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第四章 学院生活(中等部編)
4ー22 ブルボン家の内情、デート、セルデン訪問
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婚約披露で何かと周囲が騒がしかったわけですが、私のスパイインセクトによるブルボン家に関わる情報収集が続いており、ルテナがそのとりまとめをしてくれています。
ブルボン家に敵対する勢力はやはり王弟派貴族がメインなのですが、こちらの方はどちらかと云うと前世における政党同士の争いという政権闘争の一つなのでしょうね。
裏では色々画策している部分もありそうですが、ルテナによると国王派でそうした暗部闘争を受け持っているのはローディーヌ伯爵であるらしく、ブルボン家もエルグンド家も余り関わってはいないようなんです。
但し、ブルボン家は、領内にちょっとした課題を抱えているようです。
エルグランド家のロデアル領に比べると、小麦の単位面積当たりの収穫量がかなり落ち込んでいるようなのです。
これは連作の弊害のようですが、元々国内有数の穀倉地帯であったため、今のところはまだ保っていますが、早めに方針を転化しないと収穫の減っている農民が可愛そうですね。
そうしてもう一つ、ブルボン侯爵の領地は、エルグンド家の領地の三倍以上の広さがあって、領内の半分は山地であり、多くの山林を抱えていますが、どうも無計画な乱伐が災いしており、このまま放置すると水害や土砂災害などが発生する恐れがあるようです。
元々、左程降雨量が多い地域ではないのですが、こちらも早めに手当てをする必要がありますね。
但し、いくら嫡男の許嫁とはいえ、現地に赴いた実績の無い者がおいそれと指摘する事項などではないですから、適当な時期を待つしかありません。
レイノルズ様は、既に学院中等部を卒業しておりますけれど、現在は近衛騎士団に入って王都の警護についています。
貴族の嫡男と言えども、王家の騎士の一員として最低四年の軍役経験をしなければならないのです。
因みにお兄様もご一緒に近衛騎士団で兵役についていますよ。
この兵役は、当主の死亡や止むを得ない事情での引退などの場合は、嫡男に限り免除されますけれど、通常は貴族子息の義務なのです。
女性の場合、兵役義務はありませんが、望んで兵役に就く勇ましいお嬢様も相当数いらっしゃいますよ。
私(ヴィオラ)の場合は、兵役につかない方が良いかもしれませんね。
うっかり本気を出したりしたら、将軍にでも祭り上げられる未来が目に浮かびます。
私としては第二の人生をのんびり穏やかに謳歌したいのであって、血なまぐさいことに余り手を染めたくはないのです。
そうは言いながら、人知れず多数の悪党を闇に葬ってきた私(ヴィオラ)ですから、余り贅沢は言えませんよね。
いずれにせよ、婚約者のレイノルズ様が近衛騎士として王都にいらっしゃるために、許嫁同士の義務のようなもので、月に一度は逢瀬を設けてデートしております。
前世で言えば、18歳か19歳の大学生が中三か高一あたりの女の子と逢引する状況なわけですので、チョットした犯罪モノになりかねませんが、現世では、むしろ貴族の子女としての義務なんです。
だから大手を振ってデートは可能なんですけれど、レイノルズ様は少し晩生なんでしょうかねぇ。
紳士ではありますけれど、女性の扱いに余り慣れてはいないようです。
私だって未経験ではありますけれど、こちらの図書館で色々なロマンス物も読みましたから、それなりに耳年増で、男女間のお付き合いに関する知識は豊富なんですよ。
で、問題は、彼から中々話しかけてこないものですから、仕方がないので私(ヴィオラ)から色々と話を振ってあげています。
そうしないと話が続きません。
黙って二人で小径を散歩するのも良いのですが、互いのことを知りあうには、お話をすべきなんです。
デートで、政治向きの話は避けた方が良いのでしょうけれど、情報収集の為に少しぐらいは話題に載せてもいいでしょう。
レイノルズ様は、以外と簡単に話に乗ってきますから、あるいは御しやすい人かもしれません。
逆に言えば、罠に嵌りやすいかもしれませんので要注意でしょうか?
それとも私には気を許している?
