです。
一つは毛色の変わった式神の類になりますけれど、名刺サイズの縦割り半分ほどの薄板に魔方陣を描いた護符です。
これは、魔法攻撃若しくは物理攻撃で命が脅かされた場合において、護符の薄板が割れることで一回限りの身代わりになるんです。
そうしてこの身代わりが発動すると同時に展開する結界発生の魔道具として、腕輪を造りました。
銀製の腕輪(ブレスレット・バングル)で有り、特段の装飾はしていませんが、逆に普段使っていても邪魔にならず、また目立たないものにしました。
但し、この二つの道具は、毒に対しては効力がありません。
毒見については、傍についている侍従や侍女に任せましょう。
一応そのための魔道具として、毒に反応する金属製の小さな薄板を造って配分しています。
毒見のために薄板を触れさせるか、若しくは、薄板の角を食べ物に差し込むだけで毒の有無が分かる優れものなんです。
やや薄青の金属片が毒を感知すると赤く変色し、わずかに発光しますのですぐにわかります。
お父様やお母様にも一応持たせてはいるのでけれど、毒見は普通側付きの者がするものなので、お父様やお母様がするとなればよほどの場合に限られるでしょうね。
そうして護符と腕輪、それに毒見のための金属片は、お兄様やお姉さまにも渡しています。
私(ヴィオラ))の分ですか?
私(ヴィオラ)の場合は、鑑定の能力で毒が有ればすぐに見破れますので毒見の魔道具は必要ありません。
それと、身代わり護符や結界の腕輪の代わりに、身体の周囲に私の能力で常時結界を張っていますから、私(ヴィオラ)に物理的攻撃や魔法での攻撃は効かないんです。
ですから、私(ヴィオラ)にはこれらの道具は必要がありませんけれど、家族や側付きの者が心配するので、皆とお揃いになるようダミーは付けているんですよ。
因みに、エミリア王女にも護符と腕輪を渡していますが、詳しい話はしていません。
「お守りです。」としか説明しておらず、単なるプレゼントで渡しました。
身に着けていれば、ちゃんと機能するんですけれどね。
この情報が広がると欲しがる人が増えますからね。
飽くまで私(ヴィオラ)に近しい人への限定的な贈り物なんです。
◇◇◇◇
それと今回の帰省中、前回はロデアル領内にある三つの孤児院のうち、一つだけにしか訪問していませんでしたから、今回は残り二つを回って工房の見習い職人を選抜してきました。
今回は、採用したのは4人です。
夏休み中、例によって屋敷の裏手にある古い使用人寮で訓練とお勉強をし、私(ヴィオラ)が王都に戻る際に四人を連れて来たのです。
今回は、植物の育成に相応しいスキル(農民スキル)を持った者2名、それに錬金術と木工に潜在能力を持つ者各一名を確保しました。
近い将来、懸案になりそうな稲の栽培は、クロイゼンハルト公国での秋の実りを確認してからでなければ話が進みそうにありませんけれど、いずれ私(ヴィオラ)の農園で稲の栽培をしてもらうことになると思うんです。
そのためにも植物の育成に必要な農民スキルを持つ者は大事なんです。
当座は、地下の実験農場で果樹園の育成と他の希少作物の栽培に寄与してもらうつもりでいます。
果樹園ではブドウ栽培を最初に行いますけれど、特に品種改良を進めるつもりでいます。
ワインづくりに最適な品種と、食用のブドウを育てたいのです。
これらが上手く行けば、ロデアル領内の新しい特産物として農民に教えることができるでしょう。
問題は、品種改良したものを盗まれないようにすることでしょうけれど、それはまた、ロデアルで栽培可能になった時点で考えましょう。
もう一つの希少作物ですけれど、こちらはキノコの栽培を考えています。
この世界ではキノコは天然物だけで人工栽培はしていないのです。
キノコの人工栽培も実現には色々問題があるのですけれど、農民スキルのLv3を持っている二人と試行錯誤しながら始めるつもりです。
前世でもマツタケなどは人工栽培ができないものでしたけれど、それ以外のものは結構人工栽培が可能でしたよね。
この世界でも食用になるキノコで似たような品種がありそうなので、人工栽培が可能ではないかと思っているのです。
これも成功すればロデアルの特産品になると思うのです。
いずれにしろ、私(ヴィオラ)の工房の見習い職人がまた増えて、王都での毎日が始まりました。
🔷◇🔶◇🔷◇🔶
エミリア王女の暗殺未遂に絡んで、多くの人が死亡しましたけれど、その所為で王宮は結構大騒ぎだったようですね。
私(ヴィオラ)が王都に戻った時には、事件の真の首謀者だったアマーリア様も、私(ヴィオラ)が密かに盛った毒により、既に亡くなっていました。
常識的に考えて、私(ヴィオラ)はずっとロデアルに滞在していたわけなので、加害者であるわけもありませんよね。
でも、王都に戻ったなら、王族の一員の逝去に対して哀悼の意を表するために喪服を着なければならないのです。
王族で直系の者は一年間、非直系の王族は四カ月間、貴族についてはその子女も含めて王都にいる際は、葬儀が行われてから一月の間の喪服着用が慣例となっています。
葬儀は、夏休みが終わる十日ほど前に行われましたので、私(ヴィオラ)も王都に戻ってから半月以上は喪服を着用しなければなりませんでした。