ウーン、今のところはまだ分かりませんね。
もう少し様子を見て判断をすることにいたしましょう。
彼のお父様である侯爵様とは婚約披露宴の直前にお会いしましたが、私(ヴィオラ)のお父様よりも二つ年上の方で、その言動から見て中々の人物とお見受けしました。
但し、こちらは未成年の小娘に過ぎないのですから、ほどほどのご挨拶だけに留めていますのでお人柄の方は今一感覚的につかめていません。
ルテナによれば、人付き合いは良く、冷徹な判断をする面倒見の良い親分肌のお人のようですよ。
いずれにせよ、王都でのレイノルズ様との二度目のデートの折に、今度の夏休みにブルボン侯爵領へ行ってみないかとお誘いを受けました。
これも慣例に近いようなものなのですが、貴族家の嫡男としては、早めに領民にも許嫁をお披露目することが望ましいのだそうです。
そう言えば、お兄様も婚約者を家に招いていたようですし、お姉さまも婚約者の家に行かれたようですね。
このような訪問は頻繁にするものではないのですが、一年に一度ぐらいはすべきとされている貴族の慣行です。
一方で、嫁を貰う方が、嫁の実家にお邪魔することは、余り例がありませんので慣例では無いようです。
結婚してからの訪問は状況によりますけれど、当主ともなれば他家への訪問はなかなか難しいことになりますね。
同様に私(ヴィオラ)も嫁入りすると実家でさえ旅行をしにくいものなのです。
これが隣の領地あたりならばできることもあるのでしょうけれど、まぁ、仕方が無いですよね。
郷に入っては郷に従えですかね。
こんな時、ラテン語では、確か・・・、
“Cum fueris Romae, Romano vivito more, cum fueris alibi, vivito sicutibi.”というはずです。
こちらでも、似たような意味合いで、『ディカ アン ディ ケスティア、ヒデュプラァ セスア デンガン カラ ケスティア、ディカ アンダ ディ テンパ レィ、 ヒデュプラァセペル アンダ ディ サナ。』というのがあります。
意味合いは『ケスティアではケスティア流に、他の場所ではそこなりに合わせて過ごせ』というような意味合いです。
いずれにしろ、次の夏休みでは、ブルボン領への旅行がメインになりそうです。
またまた私(ヴィオラ)の予定が狂ってしまうのです。
ウーン、学院中等部卒業までにエルグンド家領内の産業引継ぎが上手くできるかしらんとちょっと心配になる私(ヴィオラ)です。
◇◇◇◇
時は過ぎて、中等部二年の夏休みでございます。
ブルボン領訪問の為に、色々と準備を進めてきましたが、私(ヴィオラ)専従のメイドであるローナ、王都別邸から執事一名にメイド一名、更に警護の騎士4名を引き連れて、ブルボン領の領都セルデンまでの馬車の旅です。
こんな時は、馬車の中で許嫁と一緒?
いいえ、こんな場合、許嫁であっても馬車は別々なのが慣例なんです。
ですから私(ヴィオラ)の乗る馬車は、エルグンド家が用意したものですよ。
うん、私(ヴィオラ)が弄り倒した傑作ですから、悪路の揺れにも強い乗り心地の良い馬車なんで、良かったですね。
これがブルボン家の用意した馬車ならば、きっとお尻が痛いし、乗り物酔いをしたかもしれません。
それと、嫡男とその許嫁のお国入りなわけですから、警護は凄いですよ。
ブルボン家手配の従者や騎士だけで30名を超えています。
王都からセルデンまでは、馬車の旅でゆっくり行っても三日、急げば二日で到達できるそうです。
馬車の窓から見える景色もロデアルへ行く道筋とは随分と違います。
植物相が少し違うのかも知れませんね。
ロデアルは、夏冬を通じて温暖ですけれど、ブルボン領は王国の北側に位置しており、その領地の南部に位置するセルデンは、どちらかと云うとロデアルよりも涼しい気候になるのかも知れません。
レイノルズ様のお話では、冬場の山岳地帯では降雪もあるそうです。
途中の宿は、ブルボン家の定宿だそうですが、前世日本の宿で言えば、江戸時代の本陣、脇本陣に当たる貴族御用達のちょっと高級な宿屋です。
勿論、レイノルズ様とは別室ですよ。
形の上では、婚前旅行になるのかも知れませんが、各種教会の教えでも婚前の同衾は許されていません。
その辺は倫理的に厳格なようですね。
私(ヴィオラ)も迫られたら困ります。
未だ身体が出来上がっていませんからね。
前世の病身でがりがりに痩せていた私(忍)に比べたらかなりましですけれど、現世でも平均より少し小さ目の私(ヴィオラ)です。
私(ヴィオラ)は、これから成長するとは信じていますけれど、・・・。
出るところはもう少し出てほしいなぁ。
魔法で何とかする?
まぁ、色々と有り得べき成人女性の格好で人目についたりしてますけれど、あれぐらいになるにはもう数年(?)かかりそうですね。
今は数えで12歳、満年齢では11歳なので、地球で言えば14歳から15歳の間でしょうか。
同級生に比べるとやや発達が遅れているような気もします。
但し、私(ヴィオラ)の種族はヒト族ではあるのですけれど、ルテナ曰く、将来的にハイヒューマンに変化する兆しもあるとのことでした。
ハイヒューマンになったら、どうなるのでしょうか?
ルテナも色々調べてはくれて居るんですが、どうも寿命がかなり伸びるとしかわかっていないようです。
この世界では、魔力量の多い者が長生きをしやすいのだそうです。
私(ヴィオラ)は自慢じゃないですけれど、魔力バカと呼べそうなほど、魔力保有量は多いですからね。
今の時点で常人の数百万倍になっていそうですから、魔力量に寿命が比例するなら数百年(?)あるいは数千年(?)長生きしてもおかしくないですね。
あれ?
私(ヴィオラ)って、化け物?
いいえ、いいえ。
きちんとした人間ですよね?
そんなアホな考えに浸りながら馬車の旅を楽しみつつ、到着しましたブルボン侯爵領の領都セルデンです。
山地が近い所為もあって、セルデン自体は巨大な城郭都市です。
高さが7尋を超えるような高い城壁がセルデンを囲っています。
過去において何度かスタンピードを経験しているために、侯爵領の各集落はいずれも城壁に囲まれているそうです。
ルテナの情報で知ってはいましたが、実際に目にすると壮観ですね。
万里の長城(写真でしか見たことが有りません)もかくやと思われる壮大な石壁がずっと取り巻いているんですもの。
市内に出入りする門も随分と分厚く物々しい作りですが、スタンピードの侵攻を止めるには分厚い門扉が必要なのでしょうね。
スタンピードはロデアルでも一度経験しましたけれど、此処は山がちな領地なので、それがもっと多いのかしらと思い、ルテナに過去のスタンピードを調べてもらいました。
すると概ね15年ほどの周期で領内若しくはその近傍でスタンピードが起きているようですね。
それをマップに表してみたところ、概ねセルデンの北東方向に有る山地に問題があるかも知れません。
スタンピードの発生は、その周辺で数が多いのです。
あるいは瘴気の蝟集しやすい場所があるのかも知れませんね。
いずれ調査の必要がありますね。
ブルボン家に敵対する勢力はやはり王弟派貴族がメインなのですが、こちらの方はどちらかと云うと前世における政党同士の争いという政権闘争の一つなのでしょうね。
裏では色々画策している部分もありそうですが、ルテナによると国王派でそうした暗部闘争を受け持っているのはローディーヌ伯爵であるらしく、ブルボン家もエルグンド家も余り関わってはいないようなんです。
但し、ブルボン家は、領内にちょっとした課題を抱えているようです。
エルグランド家のロデアル領に比べると、小麦の単位面積当たりの収穫量がかなり落ち込んでいるようなのです。
これは連作の弊害のようですが、元々国内有数の穀倉地帯であったため、今のところはまだ保っていますが、早めに方針を転化しないと収穫の減っている農民が可愛そうですね。
そうしてもう一つ、ブルボン侯爵の領地は、エルグンド家の領地の三倍以上の広さがあって、領内の半分は山地であり、多くの山林を抱えていますが、どうも無計画な乱伐が災いしており、このまま放置すると水害や土砂災害などが発生する恐れがあるようです。
元々、左程降雨量が多い地域ではないのですが、こちらも早めに手当てをする必要がありますね。
但し、いくら嫡男の許嫁とはいえ、現地に赴いた実績の無い者がおいそれと指摘する事項などではないですから、適当な時期を待つしかありません。
レイノルズ様は、既に学院中等部を卒業しておりますけれど、現在は近衛騎士団に入って王都の警護についています。
貴族の嫡男と言えども、王家の騎士の一員として最低四年の軍役経験をしなければならないのです。
因みにお兄様もご一緒に近衛騎士団で兵役についていますよ。
この兵役は、当主の死亡や止むを得ない事情での引退などの場合は、嫡男に限り免除されますけれど、通常は貴族子息の義務なのです。
女性の場合、兵役義務はありませんが、望んで兵役に就く勇ましいお嬢様も相当数いらっしゃいますよ。
私(ヴィオラ)の場合は、兵役につかない方が良いかもしれませんね。
うっかり本気を出したりしたら、将軍にでも祭り上げられる未来が目に浮かびます。