喪に服している間は、華美な服装を避けなければなりませんし、貴族の間での茶会やパーティなどもできるだけ遠慮しなければならないのが慣行なんです。
一応、葬儀から一月経過後は、王族以外の貴族は喪に服す必要はないのですけれど、華やかな茶会やパーティは三か月ほど自粛されるのも慣例のようですね。
学院での毎日は特段の事もなく過ぎて行きます。
エミリア王女とは、ロデアルへの訪問以来特に親密になった気がしますが、喪が明けるまでは親しくお話をすることも敵いません。
でもほかの同級生や上級生をのけ者にしたりはしませんよ。
飽くまでも同級生としてのお付き合いで有り、王族と貴族の違いもきちんと仕分けて行動しています。
但し、エミリア王女の信頼度が高すぎるのが少し心配です。
喪中であるので会話はできずに、メッセージを書いた紙を渡してくるのです。
私もメッセージが来ると、返事を声ではなくメモでお返ししなければなりません。
何かがあるとすぐに私(ヴィオラ)を頼る癖は、何とか治してもらいたいですね。
まぁ、できることは致しますけれど・・・・。
◇◇◇◇
王都の工房への顔出しは、私(ヴィオラ)としてよりも、工房の職人候補生の指導者であるシレーヌ・ブラックとして頻繁に行いました。
この間、私の身代わりを式神が寮でやってくれています。
学校の授業の方も式神で間に合いそうなのですけれど、友達付き合いや私の知らないことを教えてくれる可能性も無きにしも非ずなので、できる限り学業はおろそかにしない方針でいます。
エミリア王女の暗殺未遂もありましたので、色々王宮内の確執を調べているところです。
王家の継承順位の問題とか、各王族についている貴族の勢力の張り合いとか面倒な問題がありそうなんです。
そうしてさらには国王派と王弟派という根深い対立の構図もそのまま残っています。
全部を私(ヴィオラ)が制御するつもりはありませんけれど、私の家族や親しい者に直接被害が及ぶような計画は見逃さないつもりでいます。
実は、そのために結構な数の式神を配置させているんです。
式神は魔力ではなくって霊力を使って操りますから、この世界の魔法師では、その気配を察知しにくいという事が分かりましたので、これを大いに活用しているんです。
式神単独の有効支配範囲は、およそですけれど200㎞ほどになるでしょうか。
それを超える場合には中継のための式神を配置しなければなりません。
因みに王都とロデアルでは400㎞ほどあるので、中継点を二つ置いて使うようにしています。
それと式神はずっと稼働できるわけではありません。
魔力を使った場合の魔道具ならば、周囲から微量の魔力を吸い取って動力にするという離れ業もできますけれど、霊力は私からしか供給できません。
概ね式神一枚について霊力の継続限界は丸々1日が限度でしょう。
霊力を失うと式神は消滅します。
従って後の掃除の心配もしないで済みますけれど、必要の都度、私が出向いて設置しなおすのが面倒でしょうか?
でも先ほども言ったように、魔法師たちに察知されないんです。
そもそもが式神が見えないように隠密化していますし、気配も感じられなければ空気と同じです。
その式神が私の目となり耳となってくれるのですからこれほど便利なことはありません。
但し、数が多くても私が直接見たり聞いたりできるのは一つだけ、後の式神は記録に徹して、別途報告をしてくれるわけです。
大事な点だけ要約すればほんの一瞬で報告が済みますから、さほど手間暇がかかるわけでは無いものの、数が多いと流石に管理が大変です。
こんな時はデータ管理のできるパソコンが欲しいですよね。
で、思い立ったが吉日で、この世界でのパソコンづくりも始めちゃいました。
当然のことながら、二進法のデジタル信号は使えませんよね。
まぁ、電気ならば作れないわけじゃないんですけれど、流石に半導体の記憶素子はそう簡単には作れません。
魔法陣やら式神あたりを利用して何か計算機能ができないかを試行錯誤中なんです。
うーん、もう少し弱電関係の勉強をしておけばよかったと思っています。
前世でいろいろな本を読んで勉強はしましたけれど、エレクトロニクス関係は少なかったんです。
まさか、自分が五体満足に動けるような身体を持てるようになるとは夢にも思っていませんでしたから、どうしても夢のあるお話の方に読書も偏っていましたね。
歴史なんかは好きでしたし、宇宙旅行に関するSFなんかも好きでした。
ありそうもない技術が沢山出て来るお話も多かったのですけれど、この世界ではそのありそうも無かった魔法ができちゃいますからね。
その意味では魔法を新たに生み出す際には随分と助けになっているような気がします。
見習い職人を抱えて進めようとしているプロジェクトだって、私の前世の読み物の中から出て来た発想です。
できれば夢物語を実現したいですよね。
但し、焦る必要はないと思うんです。
私一人なら何とでもできますけれど、周りにいる人も一緒になって裕福になれることが大事だと思います。
その過程で、多少の差別があるかもしれません。
全ての人々を助けることは難しいのですけれど、できるだけ多くの人を助けるようには致しましょう。
これは私の生涯をかけた戦いでもあるのだと思います。
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