私としては第二の人生をのんびり穏やかに謳歌したいのであって、血なまぐさいことに余り手を染めたくはないのです。
そうは言いながら、人知れず多数の悪党を闇に葬ってきた私(ヴィオラ)ですから、余り贅沢は言えませんよね。
いずれにせよ、婚約者のレイノルズ様が近衛騎士として王都にいらっしゃるために、許嫁同士の義務のようなもので、月に一度は逢瀬を設けてデートしております。
前世で言えば、18歳か19歳の大学生が中三か高一あたりの女の子と逢引する状況なわけですので、チョットした犯罪モノになりかねませんが、現世では、むしろ貴族の子女としての義務なんです。
だから大手を振ってデートは可能なんですけれど、レイノルズ様は少し晩生なんでしょうかねぇ。
紳士ではありますけれど、女性の扱いに余り慣れてはいないようです。
私だって未経験ではありますけれど、こちらの図書館で色々なロマンス物も読みましたから、それなりに耳年増で、男女間のお付き合いに関する知識は豊富なんですよ。
で、問題は、彼から中々話しかけてこないものですから、仕方がないので私(ヴィオラ)から色々と話を振ってあげています。
そうしないと話が続きません。
黙って二人で小径を散歩するのも良いのですが、互いのことを知りあうには、お話をすべきなんです。
デートで、政治向きの話は避けた方が良いのでしょうけれど、情報収集の為に少しぐらいは話題に載せてもいいでしょう。
レイノルズ様は、以外と簡単に話に乗ってきますから、あるいは御しやすい人かもしれません。
逆に言えば、罠に嵌りやすいかもしれませんので要注意でしょうか?
それとも私には気を許している?
ウーン、今のところはまだ分かりませんね。
もう少し様子を見て判断をすることにいたしましょう。
彼のお父様である侯爵様とは婚約披露宴の直前にお会いしましたが、私(ヴィオラ)のお父様よりも二つ年上の方で、その言動から見て中々の人物とお見受けしました。
但し、こちらは未成年の小娘に過ぎないのですから、ほどほどのご挨拶だけに留めていますのでお人柄の方は今一感覚的につかめていません。
ルテナによれば、人付き合いは良く、冷徹な判断をする面倒見の良い親分肌のお人のようですよ。
いずれにせよ、王都でのレイノルズ様との二度目のデートの折に、今度の夏休みにブルボン侯爵領へ行ってみないかとお誘いを受けました。
これも慣例に近いようなものなのですが、貴族家の嫡男としては、早めに領民にも許嫁をお披露目することが望ましいのだそうです。
そう言えば、お兄様も婚約者を家に招いていたようですし、お姉さまも婚約者の家に行かれたようですね。
このような訪問は頻繁にするものではないのですが、一年に一度ぐらいはすべきとされている貴族の慣行です。
一方で、嫁を貰う方が、嫁の実家にお邪魔することは、余り例がありませんので慣例では無いようです。
結婚してからの訪問は状況によりますけれど、当主ともなれば他家への訪問はなかなか難しいことになりますね。
同様に私(ヴィオラ)も嫁入りすると実家でさえ旅行をしにくいものなのです。
これが隣の領地あたりならばできることもあるのでしょうけれど、まぁ、仕方が無いですよね。
郷に入っては郷に従えですかね。
こんな時、ラテン語では、確か・・・、
“Cum fueris Romae, Romano vivito more, cum fueris alibi, vivito sicutibi.”というはずです。
こちらでも、似たような意味合いで、『ディカ アン ディ ケスティア、ヒデュプラァ セスア デンガン カラ ケスティア、ディカ アンダ ディ テンパ レィ、 ヒデュプラァセペル アンダ ディ サナ。』というのがあります。
意味合いは『ケスティアではケスティア流に、他の場所ではそこなりに合わせて過ごせ』というような意味合いです。
いずれにしろ、次の夏休みでは、ブルボン領への旅行がメインになりそうです。
またまた私(ヴィオラ)の予定が狂ってしまうのです。
ウーン、学院中等部卒業までにエルグンド家領内の産業引継ぎが上手くできるかしらんとちょっと心配になる私(ヴィオラ)です。
◇◇◇◇
時は過ぎて、中等部二年の夏休みでございます。
ブルボン領訪問の為に、色々と準備を進めてきましたが、私(ヴィオラ)専従のメイドであるローナ、王都別邸から執事一名にメイド一名、更に警護の騎士4名を引き連れて、ブルボン領の領都セルデンまでの馬車の旅です。
こんな時は、馬車の中で許嫁と一緒?
いいえ、こんな場合、許嫁であっても馬車は別々なのが慣例なんです。
ですから私(ヴィオラ)の乗る馬車は、エルグンド家が用意したものですよ。
うん、私(ヴィオラ)が弄り倒した傑作ですから、悪路の揺れにも強い乗り心地の良い馬車なんで、良かったですね。
これがブルボン家の用意した馬車ならば、きっとお尻が痛いし、乗り物酔いをしたかもしれません。
それと、嫡男とその許嫁のお国入りなわけですから、警護は凄いですよ。
ブルボン家手配の従者や騎士だけで30名を超えています。
王都からセルデンまでは、馬車の旅でゆっくり行っても三日、急げば二日で到達できるそうです。
馬車の窓から見える景色もロデアルへ行く道筋とは随分と違います。
植物相が少し違うのかも知れませんね。
ロデアルは、夏冬を通じて温暖ですけれど、ブルボン領は王国の北側に位置しており、その領地の南部に位置するセルデンは、どちらかと云うとロデアルよりも涼しい気候になるのかも知れません。
レイノルズ様のお話では、冬場の山岳地帯では降雪もあるそうです。
途中の宿は、ブルボン家の定宿だそうですが、前世日本の宿で言えば、江戸時代の本陣、脇本陣に当たる貴族御用達のちょっと高級な宿屋です。
勿論、レイノルズ様とは別室ですよ。
形の上では、婚前旅行になるのかも知れませんが、各種教会の教えでも婚前の同衾は許されていません。
その辺は倫理的に厳格なようですね。
私(ヴィオラ)も迫られたら困ります。
未だ身体が出来上がっていませんからね。
前世の病身でがりがりに痩せていた私(忍)に比べたらかなりましですけれど、現世でも平均より少し小さ目の私(ヴィオラ)です。
私(ヴィオラ)は、これから成長するとは信じていますけれど、・・・。
出るところはもう少し出てほしいなぁ。
魔法で何とかする?
まぁ、色々と有り得べき成人女性の格好で人目についたりしてますけれど、あれぐらいになるにはもう数年(?)かかりそうですね。
今は数えで12歳、満年齢では11歳なので、地球で言えば14歳から15歳の間でしょうか。
同級生に比べるとやや発達が遅れているような気もします。
但し、私(ヴィオラ)の種族はヒト族ではあるのですけれど、ルテナ曰く、将来的にハイヒューマンに変化する兆しもあるとのことでした。
ハイヒューマンになったら、どうなるのでしょうか?
ルテナも色々調べてはくれて居るんですが、どうも寿命がかなり伸びるとしかわかっていないようです。
この世界では、魔力量の多い者が長生きをしやすいのだそうです。
私(ヴィオラ)は自慢じゃないですけれど、魔力バカと呼べそうなほど、魔力保有量は多いですからね。
今の時点で常人の数百万倍になっていそうですから、魔力量に寿命が比例するなら数百年(?)あるいは数千年(?)長生きしてもおかしくないですね。
あれ?
私(ヴィオラ)って、化け物?
いいえ、いいえ。
きちんとした人間ですよね?
そんなアホな考えに浸りながら馬車の旅を楽しみつつ、到着しましたブルボン侯爵領の領都セルデンです。
山地が近い所為もあって、セルデン自体は巨大な城郭都市です。
高さが7尋を超えるような高い城壁がセルデンを囲っています。
過去において何度かスタンピードを経験しているために、侯爵領の各集落はいずれも城壁に囲まれているそうです。
ルテナの情報で知ってはいましたが、実際に目にすると壮観ですね。
万里の長城(写真でしか見たことが有りません)もかくやと思われる壮大な石壁がずっと取り巻いているんですもの。
市内に出入りする門も随分と分厚く物々しい作りですが、スタンピードの侵攻を止めるには分厚い門扉が必要なのでしょうね。
スタンピードはロデアルでも一度経験しましたけれど、此処は山がちな領地なので、それがもっと多いのかしらと思い、ルテナに過去のスタンピードを調べてもらいました。
すると概ね15年ほどの周期で領内若しくはその近傍でスタンピードが起きているようですね。
それをマップに表してみたところ、概ねセルデンの北東方向に有る山地に問題があるかも知れません。
スタンピードの発生は、その周辺で数が多いのです。
あるいは瘴気の蝟集しやすい場所があるのかも知れませんね。
いずれ調査の必要がありますね。
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